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黙想の散歩道  作者: 智康
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無についての思索の補足と訂正

 「無について考えてみたこと3」で書いたように、状況の半残像化とは、無感覚(=五感の感覚や思考・感情などの内面の現象が存在しないこと)の状況において無感覚に気づくことです。無感覚に気づくこととは、その存在を感じ取ることです。

 無感覚は形がないので分割されません。したがって、無感覚が現れたことは、状況の各要素・各事物が消えたことの総和として感じられるのではありません。無感覚の出現時は、単に状況が消えたと感じられるだけです。無感覚の出現時は、出現前の状況の残像は、この状況が具体的にどんなありさまだったかではなく、状況が存在したことだけを表します。

 無感覚は無感覚が現れる前の状況が存在したからこそ、無感覚と感じられます。無感覚が出現した状況では、出現前の状況が存在したことは、状況の残像として、無感覚の出現という状況の変化と無感覚を構成することになります。この時の状況は複数の要素で構成されています。しかし、無感覚の存在を感じ取る時は、無感覚が出現することはないので、無感覚が現れる前に状況が存在したことは無感覚の構成にのみ与ります。無感覚が出現した状況は、無感覚の存在が感じ取られる時は、無感覚という単一の要素で構成されるということです

 状況の半残像化が起きる状況には、存在が感じ取られる無感覚のほか、現れたままの無感覚が存在します。現れたままの無感覚は、出現した無感覚がそのまま残ったものです。この無感覚の構成にも無感覚が現れる前に状況が存在したことが関わります。存在を感じ取られる無感覚と現れたままの無感覚は実質的には同じです。ただ、存在を感じ取られる無感覚は、存在を感じ取られる時に客観視されることになるので、過去として扱われます。半残像化の起きる状況では、今と過去の無感覚が存在することになり、これが半残像ということです。

状況が複数の要素・事物で構成されている場合は、これらの事物・要素のそれぞれがそれぞれの現れ方をすることで、状況が成立しています。このため、状況の存在を感じ取ることとは、状況の各要素・各事物がそれぞれの姿で現れていることを認めることということになります。この時、存在を感じ取られる状況では、状況の「全て」の事物・要素が「共に」存在を感じ取られます。現れたままの状況にはない「全て」と「共に」という要素が加わることになります。状況の半残像では、2つの状況が存在し、両者の違いは今か過去かだけです。複数の要素・事物で構成された状況の存在を感じ取る場合、現れたままの状況と存在を感じ取られる状況には、今か過去か以外にも違いが存在することになり、これは半残像ではありません。複数の事物・要素で構成された状況では半残像化は起きないということになります。

 状況が無感覚以外の一つの要素に変化する時、変化前の状況の残像がこの変化が感じ取られる状況内に含まれますが、これは要素の構成に関わりません。だから、この要素の存在を感じ取ることは、状況の存在を感じ取ることにはならず、状況の半残像化にはなりません。また、この状況には、この要素と変化前の状況の残像と、複数の要素が存在するので、この状況の存在を感じ取ることも状況の半残像化にはなりません。状況の半残像化は、無感覚が存在する状況にのみ起きるということになります。

 

 状況の変化は、今まさに起きていると感じられるのではなく、今起きたと感じられます。無感覚の状況において無感覚に気づくことは、「無感覚に気づいた」として現れます。気づきには、注意が関与し、状況の変化も気づきによってもたらされると、「状況の変化と注意の関係」に書きました。そして、注意が時間・空間と無関係に存在し、複数は存在しないとも書きました。ということは、無感覚に気づいたことに気づくことと無感覚に気づくことは同一の注意が引き起こす別々の事柄ということになります。気づきは注意による選択です。半残像化のみならず状況の変化も気づきによってもたらされるので、状況の変化も注意による選択です。状況の半残像化は意思することによって起きるけれども、状況の変化はそうではないと、「無について考えてみたこと2」で書きましたが、これを注意による意思と呼ぶのなら、状況の変化も意思されるということになります。

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