表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある嫌われ者の人生  作者: 夏目寅次郎
5/10

幼なじみ

正義は小学生になっていた。


正義には近所に同い年の3人の幼なじみがいた。


サダオ、キヨシそれからチヅルちゃんだ。



サダオとキヨシは双子で正義の住居兼店舗のはす向かいの酒屋の息子。



サダオとキヨシとは男同士ということもあって、よく当時人気のプロ野球選手の長嶋や王の真似をしながら野球の真似事をしていたものだ。


お互いの家を行き来するのは勿論、時にはお風呂に一緒に入るほど仲が良かった。


小学校に上がりクラスが離れてしまうと疎遠になっていたが。



チヅルちゃんは近所の農家の末娘。


目のパッチリしたかわいい子だった。


クラスも一緒になり学校が終わると時々一緒に帰っていた。


ある年のバレンタインデーにはチョコレートをプレゼントされたこともあった。


正義もチヅルちゃんのことは好きだったので、いわゆる人生初めてのカップル成立と言って良いだろう。


まあ、小学生低学年の恋愛なので、一緒に学校から帰るくらいのデートしか出来なかったが。




小学校高学年に上がると正義はそろばん塾に通うようになった。


商売人の子供の習い事の定番と言えば定番だったが。


そこで正義はちょっとした才能を発揮した。


入塾後、塾長から「この子はものすごく理解力と吸収力があるので月謝半額の特待生にしたい」との申し出があった。


これには母史子も大喜び。


正義はメキメキとそろばんの腕を上げ、最初の8級から半年後には1級を受けるまでになっていた。


普通の子供の倍以上のスピード昇級だ。


その時は無心にそろばんをはじくのが楽しくてしょうがなかった。


人に認められる経験も初めてだったし、生まれて初めて「生き甲斐」というものを感じた。




だが、そんな幸せな時期はそんなに長くは続かなかった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ