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45歳のバースデー
「人生なんて所詮計画通りには行かないものさ」
「でも、人生は良い方にも悪い方にも思った通りになるのは確かなようだ」
45歳の誕生日を迎え、正義はこんなことを思っていた。
12/15になると、Facebookの会ったこともないバーチャルな「友達」から沢山のお祝いメッセージが届いていた。
「お誕生日おめでとうございます♪素敵な1年をお過ごしください!」
100通以上の似たようなあまり心のこもっていないメッセージに少し何かを期待していた正義はうんざりしながら、お礼の返信をしていた。
Facebookの中でも「リアル」な友達は10人ほど。
そのうちお祝いメッセージをくれたのは大学生時代の先輩本村さんとFacebookで知り合いになった友達2,3人だけだ。
これが現代人の人付き合いなのかも知れないけど、やっぱり寂しいものがある。
一度ぐらいサプライズのバースデープレゼントなど貰ってみたいものだ(笑)
でも貰えないというには何か「理由」があるのかも知れない。
そこで正義は過去の記憶を頼りにその「理由」を探ってみることにした。