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優柔不断、やる気なし。


桜の花びらがひらりと目の前を舞っていった。


俺はそれを追うように、視線を未記入の入部届けから窓の外へと移す。


外では放課後特有の体育系部活の雰囲気があった。

まだ1年生は仮入部の時期だといっても、すでに部活に参加している人が多いみたいだ。それも、1年生に部活を早く決めさせるためなのかもしれない。

特に体育系は入部してすぐに大会があるのだとか。


「部活、どうしようかなー…」


がらんとした教室の中で一人呟く。


俺――保住響は、未記入の入部届けから察した人もいるだろうが、まだ部活を決めていない。

いや、放課後の一般下校時刻がとっくに過ぎているような時刻に残っている、帰宅部員でない上に部活を見学にさえ行かない生徒なんて、部活を決める気なんて無いとしか思えない。


(実際、無いんだろうな…)


自分でもそうとしか思えない。


だからといって、帰宅部では刺激が足りない気もする。


いつまで経っても結論は出なくて、考えるのに疲れた俺は机に突っぷした。


校庭で、野球部の野太い声やテニス部のラケットにボールが当たる小気味のいい音が聞こえる。


それをぼんやりと聞いているうちに眠くなり、いつの間にか俺は寝てしまった。



春の風は桜の花びらを舞わせると同時に、寝ている俺を暖かな陽気で優しく包み込んでくれているような気がした。


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