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2-2 君のいない部屋が酷くさびしいから(ちぃちゃん)
夜、あなたとわたしはいっしょに寝ましたね。
わたしの枕の右側は、あなたの特等席でした。枕は1.5cmくらいの毛が生えていましたが、あなたはいつも吸っていました。
お母さんと寝ているつもりだったのでしょうか。あなたにとっても、わたしはお母さんになれていましたか?
毎晩毎晩いっしょに寝ていましたから、あなたがいなくなってからも、枕の右側をあける癖がついてしまったではないですか。
あなたとは2か月ほどしか過ごしませんでしたが、確かに、「此処にいた跡」を残していきました。
これもそのひとつですね。
誰も隣にいない夜は、思いのほかさびしいんですよ。
あなたののどを鳴らす音がまだ、耳に焼き付いています。