壮大なストラテジー
「クスン、クスン。」
ピノキオは、知らない内に目から涙がこぼれ落ちていた。
「大丈夫ですか。」
みんなが来て、彼女を心配していた。
「うん、大丈夫、たぶん。」
ピノキオはそう言ったが、内心大丈夫ではなかった。
「まあ、何かあったら何でも言ってな。僕たちみんな君の味方だ。」
ルパンは優しく言った。
そして屋上は庭園だったが、草がボウボウに生えていた。
「景色いいなあ。」
スピルバーグは嬉しそうに言った。
「これ見ながらビール飲んだら最高だな。」
ルパンも嬉しそうに言った。
そしてしばらくみんなは景色を見て休憩した。
そうしてピノキオも心が落ちついた頃にルパンは言った。
「じゃあ、そろそろ作戦会議を始めるか。」
「そうだね、そろそろ始めよう。」
そしてみんなは2階のオフィスに集合し、ソファに座った。
「まず、僕たちは大手企業を狙いたいと思う。」
「えー!?」
「はあー!?」
ピノキオ以外のみんなはすぐさま反対した。
「そんなのできる訳ないでしょ、無理無理。」
「そう絶対無理に決まってるでしょ。」
彼らは口を揃えて言った。
「何で無理だと分かるのか?」
ルパンはみんなに聞いた。
「え?だってそれは常識的に考えて・・・。」
「そもそも詐欺師っていう職業自体、非常識なんだよ。」
ルパンは冷静に言った。
「そりゃそうだけど・・・。」
スピルバーグは言った。
「しかし、万が一この会社を騙し損ねて、実行役含むファミリー全員が逮捕されたら・・・?」
ニコラはルパンに聞いた。
「詐欺師はそんな生温い職業じゃない。
逮捕される覚悟で挑まないといけないよ。」
ルパンは厳しい目でみんなに言った。
「じゃあみんなは何で詐欺師になったのか?
それは大金を騙し取って、この狂った世の中を変えるという大きな夢を持っているからじゃないのか?」
ルパンはそう言い、みんなは静かに頷いた。
「じゃあ作戦も大きくするべきだろう。」
ルパンはニヤリと笑って言った。
「ナポレオンの名言の中に、”私の辞書に不可能という文字はない”というものがある。
しかし現実には不可能なこともある。
じゃあなぜナポレオンはそんな無責任な名言を言ったのか?
それはみんなにチャレンジ精神を持ってもらい、いろんなことにチャレンジさせ、諦めずに努力してもらうためだ。
チャレンジをしても、成功するかどうかは分からない。
しかしチャレンジをしなかったら、100%成功しない。
だからチャレンジをみんなにさせるために、ナポレオンは言ったのだ。
さらに、エジソンの名言に、”失敗は成功のもと”というものもある。
だから、たとえチャレンジしてみて失敗したとしても、それは成功するために必要なものになるから、大丈夫だと言うことだ。」
「なるほどー。」
ルパンは説明したので、みんなは納得した。
「だから大きな夢を持ってチャレンジしよう!
最初の標的は大阪エレクトロニックス株式会社だー!!!」