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Strategy Game  作者: Dr.Kei
ヘルメス結成編
6/6

裕福と貧困

中に入ると、コンクリートの壁に囲まれた、薄暗いエントランスがあった。

「何か不気味ですね・・・。」

ピノキオが怯えて言った。

「はあ?何言ってるの?これくらいで不気味なんか言ってたら、詐欺師失格よ。」

クロネコはクールに言った。

「そうなんですか、あはははは・・・。」

ピノキオは苦笑いをして言った。

そしてその先にある階段を登って二階に行くと、広くて、2つのふかふかのソファと、しっかりとした黒い木製の長テーブルがある部屋があった。

「ここはオシャレでいいですね。」

ピノキオは少し微笑んで言った。

「そうだね、しっかりしたオフィス用のデスクもあるしね。」

ニコラはニヤリとして言った。

そして三階に行くと、ちょうど6つの部屋があり、中は埃っぽいが、豪華な内装だった。

「わあ、懐かしいですね。

私が裕福だった頃を思い出します。」

ピノキオはそう言って、彼女は子供の頃の記憶を思い出した。

「お嬢様、ここが私たちの新たな邸宅ですよ。」

年を取った女性の家政婦がそう言って、豪邸の大きな扉を開けた。

「わあー!」

あまりの豪邸の広さに子供の頃の彼女は嬉しさのあまり、声を上げた。

「何で家がこんなに広くなったの?」

彼女は家政婦に聞いた。

「それはですね、お父さんが投資に大成功したからなんです。」

家政婦は優しく答えた。

「”とうし”?」

彼女は不思議そうに聞いた。

「そう、と・う・し。

“とうし” って言うのはですね、儲かるなあって思う会社の株を買って、その会社が儲かったら、株を売ってお金が増えるようにする取り引き、いわゆるゲームみたいなものなんです。」

家政婦は優しく説明した。

「ふーん。」

彼女は理解したふりをしたが、内心理解していなかった。

そして彼女は小学校の間、とても裕福で充実した暮らしをしていた。

実際、彼女は美味しいごはんを何一つ不自由なく食べることができた。

そして私立小学校の中でも比較的成績が良く、勉強は普通にできていた。

さらに、彼女は人間関係のやり方も極めて上手で、友達も多かった。

そのため、彼女はすべて完璧だった。

12歳までは・・・。

ある夏の日の深夜、ボーっという音が聞こえ、彼女の豪邸はあっという間に炎に包まれた。

彼女の父は株価の大暴落により、父の持株会社は大量の借金を抱えてしまったのだ。

そのため彼女の両親は自暴自棄になり、彼らは自殺し、家を自ら放火してしまったのだ。

彼女は燃えている家を、大きな入り口の門から見て、呆然と立っていた。

しばらくして家政婦が来て言った。

「お嬢様、私はお嬢様をお世話することができなくなってしまったので、最後に、ひとつだけ言わせてください。

強くたくましく生きてほしい。

人生は、いろんな壁に直面し、時には失敗することもありますが、あなたの父のように諦めてめちゃくちゃにしたら、それが本当の過ちです。

お嬢様、どんなに困難に陥っても、父のようにだけはしないでください。

分かりましたか?」

彼女は無言で泣きながら、うなづいた。

それから彼女は孤児院に入った。

そして彼女は院内のいじめに耐えながら、自力で必死に勉強して、京応大学法学部を奨学金で合格した。

その後、警視庁公安部に入るが、この世を救うために、二重スパイとして、詐欺集団ヘルメスに入団した。

しかし彼女は大人になった今でも、あの残酷なトラウマを毎日のように思い出すのだった。













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