人間の本性とは何か
すると、細川のほほ笑みはすぐさま消えて、スピルバーグを険しい表情で見た。
「スピルバーグ、やめろ。」
細川は、静かに、しかしいかにも怖そうに言った。
その瞬間、スピルバーグは、強力すぎる威圧と奥深い恐怖を覚えた。
そして、スピルバーグは、すぐさまやめた。
細川は思いやりと、冷酷さを持ち合わせている、まさに悪のカリスマだ。
「彼女は自分から公安だと言ってくれたから、敵ではないはずに決まっているだろう。
本当に裏切り者だったら、自分からは言わずにお取り調査をするだけだ。
それとスピルバーグ、お前はすぐに人を先入観で決めつけてはいけない。
いいか、人間には、表と裏がある。
例えば、表ではいい性格を振る舞っても、裏では犯罪を犯している芸能人はいる。
逆に、表では世間の人々に嫌われていても、裏では慈善活動を行っている政治家もいる。
だから、人を疑うのはいいことだが、よく観察してから決めなさい。」
細川は優しく言った。
「ごめん、分かった。
もう二度としない。」
スピルバーグはしっかりと反省した顔で謝ったので、細川は満足そうに優しく笑った。
「すまん、続きをお願い。」
細川はさっきの女性に申し訳なさそうに言った。
彼女は胸ぐらを掴まれてもなお、作り笑いをして、感情を抑えていた。
「私は、警察の情報をあなたたちに伝えて、偽名はコードネーム通り、ピノキオとして協力します。」
彼女は微笑んで言った。
「なるほど、二重スパイという訳か・・・。」
細川は、少し悩んで言った。
「よい、よろしくな。」
細川は喜んで言った。
「ありがとうございます!」
すると、彼女は自分が理解されたように思い、満面の笑みで言った。
しかしその後、彼女は一瞬で真顔になった。
「あのー、細川さんはどういう偽名を使いますか?」
ピノキオは不思議そうに言った。
「そうだな、気になるな。」
スピルバーグが面白そうに言った。
「僕は・・・ルパン、ルパンでいこう。
で、チーム名はヘルメスだ。」
流は満足気に言った。
「ヘルメス、嘘の神、いいねー。」
スピルバーグは面白そうに言った。
「他の人もその名前でいいか?」
ルパンは聞いた。
「いいよ。」
「いいですよ。」
「オーケー。」
クロネコと、ニコラ、ジョブズは同意した。
「じゃあ、それは決まりということにして、次にみんなにファミリーの印として、契約書に個人情報を記入してくれ。」
ルパンはそう言って、みんなに契約書を配り、みんなはそれに記入した。
「終わったか?」
ルパンはみんなに聞いた。
「はい。」
「はい。」
「はーい。」
みんなは返事した。
そしてルパンは、彼らから契約書を回収した。
「次に、みんなにファミリーの印として、ロラックスの時計を配ります。」
ルパンは言った。
「時計?
しかもロラックス!?
最高じゃない!!」
ピノキオは嬉しさのあまり、大声をあげた。
「そう、ロラックスの時計だ。
しかし、これは普通の時計ではない。
この時計の中には、GPSと、音声通信、そして麻酔銃が、入っている。
それにより、君達の状況を把握することができるし、もし仮に君達が危険な状態になった場合、助けることもできる。」
ルパンは誇らしく説明した。
「そんなもの、どうやって手に入れたんですか?」
ジョブズが細川に不思議そうに聞いた。
「メルカラで中古で買って、自分で改良した。」
細川がまた誇らしく言った。
「へえー、すごーい!」
みんなは感心した。
「最後に、みんなで役割分担を決めよう。役割はリーダー、資金屋、法律屋、情報屋、キャスティング、細工屋がある。」
ルパンは言った。
「じゃあ僕は資金屋にします。」
ニコラは言った。
「私は、元弁護士だから法律屋で。」
クロネコが言った。
「私は、情報屋になります。」
ピノキオが言った。
「俺、映画監督志望だったからキャスティングやる。」
スピルバーグが言った。
「じゃあ僕、細工屋。」
ジョブズが言った。
そして、ルパンはメモをして言った。
「そして、僕がリーダーになるから、みんなよろしくな。みんなで大金取るために頑張ろう!」
「おー!!」
みんなは張り切って言った。
「じゃあ、みんな準備して!これから大阪に行くぞ!!」
「えーーーー!?」
みんなは驚きのあまり、叫んだ。
「大丈夫、みんなの分の新幹線のチケット、全部取っといたから!
さあ、未知なる冒険へ、出発だ!!!!」