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天才には天才ゆえの苦悩がある
ニコラは数秒間、音が止まって時間の進みが遅くなったように感覚がした。
それとともにキーンと耳鳴りがして、心臓がバクバクする音しか聞こえなかったのを感じた。
そして彼の頭に、残酷なトラウマが蘇った。
それは彼の小学生の頃の思い出だった。
「賢君って、頭いいよねえ。」
友達は、小学校のテスト返却で、99点の答案を見て言った。
「そう!?ありがとー!」
賢は嬉しそうに言った。
すると別の男子がまた意地悪に口を挟んだ。
「でも、あいつ、賢人は100点だぜ?」
すると、賢は驚いた表情をして、クラスメイトに囲まれている賢人の答案を覗いた。
100点
すると、彼はたちまち顔が曇った。
彼は内心たまらなく悔しかったのだ。




