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コンフィデンスゲーム  作者: Dr.Kei
警視庁・神奈川県警察署合同捜査編

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31/31

ネクスト・コンフィデンス

実は一日目の朝、ポンジは池袋でホームレスたちに支援をしていた。

だが、彼はそれだけではなかった。

彼はその日、ある男性に会っていた。

その男性の名は、黒木勇男だ。

彼は10年前、四井墨共銀行で働いており、上司からのパワハラに耐えられず、その上司を殺した人物だった。

「君、殺人犯だろ?」

ポンジは彼に尋ねた。

「そうだ」

黒木は、道端で寝そべりながら、絶望したように答えた。

「今は、そのことを反省しているか?」

ポンジはしっかりと彼の目を見て聞いた。

「反省しているよ、とても」

そう言って、彼は泣き始めた。

「なら、もういい。君、人生を変えないか?」

ポンジは彼に不思議な質問をした。

「変えられたらうれしいよ。でも、そんなことできるわけ…」

「それができるんだよ」

ポンジは嬉しそうに言った。

「どういうことだ?」

そしてポンジは、黒木に作戦を伝えた。

作戦は、黒木がこの事件の犯人として振る舞い、刑事たちに通帳のコピーを見せ、そのまま逮捕されるというものだった。

成功すれば、報酬は一億円だという。

「いいが、一度逮捕されたら、もう…」

「大丈夫だ!家宅捜索の際、君の部屋に証拠は一つも無い。そうすれば、たとえ現行犯逮捕されたとしても、証拠不十分で不起訴になる。だから、お願いだ。やってくれないか?」

ポンジは必死に頼んだ。

「いいよ、やるよ。どうせこのまま野垂れ死ぬより、百倍ましだ」

そして、今に至った。

「どういうことだ!?ニノ花!!?」

警視庁の取調室で山岡は激怒し、彼の首を掴んだ。

しかし、彼はずっとニヤニヤしていた。

「ニノ花は、俺が作った偽名だ。本当の名は黒木、黒木勇男だ」

その瞬間、山岡はハッとした。

実は黒木は、かつて山岡自身が捜査し、逮捕した人物だったのだ。

だが今、彼にとってそんなことはどうでも良かった。

「あの書類は誰からもらった!?」

山岡は怒鳴った。

「それは言えない。その人に、絶対に言うなって言われてるからなあ」

黒木はニヤニヤしながら言った。

「言え!!」

山岡は、ほとんど脅迫するように叫んだ。

「やーだね。だってこの国には、言いたくないことは言わなくていい「黙秘権」があるからなあ」

黒木の笑みは、次第にサイコパスじみた表情へと変わっていった。

「この卑怯者!!!」

山岡は激しく罵った。

「だが、これは言ってもいいと言われた。この事件は、すべて詐欺集団ヘルメスがやったことだ」

それを聞いた瞬間、山岡は叫んだ。

「クソッ!完全に罠にはまった!!」

一方その頃、ヘルメスの面々はセブ島のビーチで、のんびりと過ごしていた。

「黒木は不起訴になったそうだ。良かったな」

ポンジは微笑んで言った。

「本当に良かったです」

ニコラは嬉しそうに答えた。

「あの…僕、最近考えていることがありまして…」

ニコラは言いにくそうに切り出した。

「何だ?何でも言っていいぞ」

ポンジは優しく促した。

「ポンジさんには失礼かもしれませんが、

詐欺って、正々堂々と戦っていないですよね。本当に正しいことなのか、分からなくなってきて…本当の正義が、分からないんです」

ニコラは、珍しく悩んでいた。

するとポンジは、穏やかに語りかけた。

「本当の正義というのは、苦しんでいる人のことを考え、行動することだ。例えどんなに世間から悪だと言われても、やり遂げること。そして例えその手段が詐欺のように卑怯だとしても、結果として誰かのためになるなら、それは正義だと、僕は思う」

「それに、このツッターのコメントを見てくれ」

そう言って、ポンジはスマホの画面を見せた。

ー横浜カジノ誘致、詐欺にまんまと引っかかる

犯人、金をホームレスにばらまきか(ヤハーニュース)

よくやった、ヘルメス!

私、ヘルメスを応援してます!

ヘルメスは貧しい人たちの味方だ!ー

「みんな、僕たちを応援している…」

ニコラは驚いた。

「そうだ。これが、僕たちの行動が正義だという証明だ。だからニコラ、君の行動は正しい。自信を持っていいぞ」

「はい…ありがとうございます…」

ニコラは号泣しながら、深く頭を下げた。

その夜、ピノキオはAと一緒に、ビーチを眺めながら雑談していた。

「アハハハ」

「ハハハハハ」

「あの…ニ年前、僕が自殺しようとした時、助けてくれてありがとう。あの時のこと、今でも覚えているよ」

Aはそう言った。

「いえ。あなたも大切な仲間ですから」

ピノキオは微笑んだ。

しばらく沈黙が流れた後、Aは意を決したように言った。

「実は俺、あの時からずっとピノキオさんのことが好きなんだ」

すると、ピノキオは顔を赤らめた。

「実は…私も、あなたのことが好きでした」

二人は、ビーチの夜景を背に、静かにキスを交わした。

それから二人は交際を始め、やがて結婚した。

ヘルメスのメンバーたちはフィリピンへ逃亡し、セブ島のリゾートで、事件の熱が冷めるまで身を潜めた。

その間もポンジは頻繁にマニラを訪れ、ホームレスへの支援を続けた。

三年後の2024年の秋の夜、彼らはヘルメス結成の地、渋谷サクランブルスクエアの屋上に立っていた。

東京の高層ビル群の夜景を見下ろしながら、ポンジが言った。

「そろそろだな」

他のメンバーたちも、静かに頷いた。

彼らは以前よりも、ずっと逞しく見えた。

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