さらなる問題
ビルはすぐにパソコンを開き、キーボードを打ち始めた。
一方、切野は電話をかけていた。
プルル、プルル、プルルルルル、プルルルルル
ビルは回線を遮断するためのプログラムをダウンロードしながら、待っていた。
「早く、早く、早く、早く…早く!」
しかし、電話のほうが先に応答されてしまった。
だが、
「も、プチッ!」
電話は突然切れた。
どうやらビルは、ダウンロードに成功したようだった。
「はあ、やれやれ…」
彼はため息をついた。
しかし、安心したのも束の間だった。
ピノキオが、次のモールス信号を送ってきたのだった。
ーCHANGE TELEPHONE CONNECTION FROM METROPOLITAN POLICE DEPARTMENT TO YOUR PHONEー
「あ、まただ…」
ビルはロラックスを確認した。
それを見た瞬間、彼は再び焦り始める。
「スピルバーグさん!いつまでもお寿司を食べてないで、協力して下さい!」
ビルは、まだ寿司を頬張っているスピルバーグに携帯電話を投げ渡した。スピルバーグはそれを反射的にキャッチした。
「これから警視庁から電話がかかって来ます。どんな内容か分からないですけど、聞かれたことだけに答えて、できるだけ有利なことを言って下さい。それから最初に、
「もしもし、こちら東京地方検察庁です。どうされましたか?」って言うこと。頑張って!」
スピルバーグの返事を待つこともなく、ジョブズは再びパソコンに向かい、警視庁からの電話を自分の携帯へと転送した。
「え、ちょ、まっ…」
スピルバーグがそう言った瞬間、彼の手にした携帯が鳴り出した。
彼は恐る恐る電話に出た。
「もしもし、こちら東京地方検察庁です。どうされましたか?」
言われた通り、スピルバーグはそう口にした。
「あー、僕、警部の切野なんですけど、今、特捜部の横鋭目部長は、いらっしゃいますか?」
切野はかなりラフな口調で尋ねた。
いかにもベテランといった雰囲気だ。
「…ああ、切野さんですね。今、横鋭目部長は席を外しておりまして、申し訳ありません」
スピルバーグは少し考えてから答えた。
「じゃあ、一つ確認してもいいですか?」
切野は、声のトーンを落として聞いた。
「はい、どうぞ」
「特捜部は公安部に、みずな銀行のオリンピック贈賄疑惑について、内偵捜査を行うよう要請しましたか?」
切野は強い口調で問い詰めた。
「い、いや、えっと…」
スピルバーグは明らかに動揺していた。
「「いや、えっと」ではなく、
「はい」か「いいえ」で答えてください。」
切野の声は、さらに厳しさを増した。
ーどう返事をすればいいんだ!?ー
スピルバーグは、完全に混乱していた。




