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コンフィデンスゲーム  作者: Dr.Kei
横浜カジノ誘致詐欺編

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21/31

ギャンブルによって失われた物

するとニコラは、ふといい考えを思いついた。

ーあっ、そうだ!

この話をして、彼を落ち着かせようー

「中林さん、あの…子供の頃にポーカーという遊びをしたことはありますか?」

ニコラは突然、中林に質問した。

「ありますけど」

中林は、ややイライラした様子で答えた。

「あれって面白いですよね。他の人の表情を見てカードを予測しつつ、自分の手札の状況を考え、賭けるチップを決める。そして何より、最後まで相手を欺き続けて勝利したときの達成感。子供の頃、すっかりはまっていましたよ。中林さんも、そうだったんじゃないですか?」

すると中林は、幼少期の記憶を思い出した。

「私も、昔はよく両親とその遊びをしていました。あの頃は、とても楽しかったのを今でもよく覚えています。しかし、私の両親はパチンコにのめり込み、そのせいで多額の借金を抱えてしまいました。それ以来、私はギャンブルをくだらなく、そして恐ろしいものだと思うようになったんです。でも…やはり、みんなは私の両親とは違って、ほどほどでやめられるものなんでしょうね」

中林は、悲しそうにそう言った。

「すみません。先ほどは怒ってしまって。

自分の中にある、残酷なトラウマを思い出してしまい、つい怒鳴ってしまいました」

彼は反省するように言った。

「いえいえ、大丈夫ですよ」

ピノキオは、優しく応じた。

「では、審査通過ということでよろしいですね?」

「はい」

中林は、落ち着いた声で答えた。

「それでは審査通過ということになります。皆様、これからお配りする書類に、お名前のサインをご記入ください」

そう言ってピノキオは、いくつかの書類を彼らに渡し、署名させた後、回収した。

「ありがとうございます。次に、弊社では融資の際、万が一のための保証金と手数料を頂いております。まず、弊社の銀行口座に、融資額の50分の1にあたる10億円を保証金として、そして手数料として一律10万円をお振り込みください。その後、融資額の500億円に、保証金と手数料を加えた金額を、皆様の御社の銀行口座にお振り込みいたしますので、ご安心ください。それでは、皆様よろしいでしょうか?」

「ちょっと待ちなさい」

鋭目が、鋭い目つきで言った。

「それ、本当なの?普通なら、そんなお金は発生しないはずよ」

彼女は、きっぱりと言い切った。

ーどうしよう。何とかして、彼女を信じさせなきゃー

ピノキオは内心そう思ったが、いい考えは浮かばなかった。

彼らは、またしても絶体絶命の大ピンチに陥ってしまったのだった。

一方、静まり返った拠点の二階のオフィスでは、ポンジがイヤホン越しに取引の音声を聞いていた。

彼らが金融庁の役員に疑われ、窮地に立たされている、その瞬間である。

そんな中、最も重要な役割を担うリーダーのポンジは、ニヤニヤと笑っていた。

「すべて、作戦通りだ」

そう言って彼は、サイコパスのような笑みを浮かべていた。

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