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ストラテジーゲーム  作者: Dr.Kei
ヘルメス結成編

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2/27

善人との出会いは滅多にない

外は土砂降りのような雨が降っていたが、彼は傘を差さずに、とぼとぼ歩いてマンションに帰った。

そして家に帰った瞬間、彼はひとりで暴れた。

「うわあああああああああああああ!!!!」

そして彼は部屋をめちゃくちゃにした。

すると、壊れたテーブルに隠れて出てきた新聞紙を彼は見た。

そこにはこう書かれていた。

ー詐欺師、誕生ー

その瞬間、くしゃくしゃになった髪に隠れた彼の顔は急に不自然に笑った。

彼はそれから来る日も来る日も図書館に行き、一生懸命詐欺に関する本を漁って、読んだ。

そして、家に帰ると、彼はすぐにテレビで、詐欺師のドラマを夢中になって見ていた。

そんな日々を過ごしているうちに一ヶ月が経ち、彼もだいぶ詐欺の知識を身に付けていった。

それから、彼は仲間集めをしようと思ったが、どういう仲間がいいか、検討も付かなかったため、とりあえず、ホームレスがうろついている渋谷サクランブルスクエアの屋上に行ってみることにした。

しかし、彼は深夜、屋上に着いたとたん、息を呑んだ。

なぜなら、この公園はあまりにも、ひどい状況だったからだ。

だが、彼は勇気を振り絞って、中に入った。

そして、彼は一人一人ホームレスに声をかけたが、ほとんどの人は反応すらしなかった。

しかし、10人目で、やっと返事をしてくれるホームレスを見つけた。

彼は若く、シャツを着ていたが、ホームレスのように床に寝そべっていた。

「大丈夫か。」

細川は、ホームレスに心配して聞いた。

「僕の今の状態が大丈夫だと思いますか?」

ホームレスはため息をついて言った。

「大丈夫そうでは無さそうだね、あなたの人生で何があったかお話してもらってもいいか?」

細川は心配して言った。

「ハア、いいですよ。」

ホームレスはため息を吐き、言った。

「どうぞ。」

「僕は昔から頭の回転が早く、中学までは普通の公立でしたが、高校は東京でも有数の名門校、東京都立響谷高等学校に入学し、大学は、イギリスに留学し、ソックスフォード大学経済学部に入学しました。

その後、僕は、アメリカに移住し、大手銀行会社ルーマン銀行に入社しました。」

ホームレスは冷静に説明した。

「じゃあ一生安泰じゃないか。

なぜそんなことに・・・。」

「そう思いますよね?僕

もそう思いましたよ。

もうこれから二度と苦労なんてしないと。

でも、違った。

それから、急に、急にだ!

ルーマンショックていう不況が起きたんですよ。

そのせいで、ルーマンブラザーズは倒産し、僕は仕事を失い、一旦日本に帰って、雇ってくれる企業を探したんですけど、どの会社も僕を受け入れてくれなくて、それで、今、僕はホームレスなんですよ。」

ホームレスは、半泣きで言った。

すると、細川は、目を大きく開けて言った。

「僕と・・・、同じだ・・・。」

細川は自分と同じ状況の人の話を聞いて、初めて安心し、心の底から感動した。

「僕、すごい計画を立てていて、詐欺集団を結成し、様々な悪徳企業を騙して大金を取り、僕たちがいい暮らしをした後に、貧しい人々をどんどんファミリーに入れて、お金をあげ、彼らの生活を良くして、世界を救う計画なんだけど・・・。」

「いいじゃないですか!!

やりましょうよ二人で!」

ホームレスは嬉しそうに即答した。

すると、4人のホームレスが来て言った。

「私も。」

「俺も!」

「私も。」

「僕も。」

4人は希望を持って言った。

「いいよ!みんなでやろうよ!!」

細川は初めて心の底からニッコリ笑った。

それから6人は、柵に寄りかかって、東京の高層ビル群の夜景を眺めた。

そして、細川はこう言った。

「あのビル群の光を全部盗んで、みんなに平等に分け与えよう、いつか。」

次の日の朝、5人の貧乏そうな人々と一人のサラリーマンが六本木にある、プリンサホテル東京の朝食ビュッフェで、必死に食べていた。

「どう?

美味しいだろう?」

細川は微笑ましく言った。

「はい、もう最高です!」

「行き返りました!」

「本っ当にありがとうございます!」

3人が感謝して言った。

「良かった。

8時になったら、みんなチェックアウトして、一緒に東京ミッドタウンな中にあるユニクルと、六本木駅前のマツダキヨシで、変装グッズを買おう。

それまでは楽しんで。」

そして8時になり、6人はチェックアウトをして、タクシーで東京ミッドタウンに行き、洋服店のユニクルで大量の帽子、サングラス、そして駅前のマツダキヨシでマスクを買い、路地で着替えて、残りは全てスーツケースにしまった。

それから、駅前のタラーズ・コーヒーで、作戦会議をした。

「まず、私たちの偽名と担当を決めよう。どの偽名にするか自分で決めなさい。」

細川は真面目に言った。

「うーん・・・。」

しかし、急に全員が黙り始め、沈黙がしばらく続いた。

「じゃあ、自分の得意な分野で、それに関連する偉人、またはもので決めたらどう?」

スーツを着た、頭の良さそうな男性が冷静に提案した。

「いいね、それで行こう。

じゃあまず、君。

僕に最初に返事をしてくれた人。

君は何が得意なんだ?」

細川は少し微笑んで聞いた。

「僕は計算、特に経済の統計学が得意です。」

彼は謙虚な態度で、しかし誇らしそうな表情で言った。

「そしたら、科学者にしよう。あなたが1番尊敬している科学者は誰なんだ?」

細川は彼をよく観察しながら言った。

「二コラ・テスラです。」

彼は言った。

「分かった、君はこれからニコラだね。あなたは?」

細川は短髪で、強そうなジャージを着ている若い女性に聞いた。

「私は猫が好きだから、クロネコで。」

彼女はクールに即答した。

「分かった、君は?」

細川は、キャップをかぶっている40代の男性に聞いた。

「俺は・・・映画が好きだからスピルバーグだ。」

彼は、スピルバーグを憧れるように言った。

「分かった。君は?」

彼は、いかにも引きこもりのような、髪がボサボサで、眼鏡をかけている男性に聞いた。

「僕、もともと大手ソフトウェア企業のBananaに勤めていたので、創業者のジョブズにします。」

彼は言った。

「いいよ、じゃあ最後に、君は?」

彼は疑いながら、作り笑いをしているスーツを着ている長髪の若い女性に聞いた。

「あの・・・誤解しないで頂きたいのですが、私、実は警視庁公安部に勤めていまして・・・。」

その瞬間、細川とニコラ以外の全員が彼女の方を向き、激しく睨んだ。

「こっこのおおおお!!!!

てめえー、裏切り者だったのか!?」

スピルバーグはそう言って、彼女の胸ぐらを思っいきり掴んだ。

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