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Strategy Game  作者: Dr.Kei
ヘルメス結成編
1/7

退屈な毎日

この世界にいる全ての生きづらい人々へ

僕は少しでも勇気を与え、世界がより良くなることを祈って、この作品をあなたに捧げます

カタカタカタカタという音が鳴り響く日本ユーセフ協会の職場で、いろんな職員がパソコンを真面目そうに打っていた。

しかしその中の一人、40代で天然パーマの長髪の男性、細川 流はパソコンをつまらなさそうな表情で、ひじをついて、仕事をしていた。

すると、厳岩人事部長がそのだらしない様子を見て、注意した。

「細川!何だその態度は!?やる気あんのか!?」

「はい、すみません。以後、気をつけます。」

細川は棒読みで言った。

「はあ?お前それ本気で言っているのか?次そんな態度だったら、副部長降職させるからな!?」

厳岩は大声を出して激怒した。

「はい、本当に申し訳ございませんでした。」

細川はまた棒読みして言った。

そして、厳岩は首をわざとらしく傾げて去っていった。

その夜、彼は一人で、両国駅前をとぼとぼ歩いていた。

そして、いつも行きつけの鍋屋に行った。

彼はガラガラガラと扉を開けた。

「いらっしゃいませ。」

店員さんがニコニコで言った。

中は誰も人がいなく、シーンとしていた。

そして彼は日本酒とちゃんこ鍋を注文し、しばらくすると料理が来た。

そして、それを食べながら、テレビを見始めた。

「次のニュースです。

最近、知らない電話番号からの電話で、知人を装い、お金を要求するいわゆるオレオレ詐欺が多発しています。・・・」

すると、細川はふと疑問に思ったので、店員に聞いた。

「最近、詐欺に引っかかる人って、多いんですかね?」

「そうね、結構そんな話を聞きましたねえ。

最近私の友達も、偽のヨガ教室を申し込んで、不当に高額な会員費を請求されて、慌ててキャンセルしたんだけど、キャンセル料まで請求されて、結局警察に通報して、解決したらしいけど。ぞっとするわよねえ。」

店員は怯えるように言った。

「はあ、確かに・・・。」

細川は口ではそう言っていたが、何か憧れるような目をしていた。

次の週の月曜日、彼はいつものように、山手線に乗り、ユーセフハウスに出勤した。

しかし、職場に着いた途端、中からギャー、ワーといういろんな人の悲鳴が聞こえた。

彼はゆっくり歩いて、奥の方へ行った。

すると、彼は異様な光景を見た。

普段は静かな職場も、今日は騒然としていたし、職員は皆泣きわめていた。

「どうしたんですか?」

細川は深刻そうな顔である男性の職員に心配して聞いた。

「会社が・・・。」

「会社が?」

「つぶれた・・・。」

その瞬間、彼は全てが終了したような顔になった。

外は土砂降りのような雨が降っていたが、彼は傘を差さずに、とぼとぼ歩いてマンションに帰った。

そして家に帰った瞬間、彼はひとりで暴れた。

「うわあああああああああああああ!!!!」

そして彼は部屋をめちゃくちゃにした。

すると、壊れたテーブルに隠れて出てきた新聞紙を彼は見た。

そこにはこう書かれていた。

ー詐欺師、誕生ー

その瞬間、くしゃくしゃになった髪に隠れた彼の顔は急に不自然に笑った。

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