第14話 決意
イリエの大事な本を、一日だけ借りることになった。
本といっても、普通の書物ではなく、年代物で、異質なオーラを放つ書物である。
この本は、なにか、手がかりになる可能性を秘めている。
ある程度行った先で、イリエとお別れをし、バス停まで歩いていた。
ハズ停に着くまでに、心の中で、作戦会議を行なった。
もし、今日の集まりで、自分の正体がわかるのならそれに越した事はない。ただ、自分の正体以外にも聞くべきことがある。
まず一つ目は、イリエから借りた本についてだ。この書物が出すオーラの真相と、価値を聞きたい。
帰り際に、イリエが言っていたが、この本は、とあるお爺さんから貰い受けたモノらしい。そのお爺さんとは、親戚のような血のつながりはなく、一時期的に、話していた仲だと言う。
ますます、怪しさが滲み出ている。
そして二つ目は、雲外鏡という、妖怪についてだ。
真の姿を、露わにさせる妖怪だそうだ。
正体を知るのに、もってこいの妖怪である。その妖怪が、この街では有名とのことだから、存在する可能性としては高いほうだ。
そうやって脳内で作戦を考えていると、お望みのバス停に着いた。
(さぁ、バスに乗って、夜の9時まではお利口にしておくか……)
期日の時が来るまで、怪しまれないよう、小学生の自分として生活した。




