一
前の週に投稿できなくてすみません‼
ガチャリ、ドアを開く。
まだ二時だからか、空は青い青い晴天だった。
風は吹いていない。
「本当に、ここが最後でいいのか?」
「うん」
屋上のフェンスに手を置き、下を覗く。
「落ちるなよ」
菅井君が隣に来て、フェンスの上で手を組む。
「当たり前だよ」
「良かった」
ちょうど風が吹き、セミロングの髪の毛が後ろに揺れる。
木々が触れ合い、カサカサカサと音をたてる。少しだけ残像が見える。
菅井君の方を見ると、前髪まで後ろにいき、目がよく見える。
その目は遥か先を見透かしているような目だった。
視線に気付き、目だけこちらを向く。
薄く微笑み、目を戻す。
風が止み、髪が背中に触れる。菅井君の髪も元通りになり、前髪も戻ってきた。
前髪が目に当たり、菅井君が瞬きをする。
「菅井君は、なにを見ているの?」
ふと、気になった。どこまで先を見据えているのか気になった。
「秘密って言ったら?」
イタズラっぽい顔をして、笑う。
少し考える。
「私が死ぬまで、ずっと手を繋ぐ」
冗談を言ったつもりだった。菅井君はこう言うのが苦手そうだったから、言うと思った。
「じゃあ秘密」
イタズラっぽい顔をしたまま瞬きをして、組んだ腕を解き、手を片方差し伸べてくる。少し長い瞬きをして、悲しそうな目をして、微笑む。
「冗談が通じないね」
私も少し長い瞬きをして、差し伸べられた手の上に、私の手を置く。
「俺はそういう男だ」
ニカっと笑い、手を繋ぐ。
「言うと思った」
「それで、忘れ物はもうとったか?」
「うん。とったよ」
そう言って、繋いでいる手を顔と同じ高さに持っていく
「そうか」
菅井君が優しく微笑む。
私たちは手を繋いだまま、屋上を後にした。
来週も投稿できるかどうか…