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6、けんか

「広いねぇ」

キレイな建物が並ぶ大通りを三人は歩いていた。

夜にもかかわらず街中には人が溢れかえりしょっちゅう人にぶつかっては謝ってを繰り返した。

「んじゃ、自由時間にしようか。集合時間は三時間後の十時な。夕食は各自で取ってね。集合場所は今日の宿だ」

と、カルムが指さしたのは十メートルほど先にあるさっき荷物を置いたばかりの小さなボロ宿屋。

それを確認したジャットとジェイドはコクンと頷いた。

「決まりだね。じゃ、解散!」



集合時間の三十分前、一番最初に宿屋に着いたのはジャットだった。

ここレントンは確かに広い街だったが、元々やることがないジャットは暇ですぐに帰ってきてしまったのだった。

「・・・二人ともおっせぇな」

たった二、三分たっただけなのに、暇すぎて死にそうだ。

こういう時、話し相手になってくれるカルムもちょっとムカつく女もいないとなると本当にやることがない。

仕方なく、ジャットは隣の部屋のジェイドと同室のカルムが帰ってくるまで寝ることにした。



ドアを開けると誰もいなかった。

ジェイドはシーンとした部屋の中を横切りベッドへと体を投げた。

・・・この街にも、親の手掛かりは無かった・・・。

はぁ、とため息を付いて体を起こした。

隣の部屋は静かだ。

まだ帰ってきていないのかな・・・?

ジェイドは他にやることも無かったため、部屋を出て隣へと向かった。



宿に着いた。

「ジャットに荷物運び手伝ってもらえば良かった」

両手いっぱいに紙袋を抱えたカルムは、えいほえいほと階段を上がり部屋へ向かった。

部屋も近くなってきたころ、カルム達の部屋から人の声が聞こえてきた。

明らかにジャットとジェイドの声だ。

「またケンカしてるのかな?」

少し苦笑いをしながらカルムは部屋のドアを開けた。



「・・・・・・」

カルムが部屋に入って最初に目にしたのは、ジャットとジェイドが物を投げ合っている場面。

投げている物は、枕やら布団やら椅子やら花瓶やら・・・。

部屋の中は嵐が通ったような荒れ具合だ。

「・・・何してんの?」

いまだにらみ合っている二人に、半ば呆れてカルムは声をかけた。

「何じゃねえよ!!カルム聞いてくれよ!こいつ俺が寝てる隙に物取ろうとしたんだぜ!?やっぱ信用ならねえ奴だったんだ!」

「カルム!誤解よ!私は一人で暇だったからこっちに来ただけなの!!」

肩で息をする二人に対し。

「・・・とりり敢えず、部屋を片付けて」

話しはそれから、とカルムは曇りのない笑顔で言った。

その笑顔に殺気を感じた二人はしぶしぶ部屋の大掃除をし始めたのだった。


ぜんぜん進まなぁい><。

なぜだぁ!!

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