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5、理由


夜が明けた。

バシカの村の使われていない店の一角で夜を過ごしたカルムとジャットとジェイドの三人は机に広げた地図を囲んでいた。

なぜ宿に泊まらなかったのかって?答えは簡単。「手持ちの金で泊まれる宿が無かったから」だ。


「で?どこに行くの?」

地図を一通り見終わり、顔を上げジェイドはカルムに聞いた。

「うん。まずは食料調達の為にレントンに行こう。ここからなら頑張りゃ夜には付けるかもしれない」

「あら。あなた達昨日旅に出たばかりなんでしょ?もう食料がないの?」

率直な回答に疑問な点を覚えたジェイドはカルムに聞いた。

「思わぬ事態が起きたんだよ。誰かさんが食料を持っていなかったから元々二人分の食料を三人で分けたんだ。しかもその誰かさんは大食いだし。無理もないだろ」

ジェイドの問いに答えたのはジャット。

そのトゲのある言い方に怒りを覚えたジェイドは微笑みながら思いっきり床を殴った。

「何か・・・言ったかしら・・・?」

殴られた床は見事に凹んでいる。

「・・・い、イエ何も・・・・・・」

それを見て一瞬で顔が真っ青になってしまったジャットに比べカルムは二人の様子に笑いをこらえていた。


「さあ、出発よ!」

日のあまりの高くならないうちに出ようということになった三人はレントンに向かうべくバシカを後にした。



「ねえ、なんで二人は旅を始めたの?」

バシカを出て数分、いきなりジェイドが聞いてきた。

「俺は世界がどれだけ大きいのかを見たくてカルムに付いてきたんだ」

先に答えたジャットの目はキラキラと輝いている。

「へぇ、単純な理由ね」

ジェイドのどうでもいいような物言いにジャットは腹を立てるが、当のジェイドは聞いていない。

「ねぇ、カルムはなんで旅に出たの?」

「・・・俺は・・・探しモノがあるんだ」

「探しモノ?何か無くしたの?」

「うん。オレ、今まで住んでいたディンクスっていう村に来るまでの記憶が無いんだ」

「じゃあ、探しモノって・・・記憶・・?」

「そう。見つかるかわかんないけど。知りたいんだ、今まで何をしてたのかとか、何で記憶を失ったのかを」

カルムの深い海色の瞳に、一瞬だけ光が宿った。

「・・・そっか・・。じゃあ私と似たようなもんね。頑張りましょ!」

そう言ったジャットの顔は、笑っているにも関わらず少し暗い雰囲気を漂わせているように感じる。

「・・・うん。頑張ろうね」

それを気にすることもなくカルムはニコっと笑って返した。




続かなぁあああああい!!!!!

まだ続き書けてません・・・;;

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