表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/7

1、カルムとジャット

ディンクスという小さな村の中を歩く一人の男の子がいた。

大人びていて少年ではないが、しかし青年とよぶには幼さが残るその顔は肌が白く、透き通った深い海の色の瞳。背中まである琥珀の髪は頭の上で結わえられていた。

年は・・・一七、一八といったところか。背は一七五ほどあり、細身だがけして華奢ではない。

「カルム!カルム・アンバー!」

後ろで人の声がする。

カルムと呼ばれた男の子は長い髪を揺らしながらゆっくりと振り返った。そこには、短髪の黒髪に漆黒の瞳、身長はゆうに一八〇を越えているであろう青年がいた。

ジャット・ブラック。

それが彼の名前だ。

年は、確か一九だったか・・・。

体つきはカルムとは違いがっしりしていて頼り気がある。

「やあ、ジャンおはよう」

のんびりとした声音にズンズンと歩み寄ったジャットが握り拳を空へ向かって振り上げたかと思うとおもいっきりカルムの頭へ振り下ろした。

「っったぁ!何するんだよ!」

「うるせ!お前今日が『旅立ちの日』なんだろう!こんな所でのんびりとうろうろしてるから渇を入れてやったんだよ!」

「だからって殴らなくても・・・」

「ぐちぐち言うな!準備はしたんだろうな?」

「してるよ。あとは食料だけだから保存食を買いに行こうとしてたんだ」

なのに殴るんだもんな・・・。とまた呟くと、ジャットにもう一発くらわされた・・・。



「おや、カルム!お前今日旅立つのかい?どうしてまた・・・」

食べ物屋に行くと店のおばちゃんが話しかけてきた。

この村の人達は皆気さくで良い人ばかりだ。

「ああ、『探し物』があるんだ。それを探しに」

「そうかいそうかい。淋しくなるねぇ」

この時代、旅に出るものは少なくなかった。

世界が見たいというものもいればいろんな人に触れ合いたいという人もいる。

カルムが一人で旅立つのが心配、と言って今回の旅に付いて来るジャットも世界が見たい、の一人だ。

だが、カルムが旅に出るのは別の理由。

それは『あるモノを探す』こと。

その『あるモノ』とは自分自身の、記憶。

カルムは生まれてから十と二、三年過ぎた頃にこの村に来るまで、どこにいたのか、誰と話していたか、そしてどういう経路をたどってこの村に着いたか、すべて覚えていなかった。

唯一覚えていたのは、名前だけ。

だから知りたかった、この村に来るまでの10年と少し、いったいどこで何をしていたのか・・・。

店のおばちゃんにお金を払い、先に出ていたジャットを追って外へ出た。


初ファンタジー!!!

初心者なので生温かく見守ってくだされ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ