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窓の外の浮遊する顔

山野ゆりこは、国内最先端の断熱フィルムの研究所に所属する研究員だった。

彼女は自分の研究に絶対の自信を持ち、新しい断熱フィルムの開発に情熱を注いでいた。


ある日、最新の試作品を試験チームに送った後、数日してから試験官からクレームの電話が入った。

ゆりこは初め、自分の研究に何の問題もないと信じていたので、その電話の内容に驚きを隠せなかった。


「ゆりこさん、このフィルム、暗くなると顔が浮かんでくるんですが…」


最初は信じられないと思ったゆりこだったが、詳しく調べると、その顔はなんと彼女自身のものだった。

彼女は、前回の徹夜の際、疲れてフィルムの上でうたた寝をしてしまい、その際に魚拓のように顔がフィルムに映り込んでしまったのだ。


ゆりこは恥ずかしさで真っ赤になりながらも、このミスを修正するために即座に行動を起こした。

しかし、この事件は研究所内で知れ渡り、ゆりこはしばらく笑いのネタとなった。


それでも、彼女の研究への情熱は変わらず、次回の試作品は完璧なものとなり、彼女の名前はさらに高く評価されることとなった。

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