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真夜中の子供の囁き
都市にある小さな公園、深夜2時。
路灯の光が弱々しく照らすベンチに、小森太郎と小森花子が寄り添って座っていた。
ほとんどの家は既に明かりを消し、周りは静寂に包まれていた。
二人の背後には、時折走る自動車の音だけが聞こえるだけだった。
「寒いね、お兄ちゃん」
太郎は妹をやさしくつつみ
「パパとママが帰ってくるまで、こうしていよう」
太郎と花子の会話は、都市の喧騒から遠く離れたような静けさの中で、小さく続いていた。
花子「お兄ちゃん、おなか、すいた…」
太郎「うん、ぼくも。でも、もうすぐ帰ってくるよ」
朝の光が少しずつ強くなり、都市も目覚め始める頃、二人の目の前に影があられるのだった
「ただいま」「おかえり」と、簡単な言葉が交わされた。
両親が公園に迎えにきたのだ、そして家族はまた闇の中に消えていった。
・・・
小森家は、夜を生きるコウモリの一家だった。




