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恐怖の新聞
市内で最も人気のある新聞「日々新報」の他紙紹介欄である日「恐怖の新聞」との記事が出された。
その新聞を見た町の人々は、驚きと戸惑いの中、何が報道されているのかとページをめくったが、特に異常な記事や写真は一切なかった。
SNSや町内のカフェなどでは、「恐怖の新聞って何?」という話題で持ちきりになった。
各家庭や友人同士での会話もその新聞の見出しについてだった。
翌日、新聞社から訂正記事が掲載された。
「昨日の見出しは、タイプミスでした。正しくは『京都府の新聞』でした。読者の皆様には混乱をおかけし、申し訳ございません」
この訂正記事を見た町の人々は、一斉に笑いが起きた。
あの大騒ぎはタイプミスのせいだったのかと、皮肉ながらも、町にはほっこりとした空気が流れた。
そして、それ以降、町の人々はこの出来事を「恐怖の新聞事件」として、楽しく語り継ぐようになった。




