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魔王や宰相の人間と共に歩む新たな政策を受け入れられない魔族達はついに行動に移す。
「魔王を殺せ!!」
「宰相もだ!!」
「俺たちが最強だーー!」
魔族達は反乱を起こした。もちろんそれは直ぐにおさめられる。魔王と宰相の手によって。
王の間にて王座に座るルアと、ソファーに座るエメに、リーゼが報告にきた。
「魔王様、反乱軍の鎮圧を完了いたしました。」
「うむ。ご苦労。」
「あの、皆もちろん生きてますよね?」
エメは怖怖聞いた。あとから聞くべきではなかったと後悔した。
「殲滅した。当然の結果だ。」
「なんで?!味方なのに?!同じ魔族なのに?!」
エメが声を荒らげる。魔族が魔族を殺すなんて有り得ていいのだろうか?魔族だって生きているのだ。そんな事をすれば禍根が残る。
「同じだからだ。王たるもの、民に侮られるわけにはいかん。それが同族であろうと、我に逆らうなら滅ぼす。我の民になるなら取り立てる。それだけだ。」
「…………」
エメは言葉をなくした。確かにそれで正しいのかもしれない。
「でも、仲間なのに……」
「仲間だった、だ。離反した時点でただの暴徒よ。それより、エメ、ポーションが切れてしまった。新しいのを持ってくるがいい。」
「…………はい。こちらです。」
ポケットからポーションを取り出して渡す。
「お前のおかげなんだ。」
魔王はそう言いながらポーションを飲み干す。
「以前より殺す事が少なくなった。力ではなく、心を得る。これがどれだけの人間、そして、勇者に倒されるはずだった魔族達を救ったか。お前は知らぬだろうな。」
「!」
そうか、死ぬのは人間側だけじゃなかった。魔族だって、殺されていたのだ。そんな事にも気づかなかったなんてと、エメは反省した。
「魔王様、確かにポーションを使えば楽に人の心を得れます。でも、それは1時のまやかしでしかないのです。いつまでもつか、私はっ、心配で…………」
「その心配はない。ポーションによる人気だけでなく悪徳な領主、魔族の長は始末してある。これにより我への民の忠誠心がました。薬がなくとも民の心は既に我がもの。」
「では、何故、ポーションを?」
「ひとつ、どうしても欲しい、いや、興味のあるものがある。」
「?」
「そなたの心だ。」
「?!」
魔王の手がエメへと伸びる。エメはそのまま新作のポーション作ってきまーすっと、いって逃げていった。
「魔王様、あまり傾倒するのもよくないかと……」
「ふむ、そなたも狙っているのだろ?」
「…………はい。心から彼女を愛しております。」
「よい、許す。ポーションの効果だからな。仕方ない。エメが誰を選ぶか、見ものよな。」
魔王と宰相の間に少しギスギスとした空気が流れた。




