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「魔王様!民衆の心を得るにはやはり何か行動に移すべきかと!」
「故に街を周わったのだろ?」
「それだけではちょっと足りない気がするのです。」
「ほう?例えば?」
「私服を肥す悪徳な領主を懲らしめるとか、奴隷を解放するとか、何か行動すべきだと思うのです!」
「つまり、この我に人間を救え、と?」
「はい!」
「ふむ。面白い。では、領主を灰に変えてこよう。」
きょ、極端だけどこれでいいのだろうか?止めるべきだろうか?エメは悩んだ。
魔王はエメにも来いと言って連れていく。領主が占領していて税の高いところの街までゆくと、領主を引きずりだしてそれを燃やした。
「きゃーー?!」
誰もが悲鳴を上げた。エメも見てられなかった。だが、領主の死を喜ぶものもいた。今まで領主の良いようにされてきて我慢ならなかったもの達だ。
魔王に礼を言うものまで現れた。
「エメ、これが民衆の心を得ると言う事なのだな。」
「はい!そうですね。ただ殺すのはやりすぎです。」
「そうでもない。力なきものを弾圧する領主を懲らしめる。そして心を得る。これはソナタが言ったことだ。魔王たれば、否、王であるなら時に、残虐なまでに振る舞う必要がある。そうでなくは侮られるからな。」
言いたい事はわかる。でも、殺しはよくない。意外にルアは王と言う役職に縛られているように感じる。
「そなたは優しいのだな。」
「へ?い、いえ、そんなことは……」
ふふっと笑うルアはとても素敵に見えた。
「それは我にはない美徳だ。誇るがいい。」
そうかな?魔王様だって優しいところはある気がするなんて思った。まずい、どんどん魔王ルアの好感度が上がっている気がする。最近なんて魔王軍側に居ることになれてきてしまった。案外居心地がいい。なんたってお姫様扱いされるからだ。このまま魔王軍として頑張っていこう。そうエメは決めた。だが、魔王軍側に不和が生じていた。
「宰相様!魔王様がまた街の領主を消しました!今度はリーゼタウンです!」
「何?!あそこは魔族の長が人間の領主を操り、治めていた街ではないか!魔王様は正気か?!あの女が来てから何もかもが変わってしまった!くっ!」
宰相はその場を去ろうとした。
「あの、どこへ?!」
「魔王様に私が直々に抗議してくる!」
魔王軍の間の亀裂は深まる一方だった。




