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魔王の声色が冷たくなる。まさか、もうポーションの効果が切れたのだろうか?それとも魔王の魔法で効果が防がれているのか?エメは魔王から離れると土下座した。
「ま、魔王様。どうか、命だけはお助けください!」
「…………ふむ。それはそなた次第だ。」
「へ、私?」
「そのポーションを我にも作るがいい。」
「そ、そんなの……」
「そなたが言ったのだ。力ではなく精神的に支配すれば良いと。」
つまり、魔王は人間からモテモテになりたいのだろうか?もし、そうなったとして、人間は平和に暮らせるだろうか?
「あの、人間と、和平をむすんで欲しいです。」
「……それはそなたのポーション次第だな。我を称える民なら我は喜んで守護しよう。」
もしかして、この王様意外と常識的なところもあるのではないだろうかとエメは思う。それからエメはたくさんのポーションを作った。
「魔王様、これが例のポーションです。」
エメはなんだか魔王軍の手下みたいな事してるなぁ、て、思った。
「ふむ、これを飲めば人間共を支配できる、か。」
そう言って魔王はポーションを呷る。
「どうだ?女?効いているか?」
顎をくいっと引き寄せられる。
「は、はい。」
あれ?魔王ってこんなにかっこよかったっけ?薬が効いているんだわ。
「これはいい。誰の心であろうと得る事が出来る。」
あれ?私、ポーション作ったはいいけど、用無しになっちゃったんじゃ……
「では、人間共を支配しにゆく。そなたもこい!」
魔王に手を引かれ馬車へと乗った。ちなみに私もポーションを飲んでいる。だから殺される事はないと思いたい。馬車が人間達の街へとつくと魔王は馬車から降りた。
「エメ、手を。」
「は、はい。」
ポーションが効いているおかげで魔王は優しい。さらに魔王ののんだポーションの影響で私は魔王にドキドキしている。手をとって馬車からおりた。
「我が名はルア・サタン!貴様達を支配するものだ!」
魔法でその声が街中に響き渡る。人々は最初こそ怯えたが、その姿を見たものは皆彼の虜になってしまった。魔王用に改良して効き目最高にしたかいがあったというもの!うん、すっかり、魔王軍側が板についてしまってるかもと、エメは思った。
そこに1人の男の子が現れた。
「母さんの仇!!」
魔王へと向かってゆく。エメは危ないっと言って止めようとした。
「これで、満足か?」
「え?あっ……」
魔王はよけなかった。子供の一撃なんて避けようと思えば避けられるはずである。でも、よけなかったのだ。
「我は貴様等を統べる王。故に許そう。そして、我を恨むといい。」
そう言って馬車へと戻ってゆく。
「おい、エメ。次の街へ往くぞ。」
「は、はい!」
馬車へと乗るとエメは魔王の怪我を回復するポーションを、出した。
「これを、飲んでください!」
「必要ない。」
「何言ってるんですか!そんな傷で……!」
「我にはこの傷を治療する権利はないのだ。」
この人何言ってるんだろう。街を灰にするとか言ってたくせに子供には優しいのだろうか?
「ダメです!」
そう言って無理に包帯を巻いて治療した。
「……変なやつだ。」
エメは変なのは魔王の方ですよて、思った。




