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追放薬師のラヴ・ポーションは無敵です。  作者: ユキア


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3/17

3

「我の嫁になるがいい!」


 そう言われて連れていかれたのは魔王城。これでもかってぐらい豪華なソファーに座らされていた。えーと、これって囚われの身的なやつでは……?


「おい、女。」


「は、はい!」


 恐怖で身体が強ばる。いつポーションが切れてもおかしく無いのだから。


「何か欲しいものはあるか?そなたの望みをこの我が叶えてやろう。」


 エメはポーションの材料が欲しいと言った。魔王はそれを叶えてくれた。もちろんストックはまだあるが念の為に材料を揃えておくことが命を長らえさせる為の道である。


「我はそなたの願いを叶えた。故に我の願いも叶えよ。」


「え?」


 すると突然唇を奪われる。


「んっ?!」


 そのまま押し倒されてしまった。え、あのクールそうな魔王が私にキス?!さらにこれは不味い。確かに、魔王は黒い髪に金色の眼が素敵な長い髪を後ろで束ねている美形で…………いや、これはありなのでは?いやいや、なしである。会ってから数時間しかたっていないのにこれは早すぎる。なんとか魔王から逃れようとするが力の差があり逃れられない。


「いやっ!」


「…………そうか。すまない。」


 エメが嫌がると魔王はスっと引いてくれた。


「だが、いつかはそなたを我のものにしたいと考えている。そなたの名は?」


 そんな恥ずかしいセリフを面と向かって真剣に言われエメは赤面した。


「私はエメ・ミュラーです。」


 エメが名乗った時だった。何かがプチッと切れた音がした。


「…………我は、一体……我に何をした?!」


 魔王は急に元に戻ってしまった。エメは慌ててポーションを飲む。


「…………ほう?なるほど、そのポーションに何か秘密がありそうだな。」


 え、え?効いてない?!効いてるの?!どっち?!エメは殺されると思って震えていた。急に頬を撫でられる。


「そう震えるな。例え、この想いが偽りでもそなたを手に入れたい。」


 よしっ!効いてる!


「あ、じゃあ魔王様、私、お願いがあるんですが…………」


「なんだ?言ってみろ。」


「人間達を襲うのをやめて頂きたいのです。」


「………………ふむ。」


 ど、どうだろ?怒られるかな?


「人間を襲わなければいいのだな?」


「は、はい!争いのない平和な世界にしたいのです。」


「………………それはお前の願いでもきけぬな。」


「そ、そうです、よね…………」


 エメは肩を落とした。自分のポーションで魔王を骨抜きに出来れば平和な世界を作れると思っていた。


「…………ふふっ、そう悲しそうな眼をするな。代わりに街をひとつ灰に変えてやるから喜べ。」


 この人、人格が破綻してるよ!?


「そ、それは困ります!」


「そうなのか?はぁ、我が嫁がそう言うならやめておこう。」


 その時、


「魔王様!新たな勇者が現れました!」


「よい、通せ。我が相手になる!」


 魔王はエメにかっこいいところを見せようと勇み立つ。勇者パーティーが入ってきた。


「よく来た!小賢しい人間共!我が名は魔王ルア・サタン!!貴様達を蹂躙するものだ!!」


 と、かっこよく決める。エメにもかっこよく見える程、実際にかっこよかった。 勇者パーティーの勇者が前に出る。


「俺はアビス・レイアー!お前を倒す勇者だ!!」


 勇者パーティーと魔王の戦いが始まった。


 勇者の剣をなんなくよけるルア。魔法使いの魔法攻撃もルアには効かない。


「くそっ!なんて強さだ!」


 勇者パーティーのガンナーがそう言う通り、全く攻撃が通じない。


「たぁ!」


 勇者が剣を振るうがその剣をルアは握り潰した。


「っ!?」


 殺される。勇者が、私の仲間(パーティー)と、同じように殺される!


「やめてー!!」


 エメは魔王へと叫んだ。魔王は少し眉をひそめたが勇者達が逃げてゆくのを止めなかった。魔王の視線がエメへと向けられる。


「何故止める。同じ人間が死ぬ事が不快なのか?」

 エメは少し戸惑ったが覚悟を決めて進言をする。ごくりと生唾を飲んだ。

「……真の王ならば、弱気ものを助け、悪しきものをうつべきです!ルア様!ルア様のような強者は弱者の味方になればたちまち人間からの信頼を得る事になりましょう!そうなれば人間達を征服する事も楽になります!」


「…………エメ。」


「は、はい!」


「そなたの言う事は正しい。我は感動した。そうか、力での無理な侵略ではなく、精神的な策士が必要であったか。エメ。」


「は、はい!」


 エメは魔王を恐れ、ぶるぶる震えていた。


「そなたとならこの世界を我がものに出来そうだ。そう震えるな我がそなたを裏切る事はない。王として我が名に誓おう。」


 そう言うとエメの頬にキスを落とす。エメは赤面してその場に立ち尽くしていた。

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