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エメのポーション作りは順調そのものだった。死人を蘇らせるポーションを作った時はさすがに私って天才!なんて思ってしまっていた。研究室まで与えて貰えてもう一流の薬師!なんて思ってしまう。
「ただ、味は今まで通りまずいのが多いのよね……」
ちなみにあの死人を蘇らせるポーションは石鹸味である。あまりの不味さに蘇えるようになっている。
「味をなんとかするのは難しいわね。」
「ほう、お前でも難しいか。」
「はい。そうなんですよ。今作ってるのだってヘドロ味で…………て、え?!」
そこにいたのは宰相だった。
「な、な、な、何でここに?!」
「お前が私を騙す為に作ったポーションに興味があってな。」
「あ、ははは」
エメは苦笑いするしかなかった。
「これか?」
「あ、はい、そうです。」
宰相はポーションの蓋を開け、飲み干す。
「え、ええ?!」
「甘いな、どうだ?効いてきたか?」
「はうっ!」
なんてかっこいい。いや、元からスペックは高いけど、それをかっこいいと感じた事はなかった。エメは胸のドキドキが止まらない。
「あ、あの……」
ちゅっ。
エメはリーゼに、頬にキスされる。
「え?……ええええ?!わた、私の事嫌いなんじゃ……?!」
「嫌いだな。」
「じゃ、どうして……」
恥ずかしそうにもじもじしながらエメはそう問う。
「嫌い、だ。」
そう言って宰相の顔がエメへと近ずいてくる。
「あ、ご、ごめんなさい。新しいポーション作らないと……」
宰相を突き飛ばしなんとか誤魔化してポーションを作ろうとする。だが、その手は宰相に容易く掴まれてしまった。
「おかしいな。効いていないのか?」
「え?」
「相手の心を得ることができるのだろ?何故拒む?」
「だ、だって、は、恥ずかし、い………」
「…………」
沈黙がさらに恥ずかしさを増幅させる。宰相はエメの唇をそっと指で撫でた。
「いいから全て私に委ねろ。さあ、眼を閉じて……」
ポーションよりも甘い空気にエメは赤面しておどおどとし始める。
「そ、そ、そんな事……できなっんっ?!」
ついに唇を奪われてしまった。エメは抵抗するが魔族の男性の力にはかなわない。キスしたリーゼはそっと唇を離した。
「な、な、な、何するんですか?!(泣)」
エメは赤面し涙目だ。
「嫌がらせ。じゃまた。」
そういうとリーゼは去っていった。あの人は一体何がしたいのだろうか?!エメには分かるすべもなかった。




