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ついに王国を乗っ取ったルアは更に魔族と人間の共存化を推進した。これにより多くの人々、そして魔族が救われたのだ。それまでの差別と貧困、争いに満ちていた世界は嘘のようだった。
「ルア様、新しいポーションが出来ました!自信作です!」
どやっと、ポーションを差し出すエメ。
「ほう、よくやった。確か、土地を肥沃にするポーション、だっか?」
「はい!これで荒れた土地も耕せます!」
「よくやった!これからも励むように!」
「はい!」
エメはすっかり魔王の部下のようになっていた。エメが魔王の間を去って、見繕ってもらった研究室へと戻る途中に宰相にであった。
「あ、リーゼ様。お疲れ様です。」
「…………おい。」
「へ?」
「私に何をした?」
し、しまった!ポーション切れてる!?早く飲まっ……ストック忘れてる!?エメは最近ポーションなしでも皆から優しくされるから忘れていた。エメはリーゼに壁に追い詰められる。
「この私がお前などを好きになる訳がない!何をしたのだ!!」
宰相はエメの胸ぐらを掴む。ストックもないエメは死を覚悟した。
「ポーション、秘薬、を、ぐっ」
「ポーション?つまり私をおかしくしたのはお前のポーションの力だと?」
宰相は胸ぐらから手を離す。
「は、はい。ゴホゴホッ……」
宰相は少しの間何かを考えてからエメを睨む。
「お前がいるから魔王様はおかしくなったのだ!お前を…………」
「ご、ごめんなさい!」
エメは土下座する。助けてほしい。頼むから殺さないでと、懇願した。
「見苦しいやつだ!人としてのプライドはないのか!?そんな命乞いで私を丸め込もうと?!」
大臣は怒っていた。当然だ。だって、ずっとポーションで騙していたのだから。エメは泣き出した。もう、助からないと思ったのだ。
「…………くっ!」
宰相はエメの手を引いた。
「立て!」
「へ?は、はい!」
「お前がいなければ魔王様は元に戻ってくれる筈だ。故に…………」
け、消される!!?エメは覚悟した。
「お前を私が貰おう!」
宰相は何を言っているのだろう?ハンカチを渡される。
「はい?」
「早く涙をふけ。」
「え、怒ってるんじゃ…」
「ああ、怒っている。だが、お前を手に入れたいのも事実なのだ。」
「????」
魔王様の為に自分がエメを手にいれれば魔王様も元に戻るとリーゼは考えた。何より自分の心の機微がその言葉を出させたのだ。
「お前を私の嫁とする!」
「????」
エメは耳を疑った。




