初めての友達
芽依は今日も幻界で訓練を行っていた。用事があるからと何処かへ行っていた白雪が口に指輪とアミュレットを咥えていた。指輪は蒼白い炎を纏った人物が刻印されていた。
「芽依、この指輪を今日から肌身離さず填めておいて。幻界でも特に貴重なアーティファクトを無理を言って借りてきたからくれぐれもなくさないようにね。これは一定の魔力を注ぐとここに住む幻界の住人や幻獣を魔力が続く限り外の世界へ召喚し具現化することができるんだ。召喚に応じるかは相手次第だから日頃からのコミュニケーションが大事だよ。訓練も大事だけど、ここに住む者達の力を借りる事ができれば今後きっと役にたつから!」
「うん、わかった。」
「それとこのアミュレットは自然界にある火、水、風、土、光、闇、無の7属性の魔石で出来ていてそれぞれの属性にあった魔法力を封じる事ができるの。魔法はそれぞれ初級、中級、上級、災害級、神話級の5段階に分類されていて蓄積した魔力を解放することで段階的に魔法を使う事ができるわ。どれだけ蓄積されたかは魔石の光度でわかるよ。最大魔力量を上げるには日頃からの魔力消費量に関係しているんだ。だから芽依が元の世界に戻る時は枯渇するギリギリまで魔力を注入してもらうからね。ちなみに魔力が枯渇すると激しい頭痛、吐き気、倦怠感に襲われるから注意して。」
「いつか、しらゆきをぐげんかできたらおかあさんにかってくれるようにたのむね。」
「ありがと。楽しみにして待ってる・・・」
訓練も終わり元の世界に戻ってきた芽依は壁の前でしゃがみ込む体に戻り、振り返って立ち上がろうと振り返った瞬間、同じくらいの幼女のおでことおでこをぶつけてしまった。
「いてててて。」
お互い涙目でおでこをさすっている。
「あなた、いつもこのかべのまえでしゃがみこんでなにをしてるの?」
幼女は芽依の行動に興味津々であった。だが本当の事を言ってもきっと信じてはくれないだろう。
「ここにね、ありさんがぎょうれつになってなにかをはこんでるの。まいにちはこんでいるものが違うからおもしろいよ。」
「ふ~ん。おんなのこなのにあなたかわっているわね。でもいいわ。きょうはあなたとおしりあいになりたくてここでずっとまってたの!わたしはひいらぎみお。6さいよ。で、あなた、おなまえは?」
「わたしはしろさきめい。あなたとおなじ6さいよ。わたしここにひっこしてきたばかりでともだちがほしかったの。こちらこそよろしくね。」
こうして、近い将来、世界を救う芽依と澪が出会った。