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詩集:きみの話をきかせてよ

好きなんて まだ言ってないよ

作者: 歌川 詩季

 好き嫌いは、行動に出ちゃいます。

 どうしてかな? きみを見ていると

 ニヤニヤと同じくらいイライラする

 揺れるだけ揺れても

 ちっとも進まないブランコみたい

 オールでもあったら 少しなら

 そっちへ()ぎ出せるかもしれないのに


 指切りもしてなくて でも指環(ゆびわ)決めてるのは

 ねぇ秘密だよ だって 自分でも笑えちゃうもの


 好きなんて まだ言ってないよ

 早とちりはやめて

 今はちょうど 告げようか悩んでる状態

 好きなんて まだ言ってないよ

 そろそろの予定だから

 それまでにすてきな返事を 用意しておいて



 いつからかな? きみといるだけで

 ドキドキを感じるたびチクチクする

 毛糸だけ選んで

 ちっとも編んでないセーターみたい

 肩幅も知らずに 背中なら

 はっきり思い出せるよ どうにかして


 爪切りで揃えると 爪痕も残せないんじゃ

 欠けたままでいい いつか はがれる痛みを知るはず


 好きなんて まだ言ってないよ

 先まわりはやめて

 今はちょっと 言葉を選んでる段階

 好きなんて まだ言ってないよ

 近々のつもりだから

 それまでは横入りなんて させたりしないで

 むしろ。


 出すぎって、つっこまれたことさえ!

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