第二十一話 皇帝陛下の謎(前編)
――数週間前。
「わざわざの出迎え感謝します。王林」
「やめてよ。アレクがそんな口調で話すの気色悪くて仕方ないよ」
「うるさい。一応国の代表同士で来てるんだからこの位はしないと、だろ」
見た事もないような船から降りて来たオーマ大陸のオーマ国第三王子であるアレキサンドライトが笑いながら僕に向かって手を差し出した。
僕も笑いながらその手を握る。オーマとトゥーティスは昔から親交国ではあるが、それ以上に僕とアレクは親しい友人関係にあった。
幼い時に、オーマに僕が留学に行っていた時に友好を深めたのだ。
「で、どうだ?元気にしてたか?」
「あー、うん。肉体的には健康だよ。精神面ズタボロだけど」
「ん?何だ、何があった?」
「…聞いてくれるかい?アレク。僕もう泣きそう」
「泣きそうと言うか、もう泣いてるな。…そうだな。フローラ」
アレクが後ろを振り向き船に向かって叫んだ。
すると、船の中からワンピィスを着た骸骨が顔を出して、思わず叫びかけた。
「呼びました?アレク様」
「あぁ。王林と話をしたいんだが、中に入れてもいいか?」
「勿論、良いですよっ。見られて困るものはないので」
ビクッ!
骸骨が笑ったっ!?
「ほら、来い、王林。中で相談に乗ってやるよ」
「う、うん…」
正直この中じゃない方がいいなぁ…とか思ってしまう。
アレクに招かれるままに船に乗り、僕は別の意味でぽっかりと口を開けてしまった。
見た事もない素材のものばかりで、オーマはこんな技術を隠し持っているのかと恐怖すら覚えてしまう。
「…安心しろ、王林。こんなスゴイ物が作れるのは世界広しと言えど俺の婚約者くらいだ」
「アレク…その婚約者って、あそこで顔を隠して床に崩れ落ちている骸骨令嬢の事かい?」
「そうだ。可愛いだろ?それから骸骨令嬢と二度と呼ぶなよ。フローラを傷つけたら俺はお前との関係を直ぐに断ち切らせて貰う」
「え、そんなに?アレク、ベタ惚れじゃん」
「ハハッ、ちゃんと自覚しているよ」
「アレク様、好きぃぃぃぃぃっ!!」
アレクの婚約者の令嬢が窓から外に向かって叫んでいる。
…見た目はどうであれ、相思相愛って事か。
「羨ましいな…」
思わず呟いた言葉。
アレクの耳にきっと届いたであろうに、その場で聞き返す事もせず僕に座る様に促して来た。
小さなテーブルを挟んで対面で座り合う。
アレクの婚約者は、自分の顔が見えると怖いだろうと顔が見えないようにヴェールを被ってアレクの横の座ってくれた。
「それで?何があった?」
「…アレクには話してたよね?僕が一目惚れした女の子がいるって」
「ん?…あぁ、あれかっ。ウサギの祝福を持った可愛い子がいるってお前が浮かれまくって、その可愛さについて何十枚と手紙に書き記した子」
「そうっ、その子っ。白藤って言うんだけど、すんごい可愛いんだよっ!僕、目の中に入れても絶対痛くないと思ってるっ」
「その気持ちっ、すっごく解りますっ!私もアレク様を目に入れても絶対痛くないと思ってますからっ!」
「だよねぇっ!?」
身を乗り出して来た婚約者だけれど、共感してくれた事で思わず僕も身を乗り出してしまう。
そんな婚約者を手元に引き寄せながらアレクは話の続きを促してきたので僕も言葉を続けた。
「それでその子がどうかしたのか?」
「僕ね。彼女に会いに毎年春になったら、美味しいお菓子を持って会いに行ってたんだ」
「あぁ、そう言えば留学に来ていた時も春には必ず帰国したよな、お前」
「そう。藤に会いたかったから。毎年毎年、草色の姿で出迎えてくれて、友達も呼んで楽しく過ごしたんだ。だけど、ある年を境に会えなくなって…」
「ほう?」
「会いに行っても出て来てくれなくて。でも、どうしても諦めきれなくて。もうどうしたらいいか解らなくて。アレク、何か良い案くれない?」
「そう、だな…」
「はいっ!」
アレクの言葉を遮る様に元気いっぱいに婚約者は手を上げた。
僕とアレクの視線は彼女に集まる。それを確認して彼女は言った。
「ここでうだうだ話してても意味ないと思いますっ!って言うか、この人動いてるつもりで全く動いてねぇしっ!アレク様にこうして相談してる暇があるなら動けっての、ケッ」
えええー…?
全然僕の予想外の方から来た言葉に目が点になる。
静かに彼女の隣に座っているアレクを見ると、そんな風に話した婚約者が可愛くて仕方ないって顔で見つめている。恋は盲目とは言うけれど…度が過ぎない?
「悪いけど俺もカコの意見にさんせー」
「恐れながら私もお嬢様に一票」
「同じく」
恐らくアレクの婚約者の使用人らしき二人がここではない場所…奥の部屋?から声を上げてきた。
もう一人男性の声はどこから…?
「って言うかさ、カコ」
「何よ」
「その草色?とか言う姿って動物の姿なんだろ?」
「って話だったけど?」
「そこのお偉いさんの坊ちゃんが会ってたのホントにその白藤?さんだったのか?」
「あー確かにー」
え…?
いや、間違えるなんてそんな訳…。
「もしかしたら普通の野にいるウサギに話かけてただけ、とか、それとか他の草色ウサギ女子に話かけてたりとか」
「可能性高そー」
そう言われると、そう続けざま言われると自信が…。
だーらだーらと冷汗が流れてくる。
「フローラ。そこまでに」
「はいっ、アレク様っ」
婚約者がキュッと口を閉じた。従順過ぎて驚くんだけど。
「思わしき事とかは結構あるんだが、ひとまずフローラの言う通り会いに行くのが良いんじゃないか?」
「…確かに、そうかもしれない…」
連絡をしてる訳じゃないけど突然会いに行ったら、藤の素が見れるかもしれない。何か誤解があっても解けるかもしれない。
うん…また話が出来るなら…。
「うん…、行ってみようかな」
「では、行きましょうかっ!」
「へ?」
行きましょうか?
あれ?僕一人で行く気だったんだけど、あれ?
「船はリアンとマリンに任せて、アレク様と私が付いて行けば誰かに襲われる心配もないでしょう、うん。あ、マリン。そこのサルは邪魔だったら海に捨てて良いから」
「おいぃぃっ!!」
「さ、行こ行こ」
婚約者が僕の意見を待たずに船を降りて行く。アレクもそれを気にした様子もなく付いて行き、残される訳には行かなくて自分も一緒に外に出る。
しかし、ここは藤のいる里とは結構距離がある。馬車を使っても二日か三日はかかる。
「何で行くんだ?フローラ」
「【くるま】で」
「前フローラが乗っていた【ばいく】って言うのと同じ形か?」
「ちょっと違いますけど原理は一緒ですよ。アレク様は助手席に乗って下さいねっ」
外で待機していた兵達を無視して二人は歩いて行く。
僕は兵達にちょっと二人と席を外す旨を伝え、慌てて付いて行く。
そしてちょっと目を離した隙にアレクの婚約者が一瞬で鉄の箱を作り上げた。あの箱に付いているのは滑車か?
「……色、着ければ良かった…、いや、今着けよう。うん。緑色にしよう。四輪駆動と言えば緑でしょ」
ブツブツ言いながら婚約者は鉄の箱に今度は色を着けて行く。
「…アレク。ちょっと聞いても良い?君の婚約者って」
「可愛いだろ?」
「いや、それは僕の白藤の方が上だから。ってそうじゃなくて、もしかして君の婚約者って現魔法の?」
「父上ですら舌を巻く使い手だよ」
アレクの父上って確か世界唯一の現魔法の使い手って言われてる程の実力者でオーマ国の王。
「しかも絶賛父上と俺を巡って喧嘩中」
「…本気?」
「ハハッ、可愛いだろ?」
可愛いと言うかむしろ怖いよ。王と喧嘩って。しかもその理由がアレクの取り合い?
驚きと呆れで言葉が出ない。
「アレク様っ!準備オッケーですよっ!」
緑の鉄の箱に付いているドアを開けると中には座席がある。
「王林様も、どうぞっ」
そう言ってアレクの為に開けたドアの右側にあるドアを開けて僕を中へと誘導してくれた。
アレクは抵抗なしに乗り込んでいるけれど、僕はちょっと警戒する。
そっと中に入り席に座ると、ふわんとした感触。…城の椅子よりも柔らかいよ、これ。
アレクが座っている席の隣に乗り込んだ婚約者はくるっと振り返って僕に言った。
「肩の所にあるベルトを座席に付いている穴に刺して下さい。ぶすっと」
肩の所にあるベルト…?あ、これか。これを金具がついてるこれを引っ張ればいいのか?
ぐいっと引っ張ると布が出て来て、それに驚きつつも一々驚いていたら進まないと前でアレクが婚約者にやって貰っているのと同じように肩から胸にかけて自分を座席に固定させるようにかけて穴に金具を刺した。
「シートベルト、…うん、私もオッケッ。じゃ、早速行きますよーっ!」
婚約者がスイッチを押すとドルンッと音がして、何かを手早く操作したかと思うと急に鉄の箱が動き出した。
「おおっ、これは凄いな」
アレクっ、そんな呑気な発言で片付くものじゃないと思うっ!!
獣よりも速く動く乗り物なんて聞いたことがないっ!!
「あ、そうそう。王林様。道案内よろしくお願いしますね。一応、画面上に地図は出してますけど」
画面上?って何の…?
と、前を見たらアレクの座っている座席の後ろ、僕の目の前に小さな箱があり、そこには地図が表示されていて、しかも動いている三角、これは今僕達の現在地を指しているんだろう。
「確か王林が惚れている相手は白家の令嬢だったか。だとしたら白の里だな」
「白の里…あー、地図で見た気がする。えーっと…」
婚約者が同じような箱を片手で操作している。
「あ、あったあった。これなら大丈夫。さっさと行っちゃいましょーっ」
グンッと更にスピードが上がる。
外の景色がどんどんと右から左へ流れて行き…うっぷ…だんだん気持ち悪くなって来た。
意地でも降ろしてと言う気はないけど、頼むから早く目的地についてくれと願う。
そして、数時間後。
目的地に到着した。
「おい、王林。大丈夫か?」
胃から何かがせり上がって…うっぷ。
「あらら、車酔いしちゃったんですね。帰りは酔い止めの薬お渡ししますね」
そう言いながら車を降りた僕に水を渡してくれた。カップに何個か氷が浮いている。飲むと幾分かすっきりしてきた。
「少し休憩してから行きますか?」
「…どうする?王林」
「行くよ。多分歩いてる方が楽になりそうだし」
「そうか」
到着した場所は白藤のいる里の外。僕が里の入り口の側まで行くと、何故か入口の所で兵達に立ち入りを拒否された。
僕これでも皇帝なんだけどな…。でも入れて貰えないものを無理して入るのも…。
そもそも何で拒絶されてるんだ…?
僕が茫然と入口に立っていると、置くから白家の当主が歩いてきた。彼の副色姿も珍しいな。長い白髪を後ろで一つに結び、一族の長たる威圧感を持つその眼光は鋭く、白藤や里の人間に向ける優し気な視線とは異なり僕をきつく睨みつけていた。
「…何用でいらっしゃられた?陛下」
「え…?」
「…白藤より聞いている。陛下は草色を虐げていると」
「えっ?」
「ここに来て、その様な態度。馬鹿にしているのかっ!?」
えっ!?えっ!?言っている意味が本当に理解出来ないっ!馬鹿にするって何っ!?虐げているっ!?そんなことする訳ないっ!
むしろ白藤と仲良くなりたいからもっと草色の民の事を知りたいと思っているのにっ!
意味が解らなくて言葉が出ない。
僕に出来たのはただ首を横に振ってそんなこと思った事も考えた事も実行した事もないって主張することだけだ。
「草色の民は白藤が宣言したように、独立を目指す」
「独立っ!?そんなこと駄目だっ!!」
「駄目とはどう言う意味かっ!陛下が仰ったのだろうっ!!草色はいらぬとっ!!」
「僕はそんなこと言ってないっ!!」
そんなの言った事ないっ!!
一体なんでそんな事になったんだっ!僕はただ白藤に会いたくてっ!白藤と仲良くなりたくてっ!!
「二人共落ち着け」
「余所者は口を出さないで…ん?貴殿は…」
「お久しぶりですね。金星殿」
「アレキサンドライト殿下…。何故このような所に」
「こちらの国に来たのは大使としての仕事で。この場所にいる理由は友が困っていたので」
「アレク…」
アレクがそう言って間に立ってくれた事に泣きそうになった。
「となると、もしや…そちらの令嬢が…」
僕の背後に長の視線が移る。その視線についていくとそこには婚約者がドレスを持ち綺麗な礼をしていた。
「それで、金星殿。失礼ながら口を挟ませて貰いたいんだが…どうにも王林の言っている事と金星殿が仰っている事が食い違っているように聞こえる」
「食い違っている?そんなことある訳がない。私は白藤の手紙で後宮内の事は全て把握しておる」
「…後宮?今後宮は封鎖している筈だ」
「おかしな事を仰る。陛下が琳五家の娘を寄越せと命を下したのではありませんか」
「ぼ、僕はそんなことっ」
「それはおかしいですね、金星殿。王林はここ数年、外交の為に殆どこの大陸にはいなかったのですが」
アレクの言う通り、ここ数年ずっと船旅をして他大陸との連携を図っていた。
留学やら外交やらで飛び回っており、それこそオーマの国からアレクが来ると言うので数週間前にやっと戻って来たくらいだ。
「で、では、この勅書を書いたのは、誰だと言うのです?」
「冬恋っ、体は大丈夫なのかっ?」
奥から一枚の手紙を持って現れたのは白藤の母親だった。
僕は彼女からその手紙を受け取り、裏返すとそこには確かに皇帝家の家紋の入った封蝋がある。
だが、僕は出した覚えがない。
慌てて開けて中を読み、ますます覚えのない内容に混乱した。
一体誰がこんなものを……んッ!?
…この文字の書き方…それに、この香の匂いは…。
「……まさか、アイツか…?アイツがこんな事をするとは思わなかったっ…」
思い至った人物にじわじわと怒りが沸いて、思わずぐしゃっと手紙を握り潰す。
「金星殿…。全て解決し次第また藤と…白藤と一緒に来て、皆の前できちんと謝罪致しますっ!婚約者さんっ、すみませんが僕を城へ運んで下さいませんかっ!?」
金星殿に思い切り頭を下げた後、今度はアレクの婚約者に頭を下げる。
「私に頭を下げる必要はありませんよ、陛下。お望みならばすぐに戻りましょう」
「また乗り物に酔ってもいけない、が、他国の人間から薬を渡されても飲めないだろう。だったら到着するまで寝てると良い」
アレクと婚約者に促されるように言われて僕はしっかりと頷く。
そうして渡された手紙を持ったまま僕達は乗り物、婚約者が言う所の【くるま】に戻り、城へと向かった。
港から一番近い里がここの白の里。
そして大陸の中央にあるのが僕の住む城がある皇都来禽だ。
体力を維持して置く為に言われた通り乗り物に乗って直ぐに眠りについた。
暫く眠り、目を覚ましたら、城の裏手近くに辿り着いている。
「え?僕そんなに寝たかな?」
目を覚まして言うと、アレクがさっくりとまだ2、3時間しか経ってないと言う。
「皇都までそんなに早く辿り着く道ではないんだけど…」
「ハハッ、フローラにかかったら常識なんて意味をなさないんだ」
「そ、そう…」
嬉しそうに婚約者の頭を撫でてるし、婚約者も幸せそうだけど…あれ、これって僕の意識がおかしいのかな…?
呆れつつぼんやりと外の方を見ると、花畑が見えた。
あー、あそこの花畑最近行ってないな~。
なんて考えつつ流れる景色を見つめていたら、そこに三人の人影が見えた。
しかも、その一人はっ…。
「ごめんっ、婚約者さんっ、止めてっ!」
言った途端、キキィーッ!!と勢いよく乗り物が止まり、僕達は前方に体が傾く。
けれど、そんなのは今はどうでも良い。
ベルトの金具を外して、ドアを開けて走る。
花畑を目指して、木をよけて進み、そして…そこに座る儚げな女の子に、恐る恐る声をかけた。
「…藤…?」
「え…?」
反応した。でも振り向いてくれない。もしかして、藤じゃない?
いや、でも…。
僕は一歩踏み込んで、その姿を確認する。
「やっぱり藤だっ。やっと会えたっ」
やっと会えた嬉しさに僕は駆け寄る。
会いに行っても会えなかったから、再会出来た事が嬉しい。
なのに、藤は振り返っても反応も示してくれない。
「藤…?」
触れたい。
もう一度声が聞きたいのに。
なのに、藤はすくっと立ち上がると、振り返る事なく走りだした。
「えっ!?藤っ!?」
何で逃げるのっ!?
僕は逃げられた事に驚きながらも追い掛ける。
「藤っ!待ってっ!!」
声をかけるのに藤は止まってくれない。
そしてそのまま枯れ井戸の中に飛び降りてしまった。
あそこは城の秘密の抜け穴だ。
解っているから飛び降りる事に何の抵抗もない。
「藤っ!お願いだっ!待ってっ!!」
顔が見たいのにっ!
話したいのにっ!!
君とまた笑い合いたいのにっ!!
追い付きたいっ!
その一心で梯子を登り、先を走る藤を追い掛ける。
本気で走り、距離を縮めて―――後、少しっ…掴んだっ!!
「藤っ!」
彼女の着物の袖を何とか掴んだ。
これで話が出来る、そう思ったのに。藤は、草色の姿になって着物から抜けるように着地して駆けて行く。
しまったと思った時には遅かった。
彼女は部屋の中に飛び込んでしまった。
僕は追い掛けてドアを引くけど、鍵がされていて開かない。
「藤っ!」
ドンッと叩いたドアの向うにいる彼女を呼ぶけれど反応はなく…待てども待てども彼女が出てくる気配はない。
「藤……、何で…」
僕の事、もう嫌いになったの…?
顔見て話しもしたくない程に…?
泣きそうだ…。
けど、ふと思い出す。
そうだ…金星殿が言ってたじゃないか。草色は今虐げられているって。
藤は今城で虐げられてるんだ…しかも、アイツが原因で。
まずはその事を解決しないと、藤には会ってはいけないんだ。でも…。
「……話、したかったな……、いや、ごめん…。また、来るよ…。絶対に」
僕はぼそりと呟いて、その場を後にした。
流石に後宮から帰る訳にはいかず、枯れ井戸を通りアレクの待つ乗り物へと戻った。
二人は乗り物を背にしながら僕を待ってくれていた。
「……で?どうだったんだ?」
「…話どころか、口もきいてくれなくて、逃げられた…うぅ」
「そうか。…まぁ、それも仕方ないな。まずは城で何が起きてるか、調べる所からだ」
アレクの正論に言い返す労力もなくなった僕はただただ頷いて乗り物のドアを開けて寝ころんだ。
両親がコロナに罹りてんやわんやです(/ω\)
自分はかからないように頑張らなきゃ…。




