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第十二話 戦闘準備しませんっ!?

ゴクリ。

生唾を飲みこみ、二人の反応を待つ。

「……所で、【紫の月】ってなんでしたっけ?」

ずこーっ!

待って、母様。知らないなら何で驚いたの。

同じ反応を示した父様の視線が私に同調している。

「…カナリー。何故知らない…あぁ、そうか。前回の時は、君がまだ産まれたばかりの時か。じゃあ、知らないのも無理はないな」

え?母様が知らなくて当然?でも母様って一応王族の血筋で…。

「…まずは食事を済ませよう。その後私の部屋で説明する」

それもそうだ。

私達は父様の言葉に頷いて、少し急ぎ目に食事をとった。

食事を終わらせ皆で父様の部屋へ行き、ソファへと座った。リアンやマリン、シトリン付きの従者だったり、アゲットやラバスさんもいる。

「集まったな。まずは…これを見てくれ」

そう言って父様がテーブルに広げたのは、これは…地図?でも随分と古い。私の知らない地名がいくつかある。

「これは私がまだ幼い時の…カナリーが産まれる前の地図だ」

「へぇ…」

私とシトリンはその地図をマジマジと見つめる。するとその地図の上に父様は盤上遊戯に使う駒を一つ置いた。

そこは今は無い街だ。

「…商業の都ネス?」

「ネス領?…聞いた事がありませんね」

うん。私もない。シトリンの言葉に頷きながら父様を見ると、父様は言った。

「それはそうだろう。この都は壊滅した」

「えっ!?」

「次はこの地図を見てみなさい」

そう言って父様はラバスさんに頼み更に古い地図を持ちだした。

テーブルに広げて見せられた地図は所々朽ち落ちて穴が開いている。

父様はその事には大して気にもとめず一か所にまた駒を置いた。

そこは、今で言う所のリヴィローズ領だ。当時の名前は…。

「ロインサー領?」

「そうだ。ここもまた壊滅した都の名だ」

「えっ!?」

「…どちらも【紫の月】により壊滅した都だ」

驚いて声も出ないとはこの事なのかと私は目の前の地図と父様を交互に見た。

「スファレ様。私、初めてその名を聞きましたが、【紫の月】とは何なのですか?」

「この世界唯一の悪魔だよ」

「この世界唯一の悪魔…」

つい父様の言葉を復唱してしまう位には意味の解らない言葉だった。

確かにこの世界には精霊はいても魔物はいない。正しくは魔とつくような悪しき存在はない。

もっと言うならば殺意など人が持つ強い負の感情というものもない。

「私達この世界に産まれ落ちた者は争う心を持たない。それは何故か解るかい?」

……私は結構持っているけれど、そうね。人を殺めてまで手に入れたいと言う感情はない。それにこの世界の人達は確かに争う事をしない。

「私達の負の感情は、その感情が芽生えそうになる瞬間に吸収されるんだ」

「吸収?一体何に?」

「【月】に」

月?月ってあの空に浮かんでる、あの月?

私が思わず空を指さして首を傾げると、父様は頷く。

「え?月って天体じゃないの?」

「フローラは空に浮かぶ星をきちんと見上げて見た事はあるかい?」

「勿論っ、ある…よ?」

そう言えばこの世界に転生してからちゃんと空を見上げた事はなかったかも?

と言うか、月と太陽はあるものと思ってちゃんと確認した事がなかったかもしれない。かもしれないじゃなくて、ないな。うん。

「フローラ。おいで」

父様が立ち上がって窓際で呼ぶのでついていく。後ろをシトリンもついてくる。

私達は空を三人で窓から空を見上げた。

すっかり夜になっていて、見上げるには好都合だ。

「見えるかい?あれが夜に昇る月だ」

「うん。今日は三日月だね」

「そうだ。そして、…今日は、あっちか。三日月と反対の位置にある【月】、見えるかい?」

父様が指さした方向に、その月はあった。黄色い光を放つ満月。しかもあの月は奇妙な動きをしていた。左右に上下に動いている。

「なに、あの動き…」

「父様。あの【月】は生きているの?」

シトリンの質問に父様は首を振る。

「あれはあくまでも負の感情を吸いとる神が世界に与えた道具だ。生きてはいない」

戻ろうと促されて、私達は窓から離れてソファへと戻る。

「人々の負の感情を集める道具。それがあの【月】だ。あの月が負の感情を限界値まで集めた時、紫色に変わる」

「それが【紫の月】?」

「そうだ。紫になった月は、今まで溜めに溜めた感情を巨大な光線として地上に落とす」

サーっと血の気が引けた。

光線として、って事は…そこが人の暮らす場所だったら…。

「そして、この【紫の月】は必ず、栄えた都に狙いを定めてくる」

「な、何でっ!?」

「負の感情が集まりやすいのか、神が一定値以上の成長を拒んでいるのか、まだそこは解っていない」

「一番大事な所ですよっ、父様っ!?壊滅しちゃうのに解らないなんて言ってられないのではっ!?」

「……仕方ないんだよ。…言うよりも見た方が早いだろう。ラバス、紙とペンを」

ラバスさんが言われた通りペンと紙を持って、それを父様に渡した。

「フローラ。ここに【紫の月】と書いてごらん」

ペンと紙が父様から私に渡されて、私は言われた通り【紫の月】と書いてみる。

「えっ?文字が、消えたっ!?」

「解ったかい?【紫の月】に関しての事は記録に残す事が出来ないんだ」

「あ、でもっ」

私は【紫の月】とは書かずに紫の月に関する事を書いてみようとする。例えば、そう、【月は二つある】と。だが、やはり文字が消える。しかも、【二つ】と書いた筈なのに【一つ】と文字が書き変わっている。

「うそぉー」

「関連する事はこうして全て書き変えられるか、もしくは消えて行く」

「じゃあ、口伝とかなら」

「無理だ」

「どうして?オニキス王子みたいに思った言葉が出せなくなる、とか?」

「いや。そうじゃない。【紫の月】により壊滅した、と言っただろう?…実際の被害者が誰一人として生き残っていないんだよ。都の跡地には草一つ生えていなかった」

生物が何もいなくなったってこと?しかも光線を落とすって事は、焼け野原状態だって事だよね?

「でも、それならば父様は何故【紫の月】の事を知っているのですか?」

あ、確かに。シトリンの言葉は最もだ。こうして話す事が出来る、知っているって事は父様は経験者って事だよね?

「……私は、【紫の月】の被害地の隣の領の出身だからだ」

「あ、そうか。だから、その被害を知っているんですね?」

「でもだったら、父様みたいに被害地の側の領の人間が口伝したら」

「人の記憶力等、あてにならないものさ。どんなに伝え残そうとしても何処かで必ず歪んで行く」

それは、そうかもしれないけど。…でも、こんなに恐怖を覚える存在を、殺されてしまう恐怖を残さないのはおかしい。

「それじゃあ父様。【紫の月】にはどうあっても敵わないのですか?」

「そう言う事だ。だから、フローラ。試練の【紫の月】の単独撃破は無理だ。諦めなさい」

「えっ!?だってっ」

「こればかりは許可出来ない。大事な娘を死にやるような事は出来ない。…解ったね?」

家族と使用人の皆の視線が私に集まる。

私は頷くしか、出来なかった。


―――翌日。

頷く事しか出来なかったんだけど、アレク様の為ってのもあって、私はどーしても納得出来ずにサルに愚痴を零していた。

「だってさ。試練の書にさ、出来ない事は載せないと思うのよ。なのにさ?チャレンジもせずに諦めるのって、どう思う?」

「お前さー、納得出来ないってのも解るけど、お前の親父さんが話した内容に違和感は感じない訳?」

「違和感?」

「おう。違和感って言うか矛盾で言うかー…あー…兎に角だ。おかしなことが多いって事だ」

「例えば?」

「なんで記述されないはずの文字がお前の試練の書に記述されているか、とかな」

「確かにっ!」

言われてハッとした。手に持っていた試練の書を開くとそこには確かに【紫の月】の事を書いてるではないか。何でこの文字が消えてないの?

「…神が与えたものには適応しない、って考えるのが妥当だな。その【紫の月】ってやらも神の道具なんだろ?だったら神が許したもの以外に記録を残せないのかもしれない。もっと言うならこの世界の物ではないのかもしれないな」

「この世界の物ではない?」

「良く考えてみろよ。【紫の月】だぞ?」

「うん?」

「【むらさきのつき】って読むんだぞ?」

「うん、だから?」

「何でわかんねーんだ。いいか、これは【日本語】だ」

「………あっ!?」

言われてみたら違和感なく感じて、しかもそのまま読んでいたけど確かにこれは日本語だ。父様達も【紫のむらさきのつき】と日本語で発音していた。

なんで気付かなかったんだろう?今の今までこの世界の言語で話していたのに、確かに【紫の月】だけは父様も母様も皆日本語で話していた。

「この世界の神の話をカコに聞いてた時から不思議に思っていたけど、その神は地球に理解が高過ぎるな。【紫の月】…むらさきとも読む。【死の月】とも読めるんだ」

「【死の月】…」

「それから、違和感の話に戻るけどよ。一面焼け野原になるような物体が空に浮いているのに、なんで誰もそれを後世に残そうとしないんだ?」

「あ、それは私もそう思ったの。口伝でもいいから残せばいいのに、って。でも父様は人の記憶なんて曖昧だから伝え残そうとしても何処かで歪むんだって」

「何処かで歪む?それは確かにそうかもしれないけど、街一つ、領一つ消えるような事を歪ませて記憶なんてするか?」

「だよ、ね?」

「…負の感情を吸収する装置。これはあくまでも俺の仮定に過ぎないが、もしかして、その【紫の月】に【恐怖】って感情も吸収されているのかもしれないな。他にも親しい人間を失った【怒り】や【憎しみ】も吸収されているかもしれない」

「負の、感情、か…。そうね、それならば伝承する事が出来ないのも納得がいくわ」

「感情が左右しなければ、人は記して残そうなんて思わない」

「そう、ね」

「…本当に厄介な代物だな。アレは」

そう言って人面魚が…サルが見上げた先にあるのは月。例え昼でも動いているのが【月】だ。

あれを私は一人で破壊させる必要がある訳だ。

…そもそもあんな上空にあってどうやって破壊すると?

「…ミサイル作ったら届くかなぁ~」

「どうだろうなぁ…ミサイルの飛距離ってどんなもんだっけか?」

「考えた事ないから解らないなぁ」

んーと首を傾げつつ、持っていた試練の書を改めて見た。

試練444【紫の月を単独撃破】…ゲームじゃあるまいし、単独撃破ってねぇ…。

えーっと、詳細って言うか条件があるんだよねぇ。


試練444【紫の月を単独撃破】

試練クリア条件

1:一人で迎え撃ち一人で破壊する事。

2:以下の人物の命を失わせてはならない。以降人物名がずらり。

3:次の出現日は、灰の月十六日。場所はリヴィローズ公爵領。


……んっ!?

「はいっ!?」

思わずもう一度見直してしまった。

「どうした?」

「……今日は黒の月の十八日。日本で言う所の八月の十八日」

「?、おう。それがどうかしたのか?」

「で、【紫の月】の出現日が灰の月…日本で言う所の九月の十六日なんですねー」

「……一ヶ月もねぇじゃねぇか」

「しかも、しかもですよ?狙いはリヴィローズ公爵領。つまり、ここでっす☆」

二人して暫しの沈黙。

「…………死ぬ気でやるしかねぇな」

「死ぬ気でやるしかないね…」

勝が吐き出した言葉に同じ言葉を重ねてしまうのはもう仕方のない事だと思う。

「まずやるべきは守りを固める事だよね」

「そうだな。お前の話によると焼け野原になってしまうんだろう?」

「うん。父様はそう言ってた」

「巨大な光線…アニメとかで見るレーザーキャノン砲みたいな感じか?」

「それの太いのがあの月から落とされるみたい。父様達は光が落とされる、とか、星が降る、とか言ってるみたいだね」

「…ってなると、領民を逃がすには他の領地に行かせるか、もしくは攻撃されない場所を探すかだな」

「攻撃されない場所?でも領は全て狙われるんだよ?」

そんな場所あるのか?と私が首を傾げると目の前の人面魚はハンッと鼻で笑った。

………ふぅ。今すぐ給湯器を作ってこの池を温めてやろう。

「やめろ」

「嫌だ」

「…そこは、何で私の考えてる事が分かったの?って怒るとこだろ。しかも、俺の制止に対して嫌だとは何だ」

「あー、うるさいうるさい。さっさと話し進めなさいよっ。鯉こくの準備は直ぐにでも出来るのよっ」

「まだ諦めてなかったのかよっ。だからな?例えば焼け野原のなったと語り継がれてはいるが、土地が無くなった訳じゃないだろ?」

「うん。それはそうね」

「と言う事は、だ。地面。ようするに地下にシェルターを作れば皆を逃がす事が出来るだろ」

「……簡単に言うけど、どうやって作るのよ」

「お前の現魔法で作れよ」

「そんな広範囲には流石に無理よ」

「広範囲?お前どんだけ広いの作ろうと想像してんだ?」

「某有名ロボットアニメで出て来た新しい東京みたいな?」

「馬鹿か」

「ロマンと言え」

「言わねーよ、ばーか。そんなでけーの作れなんて言ってねーだろ。逃げ込める場所を作れば良いんだよ。その間にお前があの月を破壊すれば良いんだから」

「………」

「なんだよ。何が不満なんだ」

「……皆が頑張って頑張り抜いてこの街を作り上げたんだよ?それを一に戻される、むしろマイナスにまでされるの、見たくない…。だって一撃で倒せる保証なんて欠片もないんだよ…?」

この領で暮らす皆が毎日必死に汗をかいて働いて発展させたこの街を、農地を失わせたくない。

私だって出来る限りの事はするけど、でも少しも壊されずになんて絶対無理だと思うから…。

「……でも、それは仕方ねぇんじゃねぇの?生きてさえいればなんとかなるんだ。土地だって復興させる事が出来る。けど、死んでしまえばもうその地に触れる事も出来ねぇんだ。それは、お前が誰よりも身に沁みて解ってる事だろ」

「それは、そーだけど…でも、でもさぁ…」

「あー…待てよ?」

「やだよ」

「ひとまず否定する癖止めろ。じゃなくてだ。今ある街の上に土をかぶせるってどうだ?その下に結界を張って」

「……多分、難しいよ。そもそもね?あの月に私達が使っている魔法が通用するかどうか、それも解らないんだよ。だって、今までだって魔法使って戦いを挑んでない訳ないじゃない?」

「確かにな」

「だからサルの言う地下にシェルターは良い案だと思うの。ずっと深い所、光線が届かない所に避難場所を作る。でも、それで皆の努力を無にするのが嫌ってだけで」

「だったら無にしなければ良い」

「どやって?」

「協力して貰うんだよ、領民に」

「協力、と言うと?」

「説明して納得して貰って、地下に領民の家を作れ。そこにどうしても破壊されたくない物だけ移動させたら良い。いや、…そうか、そうだよっ。協力して貰ったら良いんだ。領民に」

「いや、それ今聞いたし、何?どゆこと?もう一回ちゃんと説明してよ」

「だからな?動魔法を使って地下に家を丸ごと運んだらいいんだ」

「なるほど。身体強化を使って家を運ぶんだ…」

「そうだ。それに作物や農地は地下栽培出来るものに切り替えて、日光の代用出来るライトをお前が現魔法で作れ。静魔法で植物を眠らせて保存が出来る様にしろ」

「静魔法…そっか、地下だから保存には適してるしいざとなれば静魔法」

「皆に協力して貰って、皆で新しい都市を作ろうと言えば良いんだ。【地下に逃げる】ではなくて、【地下に新しい都市を作る】んだよ。そうすれば皆納得する」

「……してくれるかな?」

「するんだよっ。何弱気になってんだっ、カコの癖にっ!ここで悩んでる暇があるならさっさと動け、ばかっ」

馬鹿とは何だ、サルの癖に…。

とは思わなくもないけれど…サルは私に小さな光を見せてくれた。

動魔法で身体強化して家を運べるかなんてやったことないし解らない。そもそも家が壊れる可能性だってある。

同じく静魔法で植物を眠らせたら、植物が死んでしまう可能性もある。

だけど…皆に協力して貰って【新しい都市を地下に作る】って考えは…やる価値がありそうだった。

…私の現魔法がどこまで効果を発揮出来るか解らないけれど…一度、地下を進んでみよう。何事もやってみなきゃ解らないもんねっ!

私は早速行動に移すべく、自室へと戻った。

自室に戻って真っ先に手にしたのは公爵領の地図。

何処に何があるのか、とか大体の位置は知っていたけれど、今一度確認をする。

取りあえず、地下を作れるか、どの位の大きさで作れるか、を試してみなければならない。

場所は…何処が良いだろう?

精霊の森?……攻撃されない保証はないけれど地下を作るには…いやでもいざ逃げるとなった時、近くないと駄目だ。第一の目的は避難だ。

(皆が逃げる時にパッと存在を思い出せる場所でないと…それに入口も何か所も作らないと…)

…試すなら何処が良いか。考えに考えた結果。私は公爵家の下に一先ず地下を作って見る事にした。

念の為に、牛乳を近くに置いて。

リアンとマリンに見張っていて貰い、何かあった時の巻き添えとしてサルの近くで発動する事にした。葬式で笑ってたって話で根に持っている訳ではない……こともない。

「お嬢様、一体何をなさるんで?」

「私達はどうしたら?」

リアンとマリンが不安そうに私を見るので、もし私が精霊力不足で倒れたら即牛乳を口にぶち込んでくれと約束し、私は手の先に全神経を集中させて、精霊力の全てを使いきるつもりで、現魔法を発動させた。

バチバチと私の周りに電気が飛び、地面から風が噴き上がる。

力が手の平全体に纏われたと同時に地面に両手を叩きつけた。

私の力が地面を通じて深く深く潜って行く。

感覚だけで地下を形成し、作り上げる。

皆が無事に過ごせるような、シェルターを地下都市を作り上げるんだっ!

どれだけそうしていたのかは解らない。

だけど、私は自分が精霊力を使い過ぎたって事だけは理解した。

何故なら…ある程度経過してから先の記憶が全くないからである。


翌日の朝。

昨日あの後ぶっ倒れた私をリアンは直ぐに抱き起こし、マリンは口の中に牛乳を突っ込んでくれて、そのまま自室のベッドへと搬送。

して、目が覚めた私を待っていたのは父様のお説教でした。…次にシトリンの説教。次いで母様の説教にアゲット、ラバスさんの説教。更に〆のマリンとリアンからの説教を喰らい、私はもう朝からカッサコソに枯れ果てました。

一日ベッドから出る事を許されませんでしたので、一日寝て過ごし、完全に回復した私はもう一度庭に向かった。

サルが心配していたけれど、問題ないと伝えて、私は昨日自分が手を叩きつけた場所を見た。

そこにはマンホールの様な蓋があって。作っておきながら開けない私はリアンに頼んで蓋を開けて貰い、中を覗いた。

…?滑り台?何か災害があった時高い所から逃げる為の避難袋、みたいな?ブールとかの滑り台、みたいな?感じ?

下見えないけど、行ってみるか。

「リアン。念の為にロープよろしく」

「はいよ」

ロープを腰に巻いて、逆の端っこを近くにある太い木に括りつける。

「じゃ、行って来まーす」

「はっ?お嬢様っ、おれも行くから待てってっ」

「リアンっ、急いでっ」

マリンとリアンが何か言ってるけど、気にせず滑り降りると、柔らかいクッションが先に敷いてあった。

ボフンッと跳ね返りつつも何とか立ち上がり周囲を見渡して、思った。

「……うんっ、やり過ぎたっ!」

どやッ!!

そこには立派な街が出来上がっていた。地上にある街と同じ配置で。違うのは見上げたら天井があるって事だけ。

ボスボスッ。

背後から音がして、振り返るとリアンとマリンが到着しており、二人は立ち上がり周囲を見てポカンと口を開けていた。

「な、なんだこれ…」

「地面の下に、街が…」

「………うんっ、やっぱり、やり過ぎたっ!!」

ドヤドヤッ!!

腰に手を当てて胸を張る。全精霊力をつぎ込むのはやり過ぎだったみたいだ。

私達が降りたのは、何故か中腹の位置だったけれど、そこにもう一つ降りる滑り台がありそれを下ると公爵邸につく。

……うん。これは…結構な広さがあるなぁ…。でも全域はカバー出来てないな。

あと、戻る手段も作らないといけない。各家にワープ出来る装置を設置する必要もあるし。

「けど、まぁ、これなら【紫の月】の攻撃は完全に避けれるでしょう。うん」

さて、一旦戻ろうかな……ワープ装置ないのかな?どうせならそこまで作れてたら良かったんだけど。

ロープをつけたままだと逆に危なそうなので、ロープを外してもう一つの滑り台を降りる。

公爵邸に辿り着くと、玄関に見慣れない石と魔法陣がある。

石を持って魔法陣を眺めると、そこには牛…正しくは牛車の絵が描かれていた。

「あー、もしかしてこれって。リアン、マリン。この石持ってて」

「これって、もしかして精霊石っ!?」

マリンが驚いているけど、多分ただの牛の角…。その先っぽ。だって尖がってるじゃん?

まぁいいや。私はそれを手に持って魔法陣に乗る。

すると、一瞬脳がぶれる感覚がしたかと思うと、次に目を開いた時には公爵邸の調理場にいた。

なんでここ…?

まぁ、いいけど。

「……ワープ…?」

「お嬢様の力が規格外過ぎて、もう驚けねーわ」

二人が戻って来た事と、突然現れた私達に驚くシェフ達。何か、ごめん。

「……んー…でもまぁ、成功かな。これで後は…父様達に説明は最後にしようかな。また説教が待ってそうだし。それに大体自分の精霊力の限界値も解ったし」

うんうん。だから、これからやることは、まず領の皆に【隠れ家】だと【金庫】のようなものだと説明して地下都市に大事な物を持って行くように伝達。で地下都市の自宅に着いたら家の前にある魔法陣を起動させるようにして、常に牛の角…精霊石を持ち歩くように義務付ける。

これは一人だと結構手間だからリアンとマリンにも手伝って貰おう。

「…領の皆は私の突拍子もない案を聞いてくれるかな」

「大丈夫です。お嬢様が異常なのは周知の事実ですから」

「そうですっ。お嬢様自信を持ってっ」

「……リアン、マリン…。それフォローじゃない」

二人共何故キョトン顔なの…。私泣いちゃうぞっ!

公爵領、結構広いからな…。少し離れた所にある街を巡って地下都市作る必要もあるし。

それと忘れちゃいけないのが、【紫の月】の破壊方法だよね。同時進行しないと。

私達の家である公爵邸があるここの街がリヴィローズ公爵領の中心で一番大きい街。それ以外の場所は街が一つ、村が数カ所。残るは農地だし。そこまで大きい地下都市にする必要はなさそう。

うん。【紫の月】を破壊する武器作成と地下都市の作成兼領の皆への説明。頑張って時間を無駄にしないようにクリアして行こう!


そうして、私は戦準備を開始した。

で、二週間後。

「……暫く見ない間に随分細くなったな」

アレク様が訪問してきてくれたので、もう遠慮も何もなく私は癒しをチャージする為に全力で抱き付いた。

アレク様が心配してくださってくれているっ!好きっ!!

でもそれ以上にアレク様に抱き付ける幸せっ!!プライスレスッ!!

「どこもかしこも細くなってるじゃないか…。フローラ。今度は一体どんな規格外の事をしてるんだ?」

「規格外が前提になってる。アレク様から見た私の印象って。でも好き」

「ありがとう。それはそれとして、フローラ、俺の話聞いてるか?」

「聞いてますよー…はぁ~…癒される。もう少しこうして癒されたら説明しますので」

「はぁ。解った。じゃあ、俺も思う存分フローラを吸収しておこう」

二人でぎゅーっと抱きしめ合う。何これ、幸せ。

「……俺一体何見せられてんだ?」

煩い。黙っとれ。人面魚がっ。

「声…?あぁ、君が公爵が言っていた伝説の魚か」

…しまった。アレク様に地下都市を見せる為に庭に来たのが失敗だった。

サルの存在すっかり忘れていた。

おのれ、サル…私の癒しの時間を邪魔しおって…後で鯉こくにしてくれる。

「成程。彼がカコの言ってたアレク様ね。なんだ、確かに良い男だな」

「サル…アンタ、解ってるじゃない」

「太ってるって噂は聞いてたけど、太ってると言うか体格が良い、程度だろ。これ」

「サルっ!アレク様をこれ呼ばわりしたわねっ!?それはそれで後で絞るとしてっ、サル、解ってるわねっ!!」

アレク様は太ってるんじゃないのよっ!体格が良いのよっ!!うんうんっ。

「いや、それは言い過ぎだろ。この姿の俺はどう見ても太ってる。ほら、フローラと比べてみろ」

「「比べる物が間違ってるわ」」

思わずサルと同時に突っ込んでしまった。だって、私と比べたらそこらの令嬢だってデブになるわ。こちとら骨やぞ。

「くっ…ははっ…」

っと、しまった。アレク様の笑いツボをまた押してしまったらしい。

しかもアレク様はサルに興味が沸いたようで、このままだとサルにアレク様の親しい人間枠をとられてしまう。

それは許せんっ!

アレク様とさっさと地下都市に行ってしまおう。

「じゃ、サル。アレク様と行ってくるから、後の説明よろ」

「はいはい。行ってこいよ。一応夜になる前に帰って来いよ」

「オッケー」

私はマンホールの蓋を開けて、と。

「さ、アレク様どうぞ」

「え?どうぞって」

「大丈夫です。下にはクッションありますから」

「いや、そっちの問題じゃなく」

「?、穴はちゃんと固いですよ?ほら」

何か不安?滑り台はちゃんと固く出来てるし、叩いてもコンコンとちゃんと音がする。

「途中狭くなったりもしませんよ?体大き過ぎる人でも普通に入れるし。んー…私が先に行きましょうか?」

ここ毎日ずっと通っている道なので、抵抗も何もない。先に行った方が安心かな?

「それじゃあ、先に行きますねっ!あらよっと」

「えっ!?あ、おいっ、フローラっ!」

驚いたアレク様の声が聞こえたけど、先に降りちゃったから返事出来なかったわ。

ボスンッとクッションに落ちて、私は直ぐにそこから避ける。

多分、アレク様は直ぐに追ってきてくれると思ったから。そして思った通りアレク様は直ぐに降りて来てくれた。

ドスンッと音を立ててクッションに沈んだアレク様は体を起こして、直ぐに私の側に駆け寄ってきて、私を抱きしめる。

「あ、あんまり心臓に悪い事をしないでくれ。……って、これは、凄いなっ」

私の頭上を通り越し、目下に広がる地下都市を見てアレク様は目を見開いた。

「実は、この地下都市作ったら精霊力が減る減る。おかげでほっそりしちゃいましたっ!てへっ☆」

「てへっ、って…。ははっ。規格外もここまで行くと凄いな。これも試練の書にあったから作ったのか?」

えーっと、それはそうなんですがー…正直に【紫の月】対策と言うと父様達同様にアレク様からも説教を喰らいそうな予感がするので。

「そうですっ。精霊力を使いきれって言う項目があったんですよ。で、今まで何を作りだしたらいいか悩んでたんですが。空と地中。作るならどっちかな~?と思いまして、土地を増やす意味でも地下にしました」

「それで街一つ作り上げるか、普通」

「ほら、アレク様っ。街を回りましょうよっ!デートしましょうっ!」

彼の手を取り、新しく作っといた街へ直通の滑り台を降りて、街へ向かう。

今度はアレク様が先に降りて、私が滑り降りると彼は手を差し伸べてくれた。嬉しくてその手に手を重ねるとぐいっと立ち上がらせてくれて、しかもそのまま手を繋いでてくれる。え…幸せ過ぎるんやが…?

街を歩くと当然地上と同じに出来ているので噴水のある広場に着く。

「おや?フローラお嬢様。今日はデートですかい?」

「そうなのっ!カッコいいでしょっ、私のアレク様っ!」

「アレク様って…もしかしてアレキサンドライト殿下で?」

「あぁ」

アレク様が穏やかに頷く。好き。

「お噂はフローラお嬢様からかねがね。フローラお嬢様は公爵領の宝です。どうぞ悲しませないでやってください」

「解ってる。全力で幸せにするよ」

「アレク様…好きっ」

「とは言え、フローラお嬢様は自分から幸せを掴みに行くお方ですから心配はしてませんがね」

「え?ラトナおじさん。そりゃ、どーゆー意味?」

「アハハハッ」

え?なんでアレク様笑い出すの?そしておじさんもどうして笑い出すの?え?なに?私だけ解ってない感じ?

………アレク様の笑顔が素敵なんで細かい事はどうでもいいやっ!ポイよ、ポイッ。

それからアレク様と街を歩き、その度すれ違う人と会話して笑い合って。

街の端に辿り着く。勿論地下だからその先はなく私の魔法でがっちり補強された岩の壁が道を塞いでいる。

「成程。あくまでも地下は地下なのか」

こんこんとアレク様が壁を叩く。

「あ、でも、他にもありますよ。地下都市」

「は?」

「行きましょう、アレク様っ。今度は農村ですよ~」

「は?」

アレク様の手をぎゅっと握って、近くにある牛の形をした銅像に触れる。すると、隣の村までワープが出来るのです。

これは精霊石を持っている人間でないと出来ないワープです。因みにアレク様は私と手を繋いでいるので、精霊石を持っていると認識されますよー。

……ちょっと良いですか?

アレク様が農村地区に辿り着いて感動しているのでちょっとの間、脳内でよろしいですか?

アレク様と手を繋いでデート楽し過ぎるんですけどぉぉぉぉっ!?

こんなにカッコよくて、優しくてっ、しかも笑顔が可愛いっ!!好きぃぃぃぃっ!!

「……農村って、そう言えばあまりにも自然過ぎて気付かなかった。なんで地下に太陽があるんだ?」

「あ、それはですね。疑似太陽を作ったんです。太陽程強い光じゃないですけどね。人は昼と夜がないと精神が狂いやすいですから」

「フローラは星まで作れるのか」

「あくまでも道具ですよ~。それよりも、アレク様っ!ここの村のレモンタルトが絶品なんですっ!食べましょうっ!」

「…くくっ、あぁ、行こう」

何に笑っているのか解らないけど、アレク様が楽しそうだから良しとする。

村の人に挨拶して、特産のレモンタルトを二人きれ分けて貰って、畑の直ぐ横にある原っぱに二人並んで座ってタルトを頬張る。

「美味い」

「ですよねーっ。この味になるまで村の人皆で頑張って頑張って改良を重ねたんですよーっ。もぐもぐ…」

カスタードクリームは牛乳が必要だからねっ!牛乳を消費する為に頑張って貰いましたよっ。改良に改良を重ねて、やっと納得のいく美味しいカスタードが出来たのです。

アレク様、甘いもの平気だったかな?これ結構甘いものね。

そう思って隣のアレク様の顔を見ると、アレク様は何故かこっちを向いていてクスクスと笑っている。

「口の端。クリームがついてる」

「え?どこですか?」

顔についてるだとぉー?恥ずかしいぞーっ。

慌てて口の周辺を指で拭いてみる、が。

「そこじゃない。……ここ」

どこじゃ?アレク様が手を伸ばしてくれるから多分とってくれるんだろう。

ジッとアレク様の行動を見守ってると、伸ばされた手は何故か後頭部に回されてアレク様に引き寄せられて。

「え…?」

気付いたら眼前にアレク様の顔があって、口の端をペロッと舐められた。

「とれた。…うん。やっぱり美味いな。このクリームは」

「あ、…ぅ?」

えっと、今何が起こったのか…?

アレク様の舌が、私の口の端を……えっ!?

ぶわわっと羞恥に顔が熱くなる。待って待ってっ!このスク○ーム…あぁ、もう面倒だわっ、スクリ○ムでもムンクでもこっちの人間には解らないんだから、これからは骸骨顔っ呼ぶことにするけどっ、この骸骨顔にアレク様、キ、ス、したっ!?

「あ、アレ、ク、様…?」

「ははっ、フローラのこの照れ顔は初めてみたな。可愛い」

「う、うぅっ…揶揄われてるぅ…でも、好きぃっ…」

そのままアレク様に抱き寄せられて、肩を抱かれたままで。どうしたらいいのか解らず、でも触れたいからその肩に頭を預けると髪にキスを落とされる。

脳内がふわふわしてあんまり現実感がない…。

「フローラ。ここは農村地区って言ってたよな」

「え…あ、はい。そうです」

「と言う事は他にも?」

「公爵領にある人のいる村や街は一通り地下都市を作りました。……全てを網羅はしてませんが、出来る限りチェックしています」

「………何故?」

「え?」

「精神力の限界値を知る、とさっき言っていたが、本当にそれだけか?」

「アレク様?」

何やら物言いが不穏なんだけど…あれ?

ちょっとアレク様らしからぬ探るような言い方に違和感を覚えて顔を上げると、そこには真剣な顔をしたアレク様がこっちをじっと見つめていた。

「……フローラ。何を隠している?」

「………えーっと…」

どうしよう?隠し事がばれている?

静かに顔を逸らすと、肩に回されてた腕が上にあがって首に回されて顔を戻されて固定される。

「こんな大それた事をしてまで準備するんだ。何か、あるんだろう?」

「そ、れは…その…」

「………【紫の月】」

ギクゥッ!!

全身で跳ね上がった。もう、それでバレバレじゃんよ、私ぃ…。

「……公爵に聞いた。公爵に諦めろと言われたはずだな?」

「………はい」

しょんぼり…。

アレク様にバレてしまった…。

これは、単独撃破もきっと止められる流れだ。でも、諦めたら、アレク様を公爵家に婿に貰う事が出来なくなってしまう…。

「フローラ」

ビクッ!

体が震えた。きっとアレク様からも説教がくると覚悟を決める。

「…そう怯えるな。俺は怒ってない。説教もするつもりもない」

「え…?」

「フローラが、領民を大事にしている事は知っている。誰も死なせたくないし出来る事なら失った事へのショックを少なくしたい。そう思ってやったことなんだろ?」

「………」

「それだけじゃなく、俺の為…もっと言うなら、俺を婿に貰う為か?」

笑いながら言うアレク様の言葉に私は一も二も無く頷く。

「解ってる。ちゃんと解ってる。けどフローラはたまに俺の想像の遥か彼方を行くから。…頼むから隠し事するなよ。寂しいだろ」

言ってアレク様は私の額にキスをする。頬に、首筋に。そしてそのまま私の肩に額をつけた。

「…試練の書に、【紫の月の単独撃破】ってあるんです」

「あぁ。聞いた」

「父様は諦めろって言ったんです。でも、私は諦めちゃいけないと思うんです。だって次の【紫の月】の狙いはこの公爵領なんです」

「…だから避難場所にここを作ったんだな?」

「はい。まぁ、全精霊力を使うとこんな大きさのが作れるのは、完全に予想外だったんですが」

「ははっ、そうか」

「前の【紫の月】の被害を聞くに、焼け野原になったと。焼け野原ならば被害は地上だけ。地下ならば安全だと思うんです。皆にも地下に慣れて貰う為に前々から入って大事なものをしまう金庫の様な場所だと伝えてます。この地下の存在は公爵領に住む人間とアレク様しか知りません」

「……冗談で言ってたと思ったがフローラなら本当に国の一つや二つ作れそうだな」

「ふふっ。作りますよ?アレク様が望むのであれば」

いくつでもねっ!

笑うとアレク様が顔を上げて、今度は私を抱き寄せて胡坐の上に座らせた。これはあれかお膝抱っこって奴?

…………アレク様、好きっ!!

っと話がそれた。

「それで?フローラの事だ。単独撃破すべく対策をとっているんだろ?」

「…一応、色々武器は作ってます。ただそれが何処まで通じるのか…」

ま、通じなくても破壊はしますけどねっ!意地でもっ!!

皆が大事にしているものを少しでも守れるように。

「…フローラ。【紫の月】が出たら、絶対に俺を呼べ。一人で戦うな」

「アレク様…」

「絶対だからな?絶対に呼べよ」

アレク様の優しい言葉。

でも私はその言葉に頷く事が出来なかった。

絶対に命をかけることになるこの戦いに、どうしてこんなにも惚れて恋い慕っている相手を参戦させる事が出来るだろうか。

(それに試練の書は私に単独撃破を試練として科している)

試練のクリアの為にもアレク様を呼ぶことは出来ない。

……他の試練の内容を見る限り、これ以上に難しい試練は無い。だから、これはアレク様に隠す最初で最後の隠し事だ。

だから、私はアレク様に笑顔で答えた。満面の笑顔で。……骸骨顔なのでアレク様にどう見えたかは解らないけれど。


読んで頂きありがとうございます(*´ω`)

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