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Operation Soul~若者達の幽霊退治~  作者: 杉之浦翔大朗
第一章 Soul Research Institute
3/103

3 幽霊を撃ってみよう!

 エレベーターが止まり、扉が開くと安倍が外へ出た。

 そのフロアは、さっきの部屋とは打って変わってなんとも近代的な研究室だった。

 ここで、幽霊の研究をしているのだろうか。

 杉野は今になって、わくわくしてきた。

 安倍に続いて、杉野達も出ようとすると、どういうわけか安倍が制止してきた。


「君達はこのまま地下十階に行ってもらう。 そこでさっきの教官が待っておるから、みっちり扱かれて来い」


 そう言われて、杉野が扉の横の操作盤を見てみると、地下十階を示すボタンだけが煌々と光っていた。

 安倍に視線を戻すと、奥の方で何か作業をやり始めたようで、こちらに見向きもしなくなっていた。

 まったく、無責任なものだ。



 少し間が開いてから扉が閉まると、再び降下を始めた。

 緊張がピークに達した杉野は、エレベーター特有の浮遊感の中で眩暈を覚えた。

 無理もない、ただでさえ緊張するであろう最初の出勤日から、現実離れしたことが起こりすぎているのだ。

 しかも、これから内容を知らされないまま、謎の外国人に訓練を受けることにもなった。

 緊張しないでいられるか。

 どうやら、他の面々もそれは同じようで、皆一様に気分が悪そうにしている。

 坂田が地下1階に戻れないかとボタンを押してみたが、残念ながら反応しなかった。

 逃げる手段が断たれたことで、四人に諦めムードが漂い始めていた。



 全員が「帰りたい」という気持ちでいっぱいになった所で、目的の階に着いたことを知らせる電子音が鳴り響き、扉がゆっくりと開いた。


「おいおい、まだ何もしてないってぇのに、もうグロッキーか?」


 呆れた顔をした黒人が、扉の先に立っていた。


「この訓練が一通り終わったら、一旦は家に帰してやるから。それまで辛抱してくれよ。じゃ、早速訓練を始めるからちゃっちゃと降りてこい」


 全てを諦めた表情をして、新人四人組はエレベーターから降りた。



 外に出ると、どこがで嗅いだことのある匂いがした。

 それが何の匂いだったか思い出そうとする前に、エリックが匂いの出所を持ってきた。


「お前らには、こいつの扱い方を覚えてもらう」


 その手には、黒い拳銃が握られていた。


「それってベレッタっすよね!? マジモンすか?」


 突然、坂田が興奮して鼻息荒く質問する。


「ああ、こいつはそこらへんで売ってるようなモデルガン(にせもの)じゃねぇ。誰だろうが簡単に命を奪える本物の銃だ。」


 坂田の鼻息がさらに荒くなり、八坂がドン引きして後ずさる。


「ちょっと持ってみるか? 大丈夫だ、弾は入ってない」


 そう言うと、坂田に銃を手渡す。

 受けとった坂田は、リアルな重さに感動して、あちこち狙うふりなんかをしている。

 案外、子供っぽいのだなと、杉野は呆れ気味な感想を抱いていた。


「どうだ、良い銃だろう。俺も昔はそれと同じ銃で紛争地帯に殴りこんだもんだ」


 それを聞いた坂田が、冷静になって握っている拳銃を見つめる。


「こいつで殺人でもさせようってのか?」


 恐る恐るといった感じで、坂田が質問した。


「いいや、お前らにはそいつで幽体を撃ってもらう」


 エリックの答えを聞いて、坂田は首を傾げた。


「幽霊を撃つ? もう死んでるのに?」


「ああ、幽体は電磁波に似たエネルギー体ってのは博士から聞いてるよな?」


 坂田以外の三人は頷いたが、あまり真面目に話を聞いていなかった坂田は首を縦に振れなかった。


「ったく、ちゃんと聞いとけよ。いいか? 幽体はx線やγ線のように壁やらなんやらを透過しちまうんだが、鉛は透過出来ねぇんだ。その性質を利用して、鉛弾を当てて、幽体を構成するエネルギーを削ぎ落して動きを遅くしたり、無力化したりできるんだよ。」


 そこまで説明すると、ズボンのポケットから安倍が持っていたものと同じ杭を取り出した。


「んで、あとはこの対幽体捕獲磁石……通称『ソウルキャッチャー』で捕獲するって寸法さ」


 皆が納得していると、神谷が恐る恐る手を挙げる。


「あの~、質問なんですけど、それって自分達に当たったら怪我とかしちゃうんじゃ?」


「良い質問だな」


 エリックが、ちょっと前まで杉野達へ講義していた博士のような口調で返す。


「この銃自体は本物だ。それこそ、ネバダ辺りのGUNSHOPで手に入るマジモンの銃弾を装填して撃てば、怪我どころか殺すことだってできる」


 エリックが指で銃の形を作り、神谷を撃つフリをする。


「だが安心しろ。お前らが使う弾はうちの組織が独自に開発した対幽体用の銃弾だ。人に撃ったとしても痛いぐらいで、怪我もしねーし死ぬこともない」


 そこまで言うと、坂田から銃を取り上げた。


「それでも、生きた人間に向けるんじゃねーぞ。銃を向けるってことはてめーを殺してやるぞっていう意思表示だからな」


 新人四人に、また沈黙が流れた。



「よし!じゃあ実際に撃ってみるか」


 それを聞いた男共は露骨にテンションが上がった。

 フロアの奥には、教室くらいの広さの射撃場が備えられていたので、銃を撃てるのいつなのか気が気でなかったのだ。


「うはー、すげぇぇ!!」


 男性陣の中でも特にはしゃぎ気味な坂田が、射撃レーンへ子供のように駆け寄る。


「ハハハ、そんなにはしゃいでると怪我するぞ」


 エリックが笑いながら嗜めた。

 杉野も坂田の隣のレーンへ立つと、台の上に先ほど坂田が持っていた銃と同じ銃が置いてあり、その傍らには空のマガジンがあった。

 杉野はあまり銃には詳しくなかったが、それがとんでもなくカッコいいことだけは分かった。



 全員が射撃レーンに着くと、エリックが喋り始めた。


「いいか、よく聞けよ。俺がいいと言うまで、決して銃に触るな」


 隣の坂田が、銃を持とうとしていた右手を慌てて引っ込める。


「実弾より火薬の量が少ないとはいえ、暴発することもある。怪我したくなきゃ、丁寧な扱いを心掛けろ」


 新人たちの間に緊張が走った。

 これは思っていたよりも、ハードな訓練になりそうだ。


「よし! では、これより射撃訓練を始める。まず銃を持つ前に、マガジンに弾を込めろ」


 エリックが一人一人に銃弾が入った箱を渡していく。ずっしりと重い。


「いいか、一つ一つ確実に入れていくんだぞ」


 箱を渡された時に教えてもらったやり方で、慎重に入れていく。

 火薬が入っているらしいので、暴発しないか不安だったのだ。



 全員の準備が終わったのを確認してから、エリックが次の説明を始める。


「マガジンの準備が終わったら、次はいよいよ撃つ準備に入る。銃を持て!」


 その合図を待ってましたと言わんばかりに、男共が銃を手にする。

 まだ抵抗があるためか、八坂は銃を握るのが遅れた。


「全員持ったな? まずはさっきのマガジンを装填しろ。装填したら、セーフティを解除しろ」


 エリックが実演を交えながら説明し、新人たちが慣れない手つきで教官の真似をした。


「よし、じゃあ奥にある的を撃ってみろ」


 射撃場の奥には人型の的が並んでいた。

 だいたい、10mくらいはありそうだ。


 バアァァン!


 隣の坂田のレーンから破裂音がする。発射したようだ。

 杉野も負けじと的に狙いをつけて撃ってみる。

 破裂音と共に、今迄感じたことのない衝撃が杉野の腕を通じて全身に広がる。

 一瞬、放心状態に陥ったが、すぐに復活して的を見る。

 どうやら外れたようだ。

 10m程離れたところにある的を、素人がいきなり当てるのは至難の業だ。

 エリックも、最初から当てられるとは思ってないだろう。



 結局、その日の訓練で的に当てられたのは坂田だけだった。

 もっとも、的の端の方に一発だけだが。



 射撃訓練が終わると、十分休憩に入った。


「なあなあ、杉野は銃では何が好きなん?」


 休憩に入ってすぐに、坂田が話しかけてきた。


「いえ、銃とかそんなに詳しくないんで……」


 そう言うと、坂田が意外な顔をする。 


「そうなん? 結構楽しそうな顔して撃ってたから好きなんかと思ったんだけどなぁ」


 どうやら、知らず知らずのうちに顔がほころんでいたらしい。


「まあでも、実際に撃ってみると結構面白いですね。ゲームとは違って音も衝撃も凄くて……」


「あーそれわかりますわ。やっぱり本物は臨場感が違いますな」


 いつの間にやら神谷が会話に参加していた。


「そうだらー、神谷もわかってるじゃん」



 男三人衆が休憩そっちのけで盛り上がってるのを横目に、八坂はフロアの隅で膝を抱えて座っていた。


「お前は話してこないのか? これから一緒に仕事するんだから、ああいう風に仲良く交流するのも大事だぞ」


 見兼ねたエリックが八坂に声をかけた。


「べつに、私は銃とか興味ないんで。それに、あんな奴らと仲良くなんて死んでも嫌です」


 それを聞いて、エリックがため息をつく。


「互いの命を預けることになるんだ。嫌でも会話に入っていけ。いざというときに仲間を信じられんと自分が死ぬことになるぞ」


 言い終わってから、エリックが何か思いついたような顔をした。


「あーそれと、職場内恋愛は特に禁止してないからな。安心しろ」


 そう言うと、右手でサムズアップする。

 今迄、興味なさそうな顔をしていた八坂の顔が一気に赤くなると思うと、立ち上がってそそくさと射撃レーンの方に戻っていった。



 休憩が終わった後は、銃の点検・整備の方法を学んだ。

 それが終わると、エリックが次の訓練の説明を始める。


「次は実践訓練だ。安心しろ、真面目にやれば怪我無く終われるはずだ」


 それを聞いて、杉野達はなんとも不安な気持ちになる。

 エリックが射撃場の隣のフロアへ新人たちを案内してくれたが、ぶっちゃけ行きたくはなかった。

 ただ、文句を言っても無駄そうなので、杉野達は渋々といった感じでエリックの後に続いた。


 そのフロアは、まるでレコーディング室のようであった。

 ガラスの代わりにモニターがはめ込まれていて、灰色の部屋を映し出していたこと以外は。


「次の訓練は、幽体相手に戦ってもらう。なーに、幽体自体は元々うちの組織で働いてた奴だ。取って食われたりしねーから安心しろ」


 杉野たちはそれを聞いて、ほっと胸を撫で下ろす。



「じゃあ、神谷から中に入ってスタンバイしろ」


 呼ばれて一瞬ビクッとした神谷が、観念した顔をして灰色の部屋に入っていくと、何故かエリックが呼び止めた。


「おっと、忘れるとこだった。このゴーグルを着けていけ」


 神谷にVRゴーグルのようなものを手渡す。

 装着し、部屋へ入ったのを確認すると、モニターの前のマイクでエリックが話し始める。


「よおし! 銃のセーフティを外して、いつでも撃てるようにしとけ」


 モニター越しに神谷がセーフティを外すと、部屋の真ん中から柱のようなものがせり出してくる。

 よく見ると、その柱の一番上にあのソウルキャッチャーなるものが刺さっていた。


「そいつに訓練用の幽体が入っている。今からそいつに電気を流して解放するからよく見とけよ」


 エリックがモニター前の機械を操作すると、神谷が叫んだ。

 こちらからでは、何がなんだかわからない。

 エリックがまた機械を操作すると、モニターの表示が切り替わり、画面全体が緑色になった。

 よく見ると、神谷の輪郭像が青色に輝いている。

 そして、神谷の目の前には黄色く輝いているもやもやした何かがふよふよと漂っていた。


「お前の目の前にあるのが、幽体だ。どうだ、神秘的だろう?」


 神谷は腰を抜かして、幽体らしいもやもやを見つめている。


「いつまでもビビってんじゃねーぞ! そいつに弾を当てろ!」


 命令されて、ようやく立ち上がった神谷が銃を構えて幽体を狙おうとする。

 しかし、幽体が縦横無尽に逃げ回るので、中々撃つまでいかない。


「撃たねーとあたらねーぞ! 外すことを恐れすぎだ。勘でもいいから撃ってみろ!」


 エリックに怒鳴られて、神谷が引き金を引く。

 一発目は外れた。が、続けて撃った二発目は少しだけかすったように見えた。


「撃ち方やめ! よし、今の感覚を忘れるなよ。もう出てきてもいいぞ」


 神谷が銃を下げると、幽体は真ん中の杭に吸い込まれていった。

 神谷が出てくると、エリックが神谷の肩を軽く叩く。


「やればできるじゃねーか!二発で当てるなんざ、なかなか筋がいいぞ」


 褒められて神谷が頭を掻いて嬉しそうにしていた。

 なんだか、微笑ましい光景だ。



「次はー……坂田! いってみるか」


「うっす!」


 気合の入った返事をして、坂田が意気揚々と部屋へ入っていく。


「お前はさっきの射撃訓練で唯一的に当てられたからな。いくらか生きのいいのを使ってやるよ」


 エリックが機械を操作すると、部屋の真ん中から勢いよく黄色いもやもやが飛び出す。

 さっき神谷が相手をしていた幽体よりも、明らかに動きが速い。


「こいつは若いうちに殉職したから元気がいいぞ。マガジンが空になるまでに当ててみろ」


 坂田が銃で幽体を狙い撃つ。

 しかし、何発撃っても当たりそうにない。


「コノヤロ!」


 坂田がやけになって、幽体に体当たりをかます。

 そのまますり抜けて壁に激突した。


「幽体は人体なんざ軽く透過しちまうから、体術は効かんぞ」


 エリックがツッコミを入れた。

 それから五分くらい撃ったり蹴ったりしていたが、ついに十五発撃ち切ってしまった。

 扉が開き、さっきよりもテンションが下がった坂田が出てきた。


「残念だったな。まあ、これから何度も訓練していくんだ。そのうち、当たるようになる。つーか、そうなってくれねーと困る。仕事になんねーからな」


 意気消沈といった様子の坂田に、神谷が「ドンマイ」と励ます。

 それに力なく右手を挙げて坂田が答えた。



「ほんじゃあ次は、杉野いってみるか」


「ひゃい!」


 緊張で返事を噛んでしまったりしながら、ゴーグルを着けて部屋に入る。



 部屋の中は灰色の金属に囲まれていて、ドアの横の壁にはカメラが埋め込まれていた。

 あのカメラで取った映像が、外のモニターに映し出されているのだろうか。


「よし、じゃあ始めるぞ」


 部屋の中に気を取られていた杉野は、エリックに言われて、慌てて銃のセーフティを外した。

 銃から顔を上げると、部屋の真ん中に黄色いもやもやが浮いていた。

 試しに幽体に向かって撃ってみるが、ターゲットがひょいっと避けてしまうので、なかなか当たらない。

 五発ほど撃ったところで、少しやり方を変えてみる。

 幽体を追うように二発撃ったところに、続けて先回りするように一発撃つ。

 そんなかんじで、六発くらい撃ったところ、幽体のど真ん中に命中した。


「やった!」


 思わずガッツポーズなんかをしてしまう。


「よし! 戻ってこい」


 先ほどの坂田とは打って変わって満足げな顔で部屋を出る。


「うまいじゃねーか。頭使って当てるのもまた技術だからな、他の奴らも参考にしろよ」


 褒められた杉野の顔がほころび、さっきまでの緊張した表情はなくなっていた。



「最後に……八坂!いってみるか」


 呼ばれた八坂が、遠慮がちに部屋へ入っていく。


「まあ、気を楽に持て。これは訓練だから、失敗したとしても死んだりしない」


 エリックの励ましになってない励ましを聞いて、八坂が深呼吸する。


「……頑張ります」


 八坂が消え入りそうな声で答えた。

 幽体が出てくると、モニターの中の八坂が幽体から逃げ出す。


「おいおい、逃げてちゃ仕事になんねーぞ」


 エリックの言葉が聞こえていないのか、八坂は部屋の中をぐるぐる走り回りながら逃げている。

 それが面白いのか、幽体も八坂を煽るように頭上を飛び回っている。

 その時、八坂が銃の引き金を偶然引いてしまったので、頭上を飛んでいた幽体を撃ち落してしまった。


「ひゃぁ!」


 意識せずに撃った銃声にびっくりした八坂がかわいい悲鳴を上げる。

 冷静になった八坂が後ろを振り返ると、幽体がよたよたと真ん中の杭に戻っていくのが見えた。


「やるじゃねーか! もう戻ってきていいぞ」


 扉が開くと、終わって安心したのと、偶然とはいえ一発で仕留められた嬉しさで顔がにやけた八坂が出てきた。


「偶然とはいえ一発で仕留めるとは、良い腕してるじゃねーか」


 それを聞いて、八坂が嬉しそうに照れた。


「ただ、敵前逃亡は重罪だ。本番までに肝っ玉を鍛えとけよ」


「……すいません」


 エリックにたしなめられた八坂はしょんぼりしてしまった。



「これで全員終わったな。では十分休憩を――」


「すいません! ちょっとだけいいですか」


 坂田が話を遮って挙手した。


「なんだ?」


「もう一度やらせてください。俺だけ休憩なしでもいいですから」


 それを聞いてエリックがニヤリと笑う。


「その言葉を待ってたぜ。よし! 坂田以外は休憩に入れ!」


 坂田がまたゴーグルを着けて部屋に入っていった。



「もう一回さっきとおんなじ奴だ。もし一発でも当てられたら褒美に良いものをやろう」


「おねがいします!」


 坂田が真剣な顔で銃を構える。

 幽体が出てくると、さっきよりも激しい動きで部屋の中を飛びまわる。

 坂田は冷静に動きを目で追ってから、確実に当てに行く。

 十発撃ったところで、幽体が坂田に一直線に向かってきた。

 それに体当たりを食らわし、すり抜けざまに幽体の中に銃を突っ込むと、引き金を引いた。

 内側から銃撃を食らった幽体が破裂したと思うと、さっきの三分の一ほどの大きさになっていた。

 そのままふらふらと杭に戻っていく。


「よっしゃぁぁぁぁぁ!!!」


 部屋の外まで勝利の雄たけびが響いてきた。

 しばらくすると、やり切った顔の坂田が出てくる。


「よくやったな! あいつに当てられたのはお前で二人目だ」


 坂田が一瞬驚いた顔をしてから、ドヤ顔をする。


「いやーマジでギリギリでしたよ。ちなみにもう一人は誰なんですか?」


「俺だ」


 エリックが得意げに自分を指さした。


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