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第二話 想像を創造するという快感

もうちょっと自己紹介が続きます。



 

 私は幼いころから絵本が好きでした。長じて自分で描くようになりました。一番最初に描いた自作の絵本を覚えています。はちみつを取ろうとした男の子とクマが鉢合わせになってケンカになった。男の子が勝ったが、クマと仲直りして、仲良くはちみつを分ける。しかし、今度はミツバチから、はちみつ泥棒だと刺されて体中がはれあがってしまう話。男の子とクマはミツバチに謝って許してもらう。その後、はちみつをお土産にもらってミツバチに見送られ手をつないで帰る。

 小学生低学年だったと思いますが、クマを描くのがすごく難しかったのを覚えています。当時は新聞が宅配されていて、そこに広告のちらしが数枚はさまれている。片面印刷で白紙部分を上にしてホチキスでとじ、ノートにして描きました。親に見られたら笑われる、捨てられると思って日本人形のガラスケースの後ろに隠していました。でもいつのまにかそれもなくなっています。

 親は私に現実をしっかり見据え、堅実な生き方をしてほしかったようです。勉強はできたので親の期待に応え、小学校受験は全部落ちたものの、中学校受験で当時はレベルが高いところに合格し中高一貫校、ついで大学も行きました。結果無事地方公務員にもなりまして子育てじょうずねえと周囲から言われて母は鼻が高かったようです。去年(平成三十一年)初めて私は母の学歴が中卒だと判明して母の学歴コンプレックスの裏返しで教育ママだったのだとわかりました。母自身は私には高卒だと嘘をついていました。人生何がどうなるか確かなものはありません。中卒でも悪いことはないのに。実娘にすら学歴を隠し続けていたこと自体、母を哀れに思っています。


 表題に話を戻します。

 想像力を養うのはどういうことか。それは思考の回路を幾重にも充実させることに他ならぬと思います。一番の近道はやはりいろいろな書籍、絵本を読むことでしょう。本の中にいる文字たちはちゃんと生きています。読み手が顔を出すと、文字が呼吸をはじめ時に踊ります。活字とはよくいったものです。本を読むことによって読み手は、読解力も想像力も国語能力をも養えます。私のいう良い本というのは、いわゆる教科書に出てくるような文豪の書いたものではありません。読み手の感情や感覚を刺激する本です。喜怒哀楽、時には恐怖感や嫌悪感。だから良い本は人によって違うし、ジャンルだって小説以外の映画、漫画、イラスト全般多岐に渡ります。

 でもその中で特に刺激をしてくれるのは私にとっては書籍でした。挿絵イラストがなにもないという意味も含めて。もちろんイラストも悪いことはないのですが、登場人物のイメージが限定されてしまうと思う。

 事実子供時代はテレビの名作アニメを視聴していましたが、赤毛のアンや小公女セーラを見て正直がっかりしたことを覚えています。そのアニメキャラのデザイン自体にファンがついていて、いろいろなご意見はあろうし、私が間違っていると思われる人もいるかと思います。でも私はこういう少女でした。


」」」」」」」」


 上記の話と関連して。

 私は教諭とされる人種が苦手です。特に国語。

 それは生徒はこの文章を読む場合は、こうあるべしという感覚を押し付けるからです。幼いころの私は大人は絶対に正しい行いをする存在だと思っていました。これは変だなと感じても口に出せない雰囲気はありました。家庭でも学校でも。家庭では親が正しいし、学校では先生のいうことが正しい。

 おかしいと口に出す子供は嫌がられます。私は幼いころから思ったことを口に出してはいけませんと言われて育ちましたのでトラブルにはなりませんでした。読書感想文でもこの話は嫌いだと思っても正直に書かずこの書き方で褒められるだろうという感覚でこなしました。結果、先生からいつでも良い点数をもらっていました。故に国語の成績は常に上位でした。読書が習慣づいていたため、何が大人の気に入る感想かがわかっていたせいです。無口な子供という外観でしたが、私の心の中は誰も知りません。また私自身も己がどんなに反抗的だったかを知りませんでした。知らずして抑えられていたのです。

 好きな本を読んだあと、思いついた絵や文章を書いていると心が解放されるのを感じました。好きなように己の心に浮かんだキャラクターを描けます。時には色もつけて。心の中は常に自由です。勝手に結末を変えても黙っている限り怒られることはありません。

 そういった時間は非常に早くたつ。夢中で本、時に白紙に向かうのは私にとって必要なことでした。私がいじめにも耐えられたのはこの経験が生きています。そうでなければ、自殺していたと思います。イラクサシリーズで何度も書いていますが学校内の図書館の本が私を生かしておいてくれたと思っています。

 だからこのエッセイで恩返しの意味も兼ねているつもりです。




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