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第十八回・どの文学賞を狙いますか



 私は適当です。書き上げたらすぐどこかに送りたくなるのでパソコンや公募ガイドで探して締め切り日に近い文学賞に送ったりしました。でも、それをやると受賞どころか一次通過もしないです。どういう作品が受賞するかは自分で歴代の受賞作を読んで傾向をつかむしかないです。

 ある授賞式で書いてどのくらいかの期間書いているのと聞かれまして本気でやりはじめて三、四年目というと早いねと言われたことがあります。でも助走期間のあてずっぽうてきな投稿期間を入れるとかなり長期にわたっており、それでもプロになれぬのでまだまだです。

 文学賞の選考委員との相性はあると思います。それと賞自体の相性もです。ある選考委員の作家がプロになりたければ、受賞作読め、選考委員たちの作品を読めと言いました。その通りだと思います。受賞作でぼんやりとした方向性がつかめますし、選考委員の受賞作に対するコメントを見たら彼らにとって何が良い作品になるのかが透けてみえたりします。

 過去二回ほど応募した文学賞ですが、選考者の一人が書いたエッセイを読む機会があり、感覚があわないと感じたことがあります。あちらはプロなので大変失礼な話ですが、こういう書き方をする人だと私が何十回送ろうとダメだろう、そして私もその人に選ばれたくないと感じます。で、応募するの、やめました。これも縁のものだと思っています。

 

 受賞後選考者との付き合いはどういうものかはわかりません。私の場合も特に個人的な付き合いはないです。授賞式で言葉を交わしてそれきりです。激励の言葉をいただいて嬉しいし、飛行機に乗ってはるばる来てよかったなどと思います。一生の思い出にしています。

 せっかく受賞しても、これ以上のものは書けない人も多いと伺ったこともあります。受賞してもあとが続かない人のことでしょうか……私にはわかりません。受賞したらそこからがスタートなのに、もったいない話です。結婚よりも結婚式をしたがる女性の話を思い出します。それではまたね。




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