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第十五回・選考者、編集者から批評をもらうということ



 優しいところでは一次通過ぐらいで批評がもらえるところがあります。何かが不足しているため二次にあがれなかったのですから当然酷評が多い。ABC評価だけのところもあれば、直筆で一言コメントをいただけるところもある。編集者にしたらきちんと読まないと評価はできないのでこういう仕事も大変でしょう。数も多いだろうし。今回はそういった思い出の話です。

 童話だったのですが私は登場人物のうちの一人を黒人の少女にしました。くろんぼちゃん、という呼びかけのセリフが数か所ありました。手書きの批評には、これはだめですとありました。詳細な理由はかかず簡潔な言葉のみ。あとは自分で考えろというわけです。

 「くろんぼちゃん」 が黒人への蔑称と取られる恐れがあるのでその時点でアウトだったです。差別の意図はなく親しみを込めて書いたものですが、多分編集者もそれはわかっている。しかし、それ以外の批評はなし。私はそれを見て、出版社側が差別用語についていかに神経をとがらせているか骨身に染みました。一応、著名なちびくろサンボのストーリーが人種問題に発展したのは知識として知っていたつもりです。が、それでも私は使ってしまったのです。

 以来、誰が読んでもこの表現は大丈夫か、読者さまやその知り合いを傷つけることがないかなどは注意深くチェックするようにしています。落選したらその理由は必ずあるはずですので、プロ視点から問題点を教えていただく機会があれば一つずつ、つぶしていくしかありません。皆様もくれぐれも気をつけてください。

 登場人物の容姿の表現、行動、特に精神疾患や特徴的な病状を書くことについては、より神経を配らないといけません。普段から特定の思想や特定の疾患に偏見を持つ人はやはり書き方に出ます。こういうのも読み手のプロが見たらお見通しだと思います。


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 実際に批評をもらう立場になると、編集者や選考者は、文章を読んで選り分けたり、批評したりを日常的にする人ですのでお話を伺うと大変参考になります。

 ある地方文学賞では作家ではないですが、元教育関係者という人が選者でした。やはり文章の使い方に厳しくこのあたりをこうしたらもっとよくなるとアドバイスをくださったりします。さらりと笑顔で言われたものの、そのとおりにすると、基礎設定から変更せねばならないので、えらくキツいことおっしゃるなと思ったこともあります。しかしそこまで深く踏み込み、批評をいただけるのもめったにない経験です。また勉強になります。ただし言われた通りのことをするだけでは、自作ではなくなると思うのは先に書きました。批評をまったく聞き入れないのも問題です。要はそれも己のさじ加減だと思います。

 前の話で私が批評を請われて、正直に明らかな痂疲を指摘したらキレた人の話を書きましたが、私とはそこで縁が止まっています。私だってキレられると怖いし、当然次がなくなります。それを思うにつけ、真摯な批評に対して感謝はあれ、キレるのはもってのほかです。

 私の作品を手厳しく批評してくださった人は、話し方で時間をかけてすみからすみまで読まれたことは、すぐわかりました。大変有り難く感謝しかないです。そういう人との出会いがあるたびに、細々と創作をしていてよかったと思います。







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