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TS幼女は~シリーズ

TS幼女は仕事の苦労を愚痴る

作者: まい

“TS幼女~”シリーズです。


外見は幼女でも、働いているのです。働いているのならどうしても苦労はあるし、愚痴りたいくらい嫌な事も出てくるのです。

 おっす、オラ アホ毛付き薄ピンク髪巨乳TS幼女!


 神の広報官みたいな仕事をやらされたぜ!恥と怒りでアホ毛もブルンブルンと荒ぶった!


 前回のあらすじ、おw――――


 言い忘れてた補足。神は正確には管理者だけど、通りが良いから対外的に神と言ってて、しかもあの変態は立場的には主神とか最高神とか言われる種類。

 実際の管理は各分野の神に任せてるそうな。


 今度こそあらすじ終わり!




 今はオープニングイベントも済み、ここのダンジョンなら戦える!って喜び勇んでいる連中がこぞって押し寄せ、その対応に追われている所。


 …………ん~、イベントの話をしてほしい?断る!恥ずかしい!


 神がまた酷いコスプレ衣装を幾つも寄越してきやがって、それに抵抗して自前の着てて恥ずかしくならないガチ一歩手前装備の、ドレスアーマーを着込んで参加したんだぞ!


 自分で設定した大きい胸だけど、それをイベント参加した野郎共にジロジロ見られる感覚はいつまでも慣れない。

 お陰で何度もしおれたアホ毛が目の前に垂れかかって、それに気付いては気を張り直す。お陰で精神的に疲れた……。

 しかもトドメに神からのメッセージカードで、


『そう言った方向の大人ぶった凛々しいコスプレもまた良いな。参考になります』


 とか言う変態発言をもらって、その日はもう完全にやる気ゼロ。ダンマスルームで終日引きこもりました。


 って、結局話をしてた……。まあ折角だし、装備の自慢をしちゃうぞ~☆(白目)


 俺の着たドレスアーマーは上半身が気合いの入った甲冑で、露出は肩の付け根辺りに深めのスリットが入ってる位。胸のサイズが一定を越えるとア○ミラみたいに胸甲が消えて、代わりにくっつく胸元のブローチが見えない装甲を展開する謎の機能。

 後は膝上スカートとニーソで肌色チラチラ、そしてグリーブ。健全な装備だから、スカートの下はショーパンで恥ずかしくない!それでも野郎共はポヨンポヨンや絶対領域から目を離さない!こんの助平ドモがぁっ!!


 フレーバーテキストによると、カルクテツオイ合金とか言うトンデモ金属を使った装備で、本当に軽くて強い。配色は、金属部が白メインの差し色青。

 鎧の下の長袖ワンピースは青メインで差し色白。ニーソは白にずり落ち防止リボンが青の、白と青をメインにした清楚セットで見映えよし!

 俺のキャラのゲームに耐久値の概念が無かったから、不壊とおまけにサイズ自動調整は標準装備!もちろん装備に付いてる付与効果は激高。


 ついでに転生時に貰ったおまけにも言及。


 ゲーム時代は有限だったインベントリは無限へ、戦闘に関する魔法しか使えなかったはずなのに、異世界で習った生活に使える魔法も覚えられた。レベル上限も撤廃。

 その上、これは俺の物だと思うだけで現地(地球のも含む)の物もゲームシステムに取り込まれて不壊とサイズ自動調整が付くし、ワンタッチで装備切り替え可能。

 下着類だって、面倒な手順をすっ飛ばして、ワンタッチ着脱。お陰でTSしたのに、異性の服で苦労は有りませんでした。


 え?不壊だからダメージジーンズとかは作れないじゃんって?


 それっぽくヤブいてから俺の装備って認識すれば、ヤブれそうだけどヤブれない衣装の出来上がり。

 場合によってはボディーソープの泡さえ壊れない防具に仕立てられる奇跡のシステムだ……防御力は期待できないがな!


 神様は本当に、とんでもないチートを俺に組み込みやがったと思ったよ。




 余計な話をし過ぎた。


 現在大盛況のダンジョンだけど、ダンジョンコアのタマちゃんと相談して頑張った。だってすぐ調子に乗りそうになって、初心者向けの枠を越えそうになるんだよ。


 この時点で失敗した神を笑えなくなった。分かったんだよ。初心者向けダンジョンは盛り上がりがねーな、このままだとつまらないダンジョンになるんじゃね?ってなんの。


「これ。ここでこの罠とか発動したら盛り上がるんじゃね?」


 〈お待ち下さい。こんな罠を設置した時点で難易度が上がって、初心者向けダンジョンではなくなります〉


「大怪我した冒険者の救助をしてやれば、もう少し強い魔物を投入しても大丈夫じゃね?」


 〈それで救助が間に合わず、冒険者に簡単に死なれては初心者向けダンジョンになりません。と言うか、大怪我を負う人が多発する時点で、難易度が適正ではありません〉


「よし、この階層のボスはコイツ。コイツでダンジョン楽勝だなーって油断した連中の気を引き締めてやる!」


 〈高レベル過ぎます。そしてそれで締まるのは気ではなく、首です。間違いなくボス挑戦者が死にますよ〉


「……ダンジョンに魔物の溜まり場が欲しい」


 〈初心者相手に小規模スタンピードを押し付けるのは、鬼畜の所業ですね〉


「そう言えば、地球のダンジョンはスタンピードが起きるタイプだったかな?」


 〈以前の会見で、全ダンジョンはスタンピードを起こさせない作りのダンジョンだって、マスター自ら読み上げたじゃないですか〉


「ミスリル以上のファンタジー系稀少鉱脈を置きたい」


 〈ここは初心者向けダンジョンです。マスター以外の方が採れない位置に置くなら構いませんが、認められるのはそこまでです〉


 タマちゃんに止められた回数なんて、数えるのが面倒になる位あったよ。


 んで、出来たのが全13階層。ダンジョンへの挑戦前に使いそうな、待ち合わせとか会議できるスペースや更衣室等の施設を詰め込んだ階(便宜上0階と呼称)といちテーマ3階+ボス階の構成を3層。現在は森林エリアの途中が最新の到達階だな、森林のボスがやられるのはまだ先になりそう。


 最初は食料確保の食べられる魔物しか居ない草原エリア。1階は攻撃されない限りなにもしない魔物のみで、2階でアクティブ(襲ってくる魔物)が少し交じって、3階だと半々。草原の中に紛れて野菜とか薬草(ヨモギ)とかハーブとかが生えてる。


 次は林とか森とかのエリアで、油断すると痛い目みるよって警告。食べられない魔物やアクティブ(代表としてゴブリンとか)が増え、戦闘での危険度が上昇。

 採取品は果物、たまに川や湖とかの水場があって川魚、その周囲や水底の石に紛れて小さくて価値の低い宝石類。砂鉄とかも採れるかも。


 最後は洞窟。今までのより(若干)強くなった魔物達との上手な戦いかたと、罠のお勉強。魔物にかかりきりになって罠を見落とすと痛い目見るし、罠ばかりに気を取られれば魔物の奇襲を許す。

 罠自体はかかっても痛くない程度の、オモチャ感覚ではあるが「ハイこれがマジの罠ならお前死んだー」って感じになる物を選んでいるから、罠の脅威……怖さは分かってくれると思う。


 特産品は需要が尽きない鉄鉱を中心とした、あまり需要と供給の関係で、数が出ても価格崩壊で経済が~っ!ってなりにくい鉱石がメイン。


 特殊な物として、光る苔とか茸とかも採れる。……あまり美味しくはないが。なぜ食ったか?キノコで可食って言うんだから、食べてみたいじゃん!それほど美味くはなかったけどっ!


 そして1階辺り3個前後で宝箱が置いてあって、中にあった物が取られた後の宝箱は12時間で消滅して、ランダムで同じ階のどこかに飛んで再配置。中身も設定されたその階の宝テーブル依存でランダム封入。


 1階の宝箱なんかは、小石とかタワシとか。運が良くても薬草1束とか最下級のポーション程度。場合によっては、1階の魔物が好物とするエサが出てくる。




 さて、それでは冒険者――冒険者と探索者、挑戦者や狩人等。呼称をどうするか以前紛糾したらしい――が俺のダンジョンを実際に挑戦してみた感想をまとめて、タマちゃんに抜粋して貰ったのをどうぞ。


 〈ポーションや回復魔法が、ダンジョン内でついた傷のみに作用するのが納得できない。全部の傷とかに対応して〉


 それをやったら現代医療が崩壊して、色々悲惨な未来が訪れそうですので、国と話して決めた事だよーと神にお願いして、定めてもらった仕様です。ご理解をお願いします。


 〈魔法の鞄(マジックバッグ)みたいな、見た目以上に物を入れられる道具は手に入らないのでしょうか?〉


 入手した本人のみ判別して使えるタイプの比較的低容量の相当品ならば、初心者向けダンジョンクリア称号の代わりとして、最奥のボスから確定でドロップする様に設定されています。

 つまりどんな理由があろうが二つ目は絶対に出ない様になっております。その点につきましてはご了承願います。


 〈ダンジョンの使い方として、例えば絶滅危惧種の動物を保護(隔離)して殖やすとか、そう言った事も出来ませんか?〉


 ……出来なくはないな。ウナギとか、高くなりすぎて色々アレだし。どっかの中級ダンジョンをダンマスたる俺が乗っ取って、自然の環境を再現して養殖の天然ウナギとか。神様~そう言うの有り~?


 ヒラヒラ。


『アリだよ~。国と話し合って、ゴーサインが出ればお好きにどうぞ~。と言うか動物を管理してる神に話したら、是非早く実行してください。本来絶滅しないタイミングなのに、人間の勝手で絶滅させられそうな動物とか、見ていられないから早くーってうるさいからやってあげて~』


 お、おう。じゃあ相談してみるわ。


 〈1階のもふもふランドがたまりません。先生、もっともふもふしたいです〉


 ……ん?1階は確かにもふもふが多いけど、ウチはふれあい動物園なんてやってないよ?


 〈冒険者がダンジョン内で大怪我をすると、救助にダンマス幼女がナース服で飛んでくるって本当ですか?〉


 ヒトガタをしている、回復魔法を覚えさせたドッペルゲンガーに助けに行ってやれ、って命令を出したのは覚えてる。


 〈ダンマス幼女さんは、ごはんをどうしてますか?生きているなら食べなきゃだし。折角だから、今度一緒にごはんに行きませんか?〉


 行きません。あと、メシは基本自炊か実家。料理スキルがマックスだから、食材をダンジョンで採取やスーパーで買ってくる。たまに外食したくなって、ひとりか誰かと行くかはその時その時で決めて食べに行く。


 〈ダンジョンのどこかにある隠し部屋に、ダンマス幼女のお宝写真集が眠ってるって本当ですか?〉


 確認……消去。うん、そんな隠し部屋なんて存在しない。


 〈ダンマス幼女の持っている装備のレプリカが、ダンジョンの宝箱に入ってるって……このダンジョンでは小数点以下を切り捨てているため、実際は小数点以下の確率で宝箱から出る。決して0%じゃないって聴いたのですが〉


 それガセだから!!絶対に出ない奴だから!!!そもそも俺と俺の装備はゲーム由来で、商用目的での使用の際は権利元である、ゲーム会社の許諾が必要だから難しいの!


 〈ダンマス幼女が、折角用意してあげた衣装を着てくれません。いっそのことダンマス幼女のお気に入りってアイテム名にして、中級以上のダンジョンの宝箱に入れちゃおうかな?って考えてます〉


「神!!お前の用意する衣装は全部セクハラ仕様なんだよ、恥ずかしいのばっかなんだよっっ!!そして誤解をばら蒔こうとするなよぉ!!!……と言うかタマちゃん、まともなダンジョンの感想とか無いの!?」


 なんか俺のアホ毛にビンビン引っ張られて、頭皮が地味に痛いんだけど!


 〈無いですね。具体的なダンジョンへの意見、不満点が無いと言うことは、適切な難易度設定、と言うことです〉


「なら良し!」


 ってしておかないと、心が折れそうだ。




 最後に、俺の収入について。


 これは簡単だ。ウチのダンジョンから出てきたものは一括で、国のダンジョン管理組織……通称冒険者ギルドでしか取り扱えない契約を結んでて、そこから出た利益の3割……正確には内の1割を所得税等の全てひっくるめた直接税としてハネられて、手取りは2割。


 他のダンジョンへ遊びに行った時も同じ計算。そうしておけば、確定申告もしなくて良いってさ。楽だから、かなり損だとしてもそっちを選んだ。


 地球へ戻る時に直接税とかの支払いは免除だとか、帰還手続きは楽だよ~とか女神から聴いていたのだが、国の方がちゃぶ台を返しやがって。それについてもやり合ったが、結局負けて支払うことに。ああ、今も思い出すだけでイライラしてくる。


 まあ、ダンジョンオープン前からこっそりダンマスルーム近くに作った採掘場で稀少金属を採って、ギルドへ卸してるから2割しか貰えなくても結構馬鹿にならない金額が財布に入ってる。


 ――お陰さまで、3年間の親不孝を取り返すくらいの事は出来ると思う。


 ぴろん♪ ん、妹からメール?


『お姉ちゃん、私にお小遣いをくれてもいいんだよ?』


「お前の小遣い2ヶ月分が、限度な。あと俺は兄だ……と、返信」


 〈お姉ちゃんは妹に甘々ですね〉


「帰還報告をした時、泣いて喜んでくれたからな。小遣いのやり過ぎには注意だが、これも家族への孝行。っつーか俺は男だ」


 〈家族思いの良いお姉ちゃんですね〉


「異世界へ飛ばされて、始めて家族の大切さを感じたからな。あと、俺は男」


 〈よっ、JSが着るような服がとても似合う、ロリお姉ちゃん!〉


「しつこい!それと俺はなんと言われようが、男なんですぅ!」


 〈でも、そう言ったカワイイ服ばかり着てるじゃないですか〉


「インベントリに入れてる自前のは“キャラに着せる物”ばかりだからほとんどがエロカワ系で着たくないし、それ以外のなんとか着られる物は極少数。親がくれるのは大体ロリータ系で、リボンやフリルが重装備で着ること自体恥ずかしい服がほとんど」

「それで自力調達を決めてどこの店へ行っても、それは男の子用で違うのよ~お嬢ちゃんはカワイイ服が似合うから、こっちにしましょうね~とか言われて、男用の服は売ってくれないんだよ!」


 〈やっぱりお姉ちゃん……〉


「うるせーー!!俺は男だっつってんのぉ!!!」

実家の会話


妹「お姉ちゃん、お小遣いを2ヶ月分もくれるって。お金の心配は要らなさそうだよ?」


父「これから親孝行もしてくれるって言ってたし、問題なく自立した生活は出来ていそうで安心だな。あとあいつは兄だよ」


母「この間帰って来た時、わたしより美味しい料理を作られたのは悔しかったわ。実家で暮らしていた時には、料理をわたしに任せきりだったくせに」


妹「料理のスキルがマックスなんだって。美味しい料理が出来るのは当たり前」


母「……わたしは5。毎日毎日料理してるのに。上の娘に負けた……」


父「いやいや、5って店を開ける位だって話だ。実際、十分美味しいぞ。と言うか娘と言ってやるな。アイツすねるんだから」


妹「いつ顔を出してくれるかな~、今晩かな?楽しみ~」


母「この憎しみは、あの娘にカワイイ服(母のカワイイはロリータ系)を着せることでしか……ふふふ」


父「やめてあげなさい」


妹「親孝行を盾にすれば、着てくれると思う……じゅるり」


父「やめてあげなさいって」


母「そう言えば以前、一時期話題になった大根足タイツをネタであの娘にあげたけど、大根にならずに見事に履きこなしてて……アレには嫉妬したわぁ」


妹「うそ!?アレを履きこなせる女の子が居たの!?」


父「もう知らん。……あぁ、娘の美味しい手料理が食べたいなぁ(小声)」




父のセリフを外してみてください。どうです、不思議でしょ?最初の以外、母と妹だけで会話が成り立っているんですよ。


これで家庭内での父の立ち位置がもう……(涙目)

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― 新着の感想 ―
[良い点] 幼女にはカワイイ服が似合う。 きっと男用の服を着ても、一部が大きいから下手な服よりエローー、げふんげふん! [気になる点] ふむ、ボディーソープの泡、TS、親孝行。 これは未来への伏線です…
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