決戦の地 日本魔法魔術学校へ
昨夜は、久しぶりにハロウィンではしゃぐ母を見た。いつもは、冷静で優しい母で。ああいう姿は、家族の前でも滅多に見せない。
そんな母は、早々と数ミリぐらいの薄いシート状の変装マスクの上から化粧していた。俺が起きたのに気付いて、朝食バイキングを食べに降りた。
そして、先月開通したばかりの新幹線で八王子まで向かった。
政府は、多摩地域(都外)の全域を学園都市にするそうだ。ほとんどの市町村の住民が住民投票で賛成している。
10分くらいで着いた。八王子モノレールに乗って、日本魔法魔術学校(高校)前で降りた。
小学校は、高校の左隣にある。
しばらく歩いて、校舎に入った。
試験の内容は、簡単計算問題、英語や日本語の読み取りテスト、親子面談だった。
計算問題は、日本語と英語のどちらかを選ぶようになっていた。計算問題の時、試験官がなぜか遥さんだった。
「遥さんも、学校に来ていたんですね。」
「まあな。こっちも、人手不足らしくて。俺も所沢校長に頼まれてやって来たんだよ。」
「そうなんですね。大変でしたね。」
「まぁ、辻村学園長と壇ノ浦校長に会えたから良いかな。壇ノ浦校長と所沢校長は、同期らしいくて。色々、愚痴やら悪口を聞かされたよ。」
「そうなんですね・・・」
「まぁ、これでここに赴任できたら嬉しんだけど。そのための、ポイント集めだと思えば楽かな。」
そんな感じでテストが終わり、食事の後に親子面談になった。
部屋には、三人の試験官がいた。
「こちらが、学園長の辻村。教頭の清水。私は、茂野です。」
「まずは、学園長の私から質問させて頂きます。暑い時には、そのマスク外しても構いませんよ。部屋を出る時に変装し直せばよいので。お子様は、お家ではどの様なご様子ですか?」
「お心遣いありがとうございます。では、外させていただきます。
家では、自分の食器を片付けたり、妹の面倒を見たりなどする思いありのある子です。私が、日本の文化に興味あるせいか。生まれた頃から、日本に興味をもち。数年前から、魔法にも興味をもち、こちらの学校の入学の為に頑張っていました。」
「そうなんですね。ありがとうございます。」
「次は、校長の私から。私共の学校は、完全寮生なのですが大丈夫ですか?」
「ええ。この子なら、大丈夫です。公務の時に、様々国の子ども達とすぐに仲良くなるので安心しています。」
そんな感じで、面談も終わり。
直行で秋葉原に行き、アニメグッズやゲームを爆買いして。翌日は、一日中東京観光に連れ回された。
その表情は、凛々しい母の表情から子どものように目をキラキラ輝かせていた。
そして、母は、名残惜しい表情を一周残し、いつもの凛々しい表情に戻って飛行機に乗った。