君の名は、・・・? 怪盗の玄孫参上
さて、ここ一週間困っている。
専属コックのロンが、急遽1カ月 夏休みを取っていた。 その代わりに、彼の推薦で短期の料理長兼バイトが来た。日本から、金髪のアメリカ人らしい。その日が、魔法練習の初日に来たのである。
「王子、失礼ながらさっきの話を偶然聞いてしまいました。私も、魔法と変装が得意なのでお力になれればと思います。」
「ありがとう。気持ちだけ受け取るよ。今は、基本を大事したいから。」
「なるほど、それは、魔法の話ですよね。変装は、別にいいじゃないですか。」
それから、毎日変装を教えたいと言われている。早く、ロン帰ってきてくれよ。
今月11日俺の誕生日には、出てくれるらしい。そして、今年のお正月に日本で山の日と同じ日に山の日が制定された時、スマホを二度見した。
外で、砂を操ったり箒の練習をするつもりだった。でも、あいにくの雨、部屋で魔法で羽を浮かして練習をした。
11時になってノックがした。
「坊っちゃま、お茶とお菓子を持ってまいりました。」
執事長のゴブリンのゴブダッディが珍しく紅茶とシュークリーム一個を持ってきた。
「ありがとう。ゴブダッディオが、ワゴンを押して来るのは、珍しいね。」
「ええ。今日は、キャシーが私用で遅れると聞いていたので、私めが持って参りました。」
いつもなら、コボルドのキャシーか半羊人のメイド長ベルーマが持ってきてくれる。
「そうか。ベルーマに頼めば良かったんじゃないのか?」
「坊っちゃまの練習を前々から見たいとおもっていたので。」
「そうか。分かった。」
少し違和感を感じたが、羽を飛ばして見せた。
「お見事です。今、気づいたんですが靴ひもが解けてますよ。」
足元に視線を落とすと、両足とも解けていた。直していると、ドアの向こうから凄い足音が聞こえた。
「坊っちゃま、大丈夫ですか。シロンから、私めの偽物が部屋に入って行くのを見たというので。」
隣から、ゴブダッディオ、半猫人ボーディガードのオリバーノア、キャシー、白烏天狗の執事の子どもシロン、ベルーマ背後にオリバーノア
うん?今、オリバーノアが、二人いたよな。
恐る恐る、もう一度振り返って確認する。間違いない。どっちが、偽物だ。
「後ろのオリバーノアとキャシー以外は、退出してくれ。後、出る前に、お願いしたいことがある来てくれ。」
オリバーを隣に、キャシーを部屋の隅にやった。
「オリバー本当の事を言ったら刺身をあげるよ。」
「うわー。やった。ちゃんと答えるよ。」
丁度、ベルーマがカップルストーロを刺した紅茶を持ってきた。
「まずは、オリバーと二人同時に紅茶を飲み始めて。もし、ズルしたら、何杯でも飲ますからね。」
二人とも頰を赤らめた。
「もー。王子、なぜコイツとやらないといけないんすか?犬女、邪魔すんなよ。」
「王子、こんな猫野郎なぜこんな事をしなくちゃいけないんですか?」
と喧嘩をし始めたが、無言でやり過ごした。
先にキャシーが口をつけた。それを見た、オリバーが腹を決めて口をつけて飲みきった。それを、写真に収めた。
「もー。顔近い。終わったんだから、離れならさいよ。」
「よーし。できたね。次は、俺の生まれた時の体重は?」
「3,030gです。」
「次ね。俺のじいちゃんは?」
「ルパン3世」
「当たり。良かったね。次は、変装取ってくれるかな?」
「王子。何を言っているんですか?意味が分かりません。」
「だって、君キャシーでもアメリカ人でもないんだろ?
だって、オリバーは、魚より肉が大好物だし。 猫が、魚を食べるのは、日本だけだし。
産まれた後にお前ら二人は来たし、ボディーガードが生まれた時の体重を気にするわけないし。
俺のじいちゃんは、エドガーお爺様かチャーチルお爺様って言うだろ。故エドガーお爺様って答えるのが普通。
ルパンの孫って言うのは、フローラ叔母さんやルパンの子孫だけだ。」
「なるほど、ではお望みどおり変装を解くよ。」
マスクを取って現れたのは、犬耳のメイドだった。
「おい。おちょくってんのか?私に、変装するな。」
「あっごめん。間違えた。こっちだった。」
にやけた顔の金髪アメリカ人バイトが、姿を現した。
「バイトのドラコです。よろしくお願いします。」
その姿を見て、耳打ちでドラコにいった。
「今日は、これで許す。だが、その変装を解いて、もう一度部屋に来い。いいな?」
「かしこまりました。ウィンディー王子。やっぱり、貴方には、敵いませんね。」
ドラコには、1カ月タダ働きを条件に許した。料理長の彼が作ったランチは、結構美味しいかった。
彼がランチの片付けを済まして、部屋で2体の紙を人型にくり抜いて魔法で踊らし時間を潰した。3回ノックがあった後「失礼します。」と辺りを見回して入室してきた。
「あんまり、緊張しなくていいよ。別にバラしたりしないよ。ただ、あんなことをしたかを知りたいだけだ。」
「ただの気紛れさ。君もルパン5世なんだろ?」
「多分そうだけど、今はどうでも良くないか?」
「いや、関係あるさ。俺は、お爺様のようになりたくて努力したんだよ。料理やドライブテクニック、格闘。」
「料理は、必要なのか?」
「だって、一味食べただけでも、レシピを再現する腕があるんだぜ。」
「頑張っているのは、分かった。だから、なぜこんな事をした。」
「フローラからルパン3世の孫が生まれたって。俺もルパン3世と不二子の孫、ルパンの玄孫5世だからさ。気になって。
そう言えば、普段生活している姿をみたいんだよな。中村 R 奏瑠だ、よろしくな。」
と言って変装を解いた。中性的イケメンだった。
なんだか、よく分からないが。面白く変な奴だな。ロンが、いない間料理長をして頑張ってもらった。
3歳の誕生日に、ロンが料理長として戻って来た。
二人で、料理を作ってパーティを盛大に祝ってくれた。
先日の褒美として同い年のシロンを俺の専属 執事見習いとして昇格させた。ゴブダッディオの元12歳まで修行を積むこととなった。
そして、キャシーが、専属メイド。オリバーノアが、専属ボディーガードに決まった。