プロローグ
奇妙な夢から覚めると、いつもより重い瞼を開けた。
赤橙色の世界で、心地いい温かさと浮遊感が体を包む。
なんだか、自然と懐かしい気持ちになってうとうとしてきた。
ビックとしたら、鼻に牛赤身風の水を吸い込んだ。
どうやら、赤橙の温水の中らしい。
暇つぶしに、命綱をつけまま遊泳を楽しんだ。でんぐり返しや頭を下にしてコンパスのようにクルッと回ったりして考えてみた。
秦広王や閻魔王、変成王と名乗る奴らから色々取り調べを受ける奇妙な夢を。
約1週間歩いて、大きな建物が見えてきた。ここは、様々な異世界から生者の裁判官や死者(全生物)が集めらる所だった。
金髪の閻魔と名乗るチャラ男から聞いた。生前の行いを裁かれる。それによって、生まれてくる家族や種族などが決まるらしい。
「どんなに苦しくても誰も見てなくても、一生懸命に生きれば、裁判官は全てタブレットに入っている。自他の命を粗末に扱う。つまり、自殺や殺生すればその報いを受ける。」
一番最初の判決(殺人など)を裁かれた後、濁流プールを渡った。審判によって10段階水流に分かれている。
それは、私生活や人間関係などを総合的判断して、生まれるトコロを決めらるらしい。
冥界のようで少し違う変な場所に、1ヶ月半位過ごした夢を見た。
最近、得意先と揉めているから現実逃避として夢を見たのだろ。
そんな事を、考えていると光が大きくなって来た。
やっと、変な夢から醒めるだろ。