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うわあ、大洪水だあ◇
気がつくと僕は夢から目覚めた。
全身がけだるい疲労感に包まれている。
なんだかすっごい夢を見ていた気がするけれど、全然まったく思い出せなかった。
まるで記憶の中から消去されてしまったみたいだ。
もし覚えていたら誰かに語りたくて仕方がないんだけど、思い出せないんだからしょうがないよね。
うっすらと目を開ける。
何故か僕はライムと一緒にベッドの上にいた。
「………………うわあああああっ!」
慌てて飛び起きた。
目を覚ましたライムがとろけた表情で僕を見上げる。
「おはようございます……。こんなに毎日一緒に寝ていたら、そろそろカインさんの子供ができちゃいそうですね」
「えっと、それはまだなんじゃないかな……」
「たのしみですね。えへへ……」
少し疲れた顔で笑うライムの表情が、なんだか妖艶に見えてきて、僕にはそれ以上何も言えなかった。




