料理の楽しさは食べてもらう嬉しさ◇
ご飯を食べ終えたあとは、もう夜も遅かったこともあってすぐに寝ることにした。
もちろんライムは僕と一緒に寝たがったけど……。
「ふわぁ~。なんだか、横になったらどっと疲れが出てきた気がします……。カインさん、おやすみなさい……」
長旅の疲れもあってライムはすぐに目を閉じた。
もちろん僕もすぐに寝入っちゃったよ。
それにしても、ライムが料理に興味を持ってくれたのは、自分でも思っていた以上にうれしかったな。
料理は覚えるととても面白い。
美味しくできたときは本当にうれしいし。
失敗しても、次はこうしようとか次々とアイディアが思いつく。
それでもっと美味しくできれば、もっと料理が楽しくなる。
それに、ライムのおかげで、食べて喜んでもらうことのうれしさも知ることができたんだ。
今までは自分一人で食べていただけだったけど、食べてくれる人がいると、今度はその人のためにがんばろうって思える。
料理は準備とか大変なこともあるんだけど、ライムの笑顔を思い浮かべると、なぜだかその大変さも楽しくなってくるんだ。
本当に不思議だよね。
頑張れば頑張るほど、相手の笑顔が楽しみになってくるんだから。
まあ、ライムはなんでも美味しそうに食べてくれるから、そのおかげもあって僕としても作りがいがあるんだけどね。
その楽しさをライムにも知ってもらえるのは、僕としてもとてもうれしい。
そのせいで料理を教える際に熱が入ってしまって、ついライムの手を握っていたけど……。
ううう……。思い出すだけで恥ずかしくなってくる……。
早く忘れよう。
それにしても、あのご飯は美味しかったな。
焦がしたほうが美味しくなるなんて、やっぱり料理はまだまだ奥が深い。
ライムのおかげで料理を食べてもらう喜びを知ることができて、さらにまだ知らない奥深さも知ることができた。
そのライムに料理の楽しさを教えられるのは、恩返しができるみたいで僕としてもうれしいんだ。
だからできればこれからも、ライムと料理をしたいなと思ってるんだ。
もちろん、ライムがやりたがれば、だけど……。




