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食べるのなら得意です

「ライムが僕の手伝いを?」


「はい、一緒に料理したいんです! ……ダメですか?」


 一瞬驚いたけど、料理に興味を持ってくれるのは僕としてもうれしい。


「ダメなわけないよ。それじゃあ一緒に作ろうか」


「はい、ありがとうございます!」


「一応聞くけど、ライムは料理したことないよね?」


「食べるのなら得意です!」


 自信満々に答えてくれた。

 特に悪気があるわけでもなさそうだ。


「確かにライムの食べっぷりは見てるこっちも気持ちよくなるくらいだからね」


 しかしとなると、ライムでも作れる簡単な料理がいいよね。

 うーん。そうなると……。


「それじゃあ炒め飯にしようか」


「いためめし、ですか? なんだかわからないけど、とっても美味しそうです!」


「作り方は簡単だよ。材料を用意して、それをこの鍋で炒めるだけだから。まずは具を切るところからはじめようか」


「はい!」


 ライムの元気いっぱいな返事が響いた。


 まずは野菜や肉などを適当な大きさに切る必要がある。

 とりあえず包丁を、と思ったけど、ライムは自分の指先を刃物の形状に変えると、それを材料に向けて下ろした。

 その一瞬で、用意した具材が手頃な大きさに切りわけられていた。

 早いなんてもんじゃない。

 僕がまばたきした一瞬のあいだに終わっていた。


「うわっ、すごい早いねライム。それに大きさもちょうどいいし」


「えへへ。いつもカインさんが料理する姿を見てましたから!」


 うれしそうに答える。

 僕そんなに早く切ったことはないと思うんだけど。

 でもそのおかげで具材の用意はすぐに終わりそうだ。


 残りの具材もライムに任せて、僕は鍋に油を引いて火にかけておく。

 炒め飯は火力が重要だからね。

 先に鍋を温めておいた方がいいんだ。

 それにご飯も用意しておく必要がある。

 といってもこっちは、以前に炊いておいたものを冷凍保存したのがあったはずだから、鍋を温めるついでに解凍しておけばちょうどいいかな。


「カインさん、終わりましたーっ!」


 しばらくしてライムの声が響いた。


「おつかれさま。ちょうど僕のほうでも用意が終わったところだよ。それじゃあ一緒に炒めようか」


 ライムが切ってくれた具材を、用意しておいたご飯と一緒の鍋の中に入れる。


「あとはこうやって炒めるんだよ」


 鍋を持ちながら、お玉を使って焦げないようにかき混ぜていった。


 すぐに香ばしい匂いが立ちこめてくる。

 炒める音も美味しそうで心地いい。

 やっぱりスミスさんに作ってもらっただけあって火の通りがいいね。


「それじゃあ同じようにライムもやってみて」


「はい!」


 元気いっぱいの声がうれしそうに響いた。

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