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1日のはじまりは朝ご飯から

 僕とライムが一緒に住むことになってから三日がたった。


 今日の朝食はキノコのスープだ。

 出汁がよく効いてるからとてもおいしい。

 ちなみにスープが多いのは、作るのが簡単で材料費も安く済むからなんだ。

 ライムは細い体のわりには、僕の倍以上も食べる。

 元がスライムだから人間みたいに消化するんじゃなくて、全身で食べたものを取り込むから、いわゆる「おなかいっぱい」という感覚がないらしいんだ。

 そのためにいつも安くてたくさん作れる料理ばかりになってしまう。

 要するに僕の貧乏が原因なんだけど……。


「はぁ~、カインさんの作るご飯はいつもおいしいです~」


 ライムが一口含むごとに幸せそうな表情を浮かべる。

 なにを食べてもこんな感じだ。

 ライムがいうにはそれだけ僕の料理が美味しいかららしいんだけど。

 だからといって、さすがに毎日こんな質素なご飯だと申し訳なくなってくる。

 特にライムみたいに喜ばれるとなおさら胸が痛くなってくるよね。


「はぁ~、ごちそうさまでした!」


「はい、おそまつさまでした」


 ライムが鍋に残った最後の一滴までキレイに食べ終えた。

 ちなみにこの朝食で僕の家の食料庫は完全に空だ。

 もちろんそうなるように計画して使い切ったんだけど。


 朝食を終えた後、ライムと一緒に食器を洗い、しっかりと水切りをしてから棚にしまう。

 当分家に戻ってくることはないから、汚れもしっかりと落としておかないとね。

 隅々まできれいにして準備万端整えると、前日のうちに用意しておいた荷物を肩にかけた。


「それじゃあ行こうか」


「はい! カインさんとおでかけ楽しみです!」


 ライムがうきうきとした表情を隠そうともせずにいった。

 ずっと楽しみにしてたみたいだ。

 ただそれだけなんだけど、なんだか僕まで元気になるような気がするから不思議だよね。


 実はこれから、以前に失敗した一角獣のクエストを受け直そうと思うんだ。

 一度行けば10日は帰ってこれないだろうから、しっかりと準備をする必要がある。

 同じクエストを二回も連続で失敗するわけにはいかないからね。

 それにほかにも事情があったから出発は今日になったんだ。


 家を出て鍵をかける。

 盗まれて困るものなんてなにもないんだけど、一応ね。



「最初はセーラさんのお店に行くんですよね?」


 クエストを受け直すから、もう一度セーラのクエスト屋にいく必要がある。

 だけど僕は首を振った。


「そうだけど、その前に寄りたいところがあるんだ」

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