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生命の水の作り方

 大樹の下を抜けて泉の前に戻ってくると、大勢のエルフが集まっていた。


「長老に聞いたわよ。生命の水がほしいんだって?」

「それにこの魔力……。さすがは虹の継承者ね。今日はたくさん楽しめそうだわ」

「それにちょっとかわいいしね」

「顔の形にこだわるなんて、アナタ変わってるよね。大切なのは魔力でしょう」

「そうだけど、どうせならかわいい方がいいでしょう」

「うーん、わからないわ」


 エルフたちが僕の周りに集まって、そんなことを口々に言い合っている。

 しかもなぜだか気軽に僕の体に触れてくるんだ。

 みんな美女ばかりだからどう反応していいのか困るというか……。


「むう~!」


 となりでライムが不機嫌な表情で僕の腕にしがみついているけど、こればっかりは許してもらうしかない。


「あの、僕の魔力がほしいって話だったけど、僕には魔力なんか全然ないんだけど……」


 なにしろ僕はレベル1のスキルも0なくらいだし。

 少しでも魔力があるのなら、それに適したスキルも必ずあるはず。

 そのスキルがないということは、僕には魔力がまったくないってことなんだ。


 だけどマナはそんなことないといった。


「人間のことはわからないけど、アナタには特別な力があるわ。魔力というか、精力というか……とにかくそれがもらえればいいの。

 人間は見た目とかを気にするけど、私たちエルフにとって重要なのは魔力なの。だからわかるわ。アナタの中には特別な魔力がある。それを少し分けてもらうだけよ」


 そうなのかなあ。

 まあ人間とエルフなんだし、考え方がちがうのかもしれないけど……。


「やっぱりカインさんはすぐ浮気すると思いました!」


 ライムがなぜか怒っている。


 ええ……。

 なんで僕そんなに信用ないの……。


「心配しないで、アナタの夫を取るつもりはないから。ちょっとだけ貸してほしいのよ」


「……あなた方もカインさんの子供がほしいんですか?」


 いきなりとんでもないことを聞いたライムだったけど、マナもまたとんでもないことを答えた。


「ふふふ。そうね。ハーフエルフなんてもう何千年も産まれてないけれど、アナタならいいかもしれないわね?」


「そ、そんなこといわれても……」


「あははは! 冗談よ冗談! やっぱりアナタは思ったとおり面白い人間ね!」


 そう愉快そうな笑い声をあげたあと、そっと僕の耳にささやいた。


「でも、もちろんアナタが望むなら私はかまわないからね?」


 不意打ちの言葉に僕は全身が熱くなるのを自覚した。

 きっと耳の先まで赤くなってるだろう。

 恥ずかしすぎてうつむくことしかできなかった。


 こういう時いつもあいだに割って入ってくるはずのライムも、なぜだか難しい顔つきで僕とマナのことを見ている。


「うう……。カインさんの精子は全生命の財産……。わたし一人が独占してしまっては世界の進化を遅らせてしまうことに……」


 なんでライムの中ではそんな大事になってるんだろう……。


「わかりました……。今日だけガマンします……。でも今日だけです!」


 そういいながらもしっかりと僕の腕をつかんで離そうとしなかった。


「交尾はいいですけど、浮気は許しませんからね!」


 交尾はいいんだ……。

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