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生命の水を探しに

 翌朝早くに、僕らは出発することにした。

 ちなみにちょっと寝不足だ。

 原因はライムとエルが出てくる変な夢を見たからなんだけど、夢の内容までは思い出せなかった。


 まあ覚えてないってことは大したことじゃないってことだよね。

 どうせ夢なんだし、わざわざ無理に思い出すようなことじゃないはず。うん。そういうことにしよう。


 ちなみにエルは普段通りにしているけど、ライムはまだ寝たりないみたいで、僕の背中にしがみつくようにしながら半分寝ている。

 朝ご飯は移動しながら食べる予定なので、今はまだ食べていないんだよね。

 朝食の時間になればきっと起きるかな。


 ちなみにエルフの森までは、早くても往復で30日はかかる計算だ。

 なのでけっこうな長旅になる。

 王都にもしばらく戻ってこれないかな。


「師匠とそんなに長く会えないなんてさみしいです……」

「カイン殿、一緒に行けず申し訳ない」


 見送りに来てくれたニアとシルヴィアがしんみりとした表情でそういった。


 騎士団の人が長く王都をあけるわけにはいかないため、アルフォードさんとシルヴィアは一緒にこられないみたいだった。

 アルフォードさんはともかく、シルヴィアはとても残念そうにしている。


 ニアは、近くの町で魔物が畑を荒らしているらしく、その討伐にいかなければならないのだという。


 だから二人とも来られない。

 そのため、せめて見送りだけでもということで、こうして来てくれたみたいだ。


「二人とも朝早くからわざわざありがとう」


「気にしないでください。むしろ会えないぶん今のうちに師匠分を補給しないといけませんので」

「うむ。カイン殿からエネルギーを得ておかないと、今後の生活に支障をきたすからな」


 二人はたまによくわからないことをいう。


「ええっと、つまりどういう……?」


「師匠早く帰ってきてくださいねってことです」

「ライム殿もいるし心配はないだろうが、怪我などには気をつけてくれ」


「そうだね。ありがとう」


 ライムもいるし、いざとなればエルもいるからね。

 それでも未知の場所に行くんだから注意するに越したことはない。

 心配してるわけじゃないけど、気を引き締めていかないとね。


「カインさん、朝からそんなところダメですよぅ~……えへへ……」


 背中からライムの寝ぼけた声が聞こえる。

 やっぱり心配になってきたなあ……。


 ちなみにフィアとは部屋を出たところで先に挨拶を済ませてきた。


「生命の水を取りに行くのですよね。本来ならワタクシも一緒に行くべきなのでしょうが……」


 そういってくれたんだけど、あれからフィアの体調はまだ戻ってないみたいだった。


「ああ、うん。調子が悪いみたいだし無理しないで」


「ああっ、そんな優しい言葉をかけられると嬉しくて嬉しくて仕方ありませんわっ!」


 そんなことをいって悶えていた。

 やっぱりまだ調子が悪いみたいだ。


「お、お見苦しいところを見せてしまって申し訳ないですわ……。一月もすれば術の影響も薄れると思いますので……お帰りになられる頃には、元のワタクシに戻っているはずですから……」


 そういってよろよろと自分の部屋に戻っていく。

 その後ろ姿が心配で、つい声をかけた。


「あの、無理はしないでね。相談してくれれば、僕にできることならなんでもするから」


 ばたーんとフィアが床に倒れた。


「なんでもするなんていわれたら妄想が捗ってしまいます!」


 床に向かって叫んでいる。

 やっぱり調子が悪いみたいだね。


 それにしても、いったいどこを悪くすればこんなことになるんだろう……。

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