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対竜戦闘訓練

 アルフォードさんとライムの訓練は、それからしばらく続いた。

 僕にはなにをしてるかまったくわからなかったけど、とにかくすごい攻防だったみたいだ。

 それは、剣を杖代わりに地面についているアルフォードさんを見てもわかる。


「やはり……ライム君は……すごいな……」


 息を切らせながら、なんとかそれだけを口にしていた。

 僕としては、ライムと全力で戦っても無傷のままで立っていられる方がすごいと思うけど。


 ちなみに訓練用の装備品には再生魔法がかけてあるらしくて、ライムに壊されてもしばらくすると元に戻っていた。

 それがなかったらさすがに無傷ってわけにはいかなかったかも。


 もっとも、ライムは全然平気そうにけろっとしていたんだけど。

 むしろ思いっきり体を動かせて満足そうだ。


「あー楽しかったです!」


 ライムがそんな風にいうのは珍しい。

 戦うのが強いけど、戦うのが好きってわけじゃないからね。

 だから本当に楽しかったのかも。


「ところでアルフォードさん、まだ少し時間がありますか?」


「ああ、午前中は訓練をする予定だったからな。昼までは平気だ」


「それならよかったです。実は訓練にはエルも参加してもらおうと思いまして」


「そこの見学のお嬢さんもかね?」


 アルフォードさんが不思議そうな顔をする。

 エルは見た目だけなら普通の女の子だから、そう思うのは無理もない。

 説明しようかと思ったけど、それよりは見てもらう方が早いよね。


「エル、ここで元の姿に戻れるかな?」


「うん大丈夫だよ」


 うなずくと、その体が光に包まれる。

 光は次第に形を変え、やがて一匹のドラゴンの姿になった。

 といっても訓練場を壊さないようにするためか、いつもよりふた回りくらいは小さくなっていたけど。


 それでも、エルの正体を理解するには十分だったみたいだ。


「これは、まさかあのときのドラゴン……!?」


 驚愕の言葉をもらす。


「ただ者でないと感じてはいたが、まさかあのときのドラゴンとは……」


「色々あって一緒にいるんです。アルフォードさんがドラゴンと戦えるような強さがほしいとのことだったので、だったらエルにも来てもらった方がいいかなと思いまして」


「彼女も来ていいかたずねたのは、このためだったというわけか」


「ボクもこの姿になるのは久しぶりだから、久々に体を動かせそうで楽しみになってきたよ」


 そういうと、軽く炎を吐いた。

 吐き出した吐息だけで訓練場の床が真っ赤になって溶けてしまった。


「あっ、これだと普通の人間なら耐えられないかもね」


 間違えてコップから水がこぼれちゃった、みたいな気軽さでエルがつぶやく。

 僕が浴びたら骨も残らなそうだ。


 以前にアルフォードさんたちと戦ったときのエルも炎を吐いていたけど、ここまで強力じゃなかったはず。

 もしこんなにすごかったら、今頃あの一帯の森は溶けてなくなってるはずだからね。


 そんなエルを前にして、アルフォードさんが「頼んだのは私だが、できることならお手柔らかに頼むよ……」と苦笑気味につぶやいた。

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