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ワタクシもお邪魔してよろしいかしら

「ところでアナタたちは今どこの宿に泊まっているのでしょう。今後の連絡をしやすくするためにに、お教えいただけると助かるのですが」


「実はどこの宿もいっぱいで、色々な人の家に泊めてもらっているんだ」


「なるほど。様々な家を転々とすることで、居場所を特定されないようにしているわけですわね」


 別にそういうつもりじゃないんだけど、結果的にはそうなっちゃってるかな……。


「それで今はどこの家に?」


「今日はアルフォードさんの家だよ」


「アルフォードというと、まさか騎士団総長の?」


 さすがにアルフォードさんの家だとは思っていなかったのか、フィアも驚いた様子だった。


「フフ、まさか王都騎士団総長様のお宅とは思いませんでしたわ。そこならば不審者も迂闊には近づけないでしょう。ましてや忍び込むなんてとても……。この王都で一番安全な場所といえるでしょうね」


「そういわれれば確かにそうかもしれないね」


「もしよろしければワタクシもお邪魔させてもらえないでしょうか」


「えっ、フィアも?」


 そんなことをいわれるとは思ってなかったから驚いた。


「騎士団総長様とお近づきになるいい機会ですし、アナタと近い方がなにかと都合がいいでしょう」


「それは、アルフォードさんに聞いてみないとわからないけど……」


「またカインさんと浮気する気ですか!」


 ライムが警戒するように僕の腕に強くしがみつく。

 ていうか、またってなに……?

 フィアが意味ありげな笑みを浮かべる。


「フフ、そんなつもりはないから安心してください。もちろん別の部屋で構いませんよ。騎士団総長様の家でしたらワタクシも安心できますし」


「ひょっとして、誰かに狙われているの?」


「そういうわけではありませんが、ワタクシも表舞台を堂々と歩いてきたわけではありません。快く思っていない者の一人や二人くらいはいるでしょう。それにワタクシたちが作っているものを知られれば、強引に奪い取ろうと考える人たちも現れるでしょう」


 確かに、こうして人目のないところで打ち合わせをするくらいだからね。

 用心して困ることもないと思うし。


「カインさん、こいつだけは絶対にダメだっていったじゃないですか!」


 だけどやっぱりライムは反対みたいだった。


「いや、だから浮気をするわけじゃないし……、それにアルフォードさんの家に泊まるだけだから、そんなに悪いことじゃないと思うんだけど……。どうしてそんなにフィアを嫌うの」


 対抗意識をむき出しにすることはよくあるけど、フィアに対してはやけに敵視している気がする。

 ライムが不満そうに口をとがらせる。


「嫌いといいますか、得体が知れないといいますか……」


「アナタのカレシに手は出しませんから、安心してくださいませ」


「それは当たり前です!」


「フィアも悪い人じゃないと思うし、仲良くしてあげてよ」


「……カインさんが、そういうのなら、ガマンしますけど……!」


 ライムは口でこそそういったけど、まだ納得はしてないみたいだった。


 確かにフィアには謎な部分が多いし、警戒するのもわかる気はするけど。

 でも、なにやら訳ありみたいだし、アルフォードさんにかくまってもらえるのならそれがいいのかもしれないかな。

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