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特別査定

 ニアやシルヴィアたちと話していると、職員のお姉さんが僕に気がついて話しかけてきてくれた。


「あらカイン様、もう戻ってきたんですか?」


 最初に涙のクエストを紹介してくれた職員のお姉さんだ。

 確かセーラの幼なじみでもあるんだよね。


「ひょっとして忘れ物ですか?」


「いえ、クエストを終えたので、その報告にと思いまして」


 そう告げると、お姉さんは驚いたようだった。


「クエストを終えた、って、確か王家の丘に向かっていたんですよね? あそこは行くだけでも数日はかかるはずですが……」


「シルヴィアにすごい馬車を用意してもらったので、おかげですぐに着くことができたんです。

 そういえばまだシルヴィアにお礼を言ってなかったね。なにからなにまで用意してくれて本当にありがとう」


「カイン殿の頼みとあらば当然のことだ。気にしなくていい」


「馬車の件はわかりましたが、それにしたって早すぎるというか、確か千年苔を探しに向かわれたんですよね?」


「うん、おかげで手に入ったよ。それと頼まれてたクエストの素材も一緒に採取してきたから、確認してほしいんだ」


 持ってきた様々な素材をお姉さんに渡した。

 受け取ったお姉さんが中を見て驚く。


「まさか、これだけの量を、本当にたった三日で……? ちょ、ちょっと待ってください。今確認しますので……!」


 そういって素材をテーブルの上に置くと、自分の冒険者カードを取り出した。

 そういえば冒険者カードにはアイテムの鑑定機能も付いてるんだっけ。

 一定以上のランクがないと使えないから僕のカードではできないんだけど、お姉さんのでは可能みたいだった。

 冒険者協会では素材採取クエストの受け取りも行うから、こういった鑑定スキルは必要なんだろうね。


 ひとつひとつチェックしては、そのたびに驚く。


「すごい、世界樹の枝や、マンドラゴラの根まで……! どれも採れたてで保存状態もばっちりだから、素材ランクも普通より高くなってる……。こんな希少な素材ばかりを、すごいですね……!」


「王家の丘は人が少ないこともあって、そういう希少な素材がたくさん手に入ったんだ」


「これだけの貴重な品を、しかもこの品質でとなると……通常のクエスト達成報酬の他に、特別報酬も加算しなければなりませんね」


「えっ、そうなの? 僕は別にいいんだけど……」


「いいえ。そういうわけにはいきません。適切な労働には、適切な報酬を。それが冒険者協会のモットーでもありますので」


 そういってお姉さんが素早く紙で計算すると、その金額を僕に提示してきた。


「これくらいでいかがでしょう」


 その金額を見て僕は驚いてしまう。

 それは普段の報酬も倍以上もあったんだ。


「ええっ、こんなには受け取れないよ」


「カイン様ならそういうのではと思って、これでも安く見積もったほうなのですが」


「そうなの?」


 セーラも報酬を上乗せしてくれることはあったけど、こんなに増やしてくれたことはなかった。

 王都は物価が高いとは思っていたけど、こんなに高かったんだなあ。

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