新たな同居人4◇
ライムとエルに抱きつかれながら眠っていたけど、エルに「二人の交尾を見せてほしい」なんていわれてしまったせいで、すっかり意識するようになってしまった。
ライムに同じようなことを言われることはこれまでに何度もあったけど、他人からいわれることでより客観的に考えるようになっちゃったっていうか……。
ライムとは夫婦じゃないけど、周りから見たらそう見えちゃうんだろうし。
でも、仮に夫婦となっていたとしたら、どうなるんだろう。
同じ家に住んで、一緒にご飯を食べたり、一緒に寝たり……。
……。
あれ、今とあんまり変わらないような?
でも、夫婦ということは当然「そういうこと」もするわけで……。
これまではうまく誤魔化してきたことも、そういうわけにはいかなくなるよね。
とはいえそんなの想像できない……、と思ったけど、いつもライムが積極的に迫ってくるから割と簡単に想像できてしまう。
「ほら、ライム。こっちおいで」
「はい……。あの、わたしはじめてなので、優しくしてください……」
「へえ、意外だな。ライムくらい美人ならそういう経験もあると思ってたけど」
「わたしはカインさん一筋ですから」
「僕だってライム一筋だよ」
「カインさん……」
「ライム……」
……ないないないない!
いくら夢だからってむちゃくちゃだよ!
だいたい僕にそんなこと言う勇気もないし……。
もし本当にするとしたら、やっぱりライムから誘われるような形になるのかな……。
「カインさん、わたしたちは今日から夫婦なんですから、今日こそ交尾をしましょう♪」
「う、うん、そうだよね……」
「でもわたし、人間の交尾の仕方がわからなくて……。スライムの頃のやり方でいいですか?」
「うん、いいんじゃないかな、たぶん……。そんなに違わないと思うし……」
「それじゃあ融合しましょう」
「……え?」
「融合して遺伝子を溶け合わせるのがわたしたちの交尾なんです。それじゃあいただきまーす♪」
……僕食べられちゃったよ!
やっぱり僕からやらないとダメだよね。
それに女の子から誘われるのを待つなんて、男としては少し情けないものも感じるし……。




