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世界の果てと竜の里

「えっ!? 虹の欠片があるの!?」


 エルの言葉に僕はものすごく驚いてしまった。

 エルはもちろんだよというようにうなずく。


「虹の根元にいっぱい落ちてるやつでしょ? それならうちにあるよ」


「うち? それってもしかして……」


「うん、ボクが住んでるところだよ」


「それってつまり、竜の里!?」


 この世界にはエルダードラゴンが住む竜の楽園があるといわれている。

 それは伝説だと思われてたけど、そもそもエルダードラゴン自体が伝説の存在だったのにこうして実在したんだから、竜の里があってもおかしくはないよね。


「じゃあまさか、草原の果てに来ると戻されちゃうのは……」


「一応ボクたちの住処は人間には隠してるんだ。ボクはもっと人間に来てほしいんだけど、じいちゃんが人間嫌いだから」


「それじゃあ僕たちも入れないの?」


「ううん、ボクがいるから大丈夫だよ。でもこんなにたくさんは入れないかな」


 後ろの騎士団の人たちを振り返る。

 確かに全員となると多いかもしれない。


「とりあえずキミだけでいいかな」


 エルが僕に向けてそう言うと、シルヴィアが一歩近づいてきた。


「私も連れて行ってもらいたい。本当に虹の欠片があるというのなら、なにからなにまでカイン殿任せというわけにはいかないからな。騎士団を率いる身として無責任なことはできない」


「はいはいはい! もちろんわたしもカインさんのおそばを離れるつもりはありませんから!」


 シルヴィアに続いてライムも激しく手を挙げる。

 エルが少し悩むような表情を見せた。


「うーん、三人くらいなら大丈夫かな。ライムはボクの鱗を取り込んでるから、半分ドラゴンみたいなものだし……」


 そういえばライムはエルからもらったドラゴンの鱗を食べていたんだっけ。


「それじゃあ行くからついてきて」


 エルが看板の先へと進んでいく。

 その後に続く形で僕とライム、シルヴィアも歩いていく。


 なんてことのない草原の景色が、急に薄れはじめ、やがて見慣れないものへと変貌した。


「ここが、竜の里……」


 そこは、とても言葉で表現するのが難しい場所だった。

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